青年海外協力隊でセネガルへ。次に目指すのは海外の大学院。

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京都大学大学院の池邉です。調査をしていると、たくさんの日本人に出会います。そのほとんどは青年海外協力隊の方々。インタビュー時現在約90人がセネガルにいます。

今回はその青年海外協力隊(以下、協力隊)としてセネガル共和国に派遣されている原田拓朗さん、藤中翔太さんにインタビューをしました。

現在、原田さんはセネガルのルーガ州の手工業組合に所属し、裁縫職人たちの収入向上を目指しており、藤中さんは同じくルーガ州の農村開発事務所に所属し、ルーガ周辺の農村で、農業技術や養鶏の普及を主とした活動を進めています。

協力隊の活動とはどういったものがあるのか。活動が終わった後の進路は。どういった理由で協力隊を目指したのか。質問してみました。

原田拓朗さん(写真右):都内の私立大学を卒業後、部品メーカーに就職。将来国際機関ではたらくために、途上国の実務経験を得られる青年海外協力隊に応募。2015年1月よりセネガル共和国に派遣される。現在はルーガ州の手工業組合に所属し、裁縫職人と共に新たな販路を作るための支援策を考案、実施に向けて活動している。

藤中翔太さん(写真左):九州の私立大学卒業後、保険会社で営業。大学在学中より意識していた開発協力の仕事につきたいと決意し、青年海外協力隊に応募。2015年1月よりセネガル共和国に派遣される。現在はルーガ州の農村に住みながら、農家に対して野菜栽培や養鶏の支援を行っている。

ーー現在の活動を簡単に教えてください。

原田:私は協力隊の中でも「コミュニティ開発」の分野で配属されました。手工業組合に所属し、市内の裁縫職人と協力して、収入向上に向けて販路の工夫や品質改善などに取り組んでいます。裁縫職人は日本の「丁稚奉公」のように、仕立屋で数年間修行し、運がよければお店を持つことだってできます。学歴がなくてもアクセスできることもあって、布製品の需要よりも裁縫職人の数が多く、ひとりひとりの収入が低いという問題があります。新たな販路を増やすことで現状の問題を解決しようと、セネガル人と協力して進めています。

最近はクラウドファンディングを利用して、日本向けに「アフリカの布で浴衣を作る」というキャンペーンを行いました。(READYFOR? アフリカ生地で作った浴衣・アロハで日本とセネガルを繋ぎたい!

(原田さん活動中の写真。織物職人にサイズの指定や納期を現地語で伝える)

藤中:私の活動も同じくコミュニティ開発ですが、農村に住んで、周辺村を巡回しながら農家といっしょに農村の生活レベル向上に向けた活動をしています。野菜販売により収入を確立するため団体を組織して畑を作ったり、土壌塩化の影響で野菜も育たない土地では養鶏の普及をしたりと手広くやっています。乾燥したセネガルの半砂漠地帯では、農業による収入が低いため、農村では新たに収入を得るための工夫が必要です。ただし大きな初期投資がかかります。生活費をしのいで新たな収入源を見つけることは農村に暮らす人々には大きな負担です。その負担を補い、支援していくのが私の主な仕事です。

(藤中さんの活動中の写真。農地を計測して、肥料のまき方について教える様子)

ーーお二人が青年海外協力隊に参加したきっかけはなんですか?

原田:私は国際機関で開発の仕事をしたいと思い、そのキャリアアップのひとつとして、青年海外協力隊に参加しました。国連職員など、国際機関の多くは受験資格に開発に携わる経験が2年求められます。セネガルを選んだ理由は、フランス語を学びつつ開発に携わることができるというので、選びました。その後はフランスの大学院進学を目指しています。

藤中:私もその後は大学院進学を目標にしています。開発コンサルを目標にしており、開発の現場で経験を積んでから大学院で修士をとり、コンサル業界に進みたいと考えています。セネガルという国を選んだのは、面白そうという単純な理由からでした。日本人が西アフリカに触れる機会は少ないので、全く知らないところに行ってみたいと思って応募しました。

ーー協力隊に入るまでは何をされていたんですか?

原田:都内の私立大学を卒業したあと、京都の部品メーカーで3年ほど働きました。大学時代に中国留学をしたので、中国語が使えることを活かして駐在も経験しました。社内コンサルとして工場の製造部門をチェックしたり、製造から販売までを管理するサプライチェーンマネジメントもやりました。モノづくりに関わるという意味では、その経験がいまの活動にも関わっているようにも思います。

藤中:私は九州の私立大学を卒業したあと、保険会社ではたらきました。仕事は営業で、代理店や車のディーラーを相手に大阪や埼玉で営業していました。大学時代にもアルバイトで代理店営業をしていましたが、体力的な厳しさはアルバイトと社会人では全然違いました。働きはじめてからも、将来は途上国の現場で働きたいという思いは変わらずありました。そのため、保険会社の営業には大変やりがいを感じていましたが、仕事しながら協力隊の試験を受けて、受かってからも研修が始まる数日前まで仕事は続けていました。2年半という短い社会人生活でしたが、営業で培ったバイタリティは今に生きています。

ーーお二人が「開発」という仕事を意識するようになったのはいつ頃ですか?

