こんにちは、英国 University of East Anglia(以下UEA)で国際開発学を学ぶIgari Yokoです。
今回は、私自身が実際に、日本人留学生として感じている事についてまとめました。他の生徒には無い日本人として得ることが出来る特権、日本人が故に直面する壁、またその対処法や周囲との関わり方についてお話します。
まずは、明るい視点で日本人を見てみましょう(笑)日本人であること、日本という国から来たメリットとはなんでしょうか?
学内には日本人はもちろん、中国人、パキスタン人、ブラジル人など様々な国籍の生徒が籍を置いています。しかし、日本ほど、国の信頼が厚い国は無いと実感します。政治的な観点であれば、旅行の際に、他の国の人たちは事前VISA申請が必要なところを、日本人は一切必要無いということです。日常的な事であれば、日本製品や漫画などが世界中で知られているおかげで、会話のきっかけが作りやすいということだと思います。日本人というだけで好印象を持たれる場合も少なくありません。また、UEAには日本語と日本文化を学ぶ専門の学科があり、日本・日本人が好きな生徒も多いので友達を作りやすいというメリットがあります。
それでは、デメリットは何でしょうか?やはり、それは英語そのものだと感じます。ヨーロッパ圏内の生徒は英語との文法の構造も似ていて、学校教育でも効率よく英語学習を多く取り入れています。しかし、日本語と英語とは文法構造が大きく異なり、学校での英語教育も実践的ではないため、英語の能力に差が生じます。幼少期に海外で生活した経験やよっぽどの英才教育を受けていない限り、日本人はこの壁にぶつかってしまうのではないでしょうか。
例え、英語を習ったとしても、日本人の英語は教科書通りのカチカチの英語で、日常的に英語ネイティブが使用する英語とは異なります。なので、同じ英語を使っていても日本人の英語とネイティブスピーカーの英語では、かなりの差があり、まるで違う言語のように聞こえるという現実もあります。(また、イギリス人か、シンガポール人かでまたしゃべり方が違ったりもします。)もちろん、彼らの喋るスピードや思考回路そのものもアジア人とは異なるので、上手く会話に入っていけない、ついていけないこともあります。
自信を無くしてしまうことも多いですが、自分を理解してくれる友達を作ることでストレスは幾分解消されます。上記に述べたように、日本人が好きだったり、日本に興味を持っている人は多くいます。
私自身も日本に興味がある生徒が集まるJapan society(日本でいうサークル)や日本語と英語をお互いに教えあうJapanese×English conversation club(サークルではなく有志での活動)を通して友達の輪を広げています。そこで積極的に友達をつくり、時間を共に過ごすことは、とてもよい機会で、日本人意外の人たちと関わる突破口になります。英語ネイティブ、日本語ネイティブならではの表現方法を交互に学び、週末はPubや誰かの家に行って呑むこともしばしばあります。
(私の初めてのイギリス人の友達は日本人のおばあちゃんを持つクオーターの女の子でした。)
また、勉強面では予習をしっかりして、自分に自信を付けることも大切です。授業は相互的で、生徒側の意見が求められることも多いです。そこで発言することにより、自分の意識を高めると同時に、自分を見る周囲の目も変えることが出来ます。
第二言語を使い、人とコミュニケーションをとること、まして勉強をすることは簡単ではありません。私の英語力も流暢に話せるレベルではありません。未だに英語で喋る時に緊張してしまい、自分の思っている事を100%は伝えることは出来ず、周りの人と比べて、自分の実力の無さを感じることもあります。
しかし、“出来ないから、やらない”のでは無く、“出来ないからこそ積極的に取り組む”姿勢が必要です。そしてまた、自分の足りない部分を見つめつつも悲観的になりすぎず、自身の強みは何かを考え、勉強以外で何かに取り組み、他人との交友関係を築くことも重要です。その点で、日本人は多くの機会に恵まれていると思います。海外留学で日本人に必要なのは、つまずいて転んでもまた起き上がる、七転び八起きの精神とその現状を楽しむ多少の楽観さではないでしょうか。
英国 University of East Angliaで人類学を軸に国際開発学を学んでいます。短期大学で幼児教育を学び、職務経験を経て、2014年に渡英。現在、大学の日本人留学生大使としても活動中。facebook 日本人学生による留学体験記