縁故採用・コネ採用は本当にされているのか、就活生であれば気になるところです。
昔はコネで大企業に入社する人が多かった、なんて話を聞いた事はないですか?
今回は縁故採用・コネ採用の実情に迫っていきたいと思います。
縁故採用・コネ採用は長らく存在してきました。マスコミ業界などコネ採用が強い業界も確実に存在します。
(出典:https://hr.wantedly.com/growth/kone/)
「縁故」=「コネ」のある人物は「コネ」(取り持ってくれた人物)への配慮から就職後すぐに辞めることが少なく、機密漏洩などの問題を起こすことが少ない点で、また、地方の地元企業では若者の大都市流出を回避できる点で重視している企業もある。 その他、広く宣伝する必要がないため、企業が社員募集に必要な人的・金的コストを削減出来るという側面もある。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B8%81%E6%95%85%E6%8E%A1%E7%94%A8)
企業にとって従業員がその会社にロイヤリティーを感じている事は重要です。せっかくコストを支払って採用した人材がすぐに離職してしまっては困ります。コネから採用することで求職者の囲い込みを行うこともできるため、縁故採用を行う企業は存在しました。
(出典:http://haribo01.hateblo.jp/entry/2015/10/22/133000)
日本ではなぜ縁故採用・コネ採用が嫌われるのでしょうか?
日本よりもコネによる入社の多いアメリカではコネ入社だからといって批判されることはそれほどありません。
この違いの一因として雇用の流動性が挙げられます。雇用の流動性が比較的低い日本では、ファーストキャリアとして選んだ会社で一生が決まるという風潮が長らく続いていました。「一流企業の社員であるというステータスがコネで手に入るなんて!」と思う人が出てくるのも当然でしょう。一方のアメリカでは転職は当たり前で、ファーストキャリアを次のキャリアのためのステップアップと捉えている人も多いです。入社できたからといって本人が実績を上げられなければクビにもなるので、コネ入社自体に批判をする人はあまりいません。
日本でも終身雇用制度をとる企業が減ってきていたり、転職に対するマイナスのイメージがなくなってきたこともあり、一流企業の社員であるというステータスは以前ほど絶対的な存在感を発揮していません。コネ採用を批判する声も少なくなっていくのではないでしょうか?
コネ採用をこの世からなくした方が誰しもにとって平等で幸せな世界が訪れるのでしょうか?
どうやら現実はそこまでシンプルではないようです。
2015年6月17日の日経ビジネスの記事にて「コネを通じた採用を禁止/制限すれば、コネを持たない人の厚生は向上するか」に関しての研究結果が発表されてます。
縁故採用・コネ採用という言葉にはどうしてもネガティブなイメージがあります。上記で挙げたような理由により日本では縁故採用・コネ採用は悪と捉えられがちでした。しかし先述したようにアメリカでは縁故採用(リファラルリクルーティング)は一般的に受け入れられているもので、近年日本でもリファラルリクルーティングの重要性が認識されつつあります。
「リファラルリクルーティング」とは、社内外の信頼できる人脈を介した「紹介・推薦」による採用活動のことです。
「リファラルリクルーティング」は、あくまでも採用候補者に基準以上の質を求め、そのために社員の人脈を積極的に活用します。
(出典:http://liginc.co.jp/life/useful-info/172180)
実際にリファラルリクルーティング専門のHRサービスも出てきています。最後にそういった事例の一部をご紹介します。
(出典:http://mainichi.jp/select/biz/pressrelease/archive/2015/09/29/13393.html)
一つ目は株式会社リクルートキャリアの提供しているリファラルリクルーティングサポートツール「GLOVER Refer(グラバー・リファー)」です。リファラルリクルーティングを行ったことがない人事でもどのように進めていけばいいのか、社員への説明から採用まで円滑に進めることができます。また、社員ごとの活動状況をデータ化して管理できるため曖昧な採用施策で終わることなく、課題の特定が可能となっています。
(出典:www.inte.co.jp)
続いては株式会社インテリジェンスの提供している「My Refer(マイ・リファー)」です。採用業務の負荷をかけずに社員を巻き込める、効率よく社員紹介ができる、データから課題分析が可能といった特徴があり、こちらもリファラルリクルーティングの効率化を図ったツールとなっています。
縁故採用やコネ採用は確かに存在します。
しかし、今回見てきたように転職が当たり前となりつつある現代の日本ではコネ採用の旨味は以前ほど無いように思えます。さらにリファラル採用という新しい採用手法が現れたことでネガティブなイメージも薄まってきているのでは無いでしょうか。
就職が一度きりでは無いこの時代に、縁故採用(リファラル採用)がどのような形で採用活動に貢献していくのか注目です。