原田:「開発」という分野を意識するようになったのは、大学時代の学生NGOが大きなターニングポイントでした。フィリピンで通学路の建設をし、インドでは家屋の建設をしました。主には、現地で建設作業をする学生ボランティアが滞在するキャンプを管理し、同時に建設費を日本企業から支援してもらうために営業活動もしていました。インドのNGOと協力して仕事することもありました。

NGOに参加した理由は、「貧困」をこの目で見たかったことが理由です。国際関係や貧困問題を授業で勉強しても、日本で生まれ育った自分は「貧困」というものをはっきりと理解できませんでした。中国に留学したのも「貧困」がきっかけでした。政治経済を学ぶ中で、中国が貧困からどうやって抜け出したのかを知りたかったので、現地の大学で中国語を学びながら、いろんな場所を旅行しました。NGO活動や大学の勉強が貧困を学ぶこと、その解決のための「開発」に向いていたというのが大きな理由だったようにも感じます。

藤中:私も学生時代の経験が大きく関わっています。アルバイトで貯めたお金でバックパック旅行をしていました。中国からスタートして、シンガポールまでの東南アジアの国々を2ヶ月かけてまわったことがあります。そのときに協力隊の方に会う機会がたくさんありました。ベトナムでラオスの隊員に会い、ラオスをすすめられて入国。そのまま隊員の家にお世話になり、農村での活動を見せてもらうこともありました。大学でも留学生と共に東南アジアの地域研究や開発学などを学び、自分の目でしっかりと見てきたことは、途上国の開発について深く考える機会になりました。

在学中は進学するか就職するかで悩んでいて、協力隊は進路として考えていませんでした。ですが協力隊に参加している今では、当時隊員にたくさん会ったことが強く影響したと思います。

ーー二人のこれからの目標について教えてください。まずは二人とも共通して大学院進学とおっしゃっていますが、どういった勉強をしようと思いますか。

原田:フランスの大学院を目指して、開発経済学について勉強したいです。フランスにこだわる理由として、これから多くの国際機関がアフリカのサヘル地域の開発を目指していて、その地域のほとんどがフランス語圏であることです。フランス語ができることは大きな武器になります。帰国してから受験し、1年で修士をとって、その後国連機関の採用試験を受けようと思っています。

藤中:大学院に通って、開発や農業について勉強したいです。セネガルで生活を始めてから心境に変化があり、帰国後すぐに働こうかと迷いました。しかし、国際機関の関係者や専門家と話している内に、今後国際協力の現場で食べていくには専門性が必要と感じました。また、協力隊参加後すぐ働くと、大学院にいくチャンスを逃してしまうだろうと思い、進学を決意しました。現在は村落で生活し、実際の現場をこの目で見ているので、農村開発や食糧危機について体系的に勉強したいです。JICAからは協力隊修了後のキャリア支援が受けられるので、教育支援制度を利用しながら、進学に向けて準備していきたいです。

ーーこれから協力隊を目指す人に対してひとことお願いします。

原田:自分がやりがいを感じられる仕事をすることが大事だと思っています。仕事をやめることや就職に時間がかかることはいろんな迷いがあると思いますが、こういうことがしたい!という思いや直感に従って行動していけば、自然と迷いは消えるでしょう。スティーブ・ジョブスが言っていたように、自分がこれまでやってきたことのひとつひとつの「点」を、うまくつなげて「線」にできるような、そうしたキャリアを考えていくことはどんな仕事を考えるにしても大事なことです。

協力隊は2年間かけていろんな活動ができますし、可能性だってたくさんあります。その後のことを考えて迷うこともあるかもしれませんが、自分にとってのやりがいを考えてみてください。「点」は自然と増えていきますし、それを「線」にするのは自分次第です。

藤中:リスクをとっても本気でやりたい道に突き進むことが大切だと思います。私の以前働いていた会社は「現職参加制度」という制度があり、会社を辞めないで協力隊に参加でき、しかも給料や賞与も支給されるという好待遇でした。上司からはこの制度を勧められましたが、退職して協力隊を参加するという選択肢をとりました。周りからは「大手企業で働いているのにもったいない」と何度も言われましたが、退路を断つことで、国際協力の世界に本気に取り組めるし、