学生だからこそリスクを取るべき。マレーシアで会社設立に奔走した慶応義塾大学2年生 石川卓門氏

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「事件に巻き込まれたらどうしよう」「意識高いって周りから思われるのいやだな」「ほかにもやれることがあるはずだ」そう思って踏み出せなかったこと、たくさんある。世界一周、海外ボランティア、留学。

そんなとき、「マレーシアを開拓する」と宣言して、海を渡った大学生のブログを見た。その名も“大学生石川のアジア挑戦日記〜マレーシア開拓編〜”。

「この人の話しを聞きたい。」彼の帰国を待ち、取材を敢行。なぜ彼はマレーシアに飛び込んだのか?そして、その結果何を思うのか?リスクをリスクと感じない、彼の思いを探った。

(編集部注:本記事は、“ASEANで働く”を近くするウェブマガジン・アセナビによる寄稿です。)

学生だからこそリスクを取るべき。マレーシアで会社設立に奔走した慶応義塾大学2年生 石川卓門氏

石川卓門さん:1995年生まれ、東京学芸大学附属国際中等教育学校卒業後、慶應義塾大学理工学部に進学。大学進学後AIESECに入会。大学2年の夏にチャプターエイトのマレーシア担当としてクアラルンプールに2ヶ月滞在。

「目の前の機会を逃したくない。」マレーシア渡航のきっかけ

ーーまずはAIESECに入ったきっかけをお聞きしたいです。

海外に大きな興味を抱いていたわけではありませんでしたが、たまたま友だちに誘われてAIESEC(アイセック)の見学に行ったことがきっかけでした。その時に出逢った先輩の面白さに魅力を感じ、入ることを決めたんです。

海外からのインターンしに来る留学生の受入企業に対して営業をしたり、チームリーダーとして動いたり、人材部門で活動をしたりと、積極的に動いていました。

ーー1年生の時点からそこまで積極的に活動できたモチベーションの源泉はなんですか?

ぼくは、一浪をしていたため、遊ぶのは違うなあと。だからといって「将来から逆算して今はこれをやる・・・」という感じではなく、目の前の機会をつかみにいくことを大切にしていました。AIESECの中には機会がたくさんありましたし、時間をかければかけた分だけの経験を得られます。、経験値が積まれていくのを体感していたので、一年生の夏にはほぼAIESECの活動だけをしましたね。

ーーなるほど。そこで、マレーシア渡航のきっかけとなる高野さんと出逢ったんですよね。

はじめ会った時は、フランクな人柄に加え、質問や話す内容が鋭い、という印象を受けましたね。それに、「挑戦」だったり「主体性」というキーワードも興味深かったです。

その日、帰ってから改めて高野さんの会社を調べてみると「海外展開」という言葉が目に入ります。2年生の夏に打ち込みたいことを見つけられていなかったこと、そして海外で何かすることに対しての憧れが強くなっていたことがあり、ここで「挑戦したい」と感じました。と、思い立ってからが早かったのですが、翌朝連絡をしてみると急遽その日に会うことになり、会って2時間くらいで海外に行くことが決まったのです!(笑)

「できることが3つあるんだけど、どれがいい?」と、やりたいことを選ばせてくれて、その一つが海外でした。迷わず「海外!」と即答すると「じゃあどの国がいい?」と、国に関しても選択肢が広くて。

結果的に、英語が通じる国としてマレーシアを選ぶことにしたのです。それからすぐ航空券を取ったり現地で行う大枠が決まったりして、トントン拍子でマレーシア渡航が決定しましたね。

行く前のマレーシアの印象としては「熱帯雨林?」「インドネシアに近い?」というように、普通の人よりも知識はありませんでしたが(笑)、目の前のワクワクする機会に飛び込みたかったんです!そんな理由から、夏休み丸々をマレーシアに捧げることにしました。

出国前の自信を打ち砕かれたマレーシア滞在

ーー具体的にマレーシアでしていたことはなんですか?ブログには「全力でマレーシアを開拓しにかかります」と書いていましたね。

高野さんから、個人的な成長のことと会社のことについてのミッションを与えられました。

まず個人的なことについて、マレーシアで得た情報を毎日ブログでアウトプットすること。例えば「マレーシアの盆踊り大会に参加し再認識したマレーシア親日性」とか「マレーシアで使われているSNSは何?」というように、現地の情報をブログに書いていました。

また、マレーシア人に向けて日本の文化を発信するということで、Facebookページの更新もしていましたね。

会社のこととしては、将来現地で会社を設立するにあたって、土台作りと人脈作りに勤しみました。

50名以上の方とお会いして、マレーシアでビジネスをされている方のキャリアを聞いたり、会社設立のための情報収集をしたり。マレーシアでは日本人のネットワークが強いので、紹介していただいて色々な人にお会いすることができました。

ーーはじめての東南アジアだったと思うんですけど、どんな印象を抱きましたか?

