就職活動の早期に多くの体育会系の学生が大手商社や証券、メガバンクなどから内定を奪取していきます。体育会系の学生のうち4割の人が5000人以上の規模の会社に行くようです。一般学生の場合は3割ちょっとなので、明らかな差があります。
(出典 : 株式会社ディスコ「2016年度体育会学生の就職活動調査」)
部活動に学生生活の全てを注ぎ込んできた体育会系の学生が就職活動を有利に進めていくのには、一体どんな理由があるのでしょうか!?
どんな仕事でも、時には非常に大量のタスクをこなさなければならないことがあります。そんな時に体育会系の学生は、持ち前の体力でガツガツと仕事をこなしていくことができると期待されます。
朝早くから筋トレやランニング、練習を継続的に行ってきた体育会系の学生は、やはり一般の学生とは明らかに体力量に違いがあると言えるでしょう。筆者は中学時代で運動系の部活とはおさらばしましたが、毎朝通勤路の階段を70段上るだけでもう精一杯です…
もちろん体力だけでなく要領の良さなども仕事には重要な要素となりますが、何があっても潰れないタフさを持っているのは体育会系学生の強みといえるでしょう。
特に仕事量の多い広告代理店や、大きいノルマを課す証券会社などにとっては、仕事をバンバン振れる体育会系学生は非常に使い易い人材です。
辛いトレーニングに根を上げず取り組んできた体育会の学生ならば、仕事をする上でも同様に取り組んでくれるだろうという期待を企業側は抱いているんです。
体育会の活動においては、とにかく上下関係が優先されます。先輩の指示にいちいち口を出すようなら即破門です笑
彼らは普段から先輩、OB・OGに対して従順に行動しているのです。
そのために体育会系の学生は素直で、何事にも真面目に対応するという習慣が身についています。企業側からしたら、新入社員には自社の慣習、文化、仕事のやり方にすぐに染まってもらったほうが好都合ですから、体育会系の学生はうってつけというわけです。
自分が上司だとして、新しく入ってくる部下はひねくれた人よりも、素直で礼儀正しい人の方が扱い易いですよね。自分のいうことを素直に聞いて行動に移してくれるというのは、個人間のやりとりでも気持ち良いものです。
そして彼らは人前で非常に礼儀正しいです。ビシッとした挨拶ができるようにしっかりと訓練されています。人を立てることにも慣れていますから、入社間もない段階で営業先に連れて行っても問題ないでしょうし、活躍を期待されることでしょう。
一般的に大手企業で歴史がある会社ほど縦社会の傾向にありますから、体育会系の学生が大手の内定を獲得する割合が高いのは必然とも言えるかもしれません。当然体育会系のOB・OGは体育会系学生が素直なことを知っていますし、企業文化の傾向として社員と同じような考え方や習慣のある学生を求めることになります。
縦社会に馴染みある体育会系の学生と比較して、一般的な学生はそういった文化に馴染みがありません。一部学生団体を除いて、上下関係もラフなサークルが多いです。サークルは皆で仲良く、というのが基本的な構えですからね。
そうしてラフな環境で過ごしてきた学生が、就職活動の時期になっていきなり礼儀正しくビシッとしようとしても、面接官から見ればそれはなんともぎこちないものです。身のこなしというものは一朝一夕では身につきませんから、体育会系の学生はその点においても一般の学生と比べて企業から好感をもたれやすいと言えるでしょう。
一部データでは、中高生の頃に運動系の部活に入っていた人の方が文化系や帰宅部だった人に比べて内定が多いという結果も出ているようで、このあたりはやはり長年の経験が身についているかどうかがポイントとなってきてしまいます。内定に近づくためには、普段から人付き合いの際に礼儀やマナーを意識しておくことが重要といえるでしょう。
社会経験に乏しい学生は、長期インターンシップなどで社会人と接する機会を作っていくことを意識しましょう。
実際に会社で仕事をするとなると、どのプロジェクトをこなすにもチームプレイとなり、チームで結果を出すことが求められます。
その点において体育会系の学生は、チームで結果を出すための努力をしてきた経験を皆持っているので、非常にアピールしやすい部分だと言えるでしょう。自己PRをする際に、困難をチームで乗り越えた経験をアピールできるので、面接官にも好感を持たれやすいです。
なによりも、体育会系の学生の目的は非常にシンプルで、勝ち負けにこだわってチームで結果を出そうとしたというストーリーの明確さは誰が聞いてもわかりやすいです。目的をもってずっと行動してきたわけですから話に一貫性があり、一般の学生よりもより伝わりやすいPRとなりうるでしょう。
体育会系の学生が就職で最強な理由は、
ただし、一方で体育会系の学生はどうしても皆似たようなPRになってしまうので、彼らの就職活動におけるライバルは、一般の学生ではなく同じ体育会系の学生と言えるでしょう。
慶應義塾大学商学部。圧倒的モラトリアムを満喫するために4年間日吉キャンパスへ通う(通常2年間,3年生から三田キャンパス)。 豊富な大学生活を活かして社会貢献できないか模索中。