最初降り立ったのは、ボルネオ島にあるコタキナバルでした。そこで乗り継ぎのために一泊したんですけど、辺りがごみごみとしていて「ああ、これが東南アジアか…。」と思いましたね。

宿に行った時、ロビーに今までに見たことないほどの大きなドブネズミが立っていたのを目撃して、本当にびっくりしました…!驚きすぎて動けなかったです(笑)。ベッドも汚くて、部屋でWi-fiがつながらなくて、東南アジアの洗礼を受けた気がしましたね。

そのあとクアラルンプールに行ってみると、「こんなに発展しているんだ!」とびっくりしました。けれど、そう思ったのも束の間、ちょっと歩くと道に穴が空いていたり、車で10分くらい走ると森が広がっていたり。とにかくそのギャップに驚きました。

ーーぼくも、はじめてクアラルンプールに降り立った時、思ったよりも都会でびっくりした記憶があります。石川さんのマレーシア滞在の中で、楽しかった経験ってどんなことでしたか?

ゲストハウスに1ヶ月半滞在していて、色々な国から泊まりに来る旅行者とコミュニケーションを取ったことですね!インドネシアや韓国(フランスとかイギリスとか)、ナイジェリアの人など、様々な国籍の人と交流したことが楽しくて。ペナン島では、現地の人に観光案内してもらったことも印象的でした。また、イスラム文化に触れたのははじめてで、メディアで見るイスラム教のイメージとは違った側面を見ることもできましたね。

ーーやはりメディアから受ける影響は強いですよね…。反対に、辛かった経験はどんなことでしたか?

自分自身、なにもできないなあと実感しましたね。

今までは、お調子者というか楽観的というか、「向こうで会社作ってやろう!」という感覚で、自分に出来ないと思ったことはありませんでした。けれど現地に行ってみて、立てていた目標を達成できなかったり、やる気が出ないこともあり、自分と直面する機会がとても多かったんです。向き合うことで、自分のアウトプットの質だったり、どれだけがんばれているのかだったりが浮き彫りになり、それを考えていたのが辛かった経験といえますね。よく、やったこともないのにできると思い込んでいたなあと。

学生にリスクなし。マレーシアから帰ってきて思うこと。

学生だからこそリスクを取るべき。マレーシアで会社設立に奔走した慶応義塾大学2年生 石川卓門氏

ーー行く前と帰ってきてから、一番変わったことはなんでしたか?

2つあって、1つは“海外”に対するハードルが下がったことです。

マレーシアで働いている人々に会う中で、当然その難しさを聞く機会は多かったのですが、少なくとも「日本で働くこと」「マレーシアで働くこと」という選択肢に差異はなくなりましたね。行く前までは、根拠の無い「海外で働くことってすごい」という憧れのようなものがありましたが、今ではフィールドが違うだけで、働くことの本質は変わらない、という認識に変わりました。これが自分の将来にどのように影響するかというと、日本とか海外とか、場所を選ぶことに特別な感情を抱かないというか、フラットな選択肢の中から日本・海外を選ぶことができるんだと思っています。

もう1つは、「過去について考えて、今を知って、未来を描く」という、時間軸の中で自分のあり方を考えることができたことです。自分と向き合う中で、今まで以上に過去の自分を掘り下げることができたし、現地で行動することによって「自分には、何かを成し遂げる力を今は持ち合わせていない」というように、自分の現在の立ち位置を客観的に確認することができました。未来に関して、色々な人に会う中で様々な選択肢が見えてきて、漠然とだけど将来はこうありたい、という方向性が見えてきて。自分のことを深く知ることが出来ましたね。

ーー学生は、大きな失敗をしたとしても、それはリスクではなく、経験値として残っていくと思います。けれど、やはりリスクを取ることをためらうそんな人は多いですよね。そんな人に向けて、どんな言葉を投げかけたいですか?

マレーシアで50人以上に会って感じたのは、彼らはみんなリスク取っているということです。年齢を重ねれば重ねるほど、仕事や家庭の状況が絡んできて「失敗するかもしれないチャレンジ」は難しくなってくる。だから、若い人こそリスクを取って欲しいんです。

・・・と言っても、これを読んでいる方は「何言っているんだ!」と感じると思います。そんな方に向けて、伝えたいことがあります。

自分が興味あったり、やってみたいと思ったり、憧れ・かっこいいなあと思うこと、なんでもいいんです。それに関わる機会を見つけたなら、どんどん行動に移してほしいと思います。

例えば、海外に興味があるんだったら海外インターンシップに参加してみるのも良し、海外で働く起業家にメールを送ってみるのも良し。とりあえず行動に移すことが大事です。ぼくだって、この大学2年生の夏を、やれ国内インターンだのやれバックパッカーだのと、広い選択肢から選んだわけではなく、「この機会面白そう!」という興味を感じ、それに飛び込んでみただけなんですよ。

社会人の方々は、優しい方が多いので、サポートしてくれるはず。だから、ちょっとでも海外に興味があるならだれかに連絡してみたらいいと思います。もし高野さんに出会わなかったら、バイトをしたりしていたでしょうが、マレーシア渡航を選んで本当に良かったです。

この記事を書いた学生ライター

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アセナビ(ASEAN WORK NAVI)は、『“ASEANで働く”を近くする』ことを目指し、今“アツい”と言われるASEAN各国の生活、文化、ビジネス情報や現地で活躍する日本人の方々へのインタビューを発信するウェブマガジンです。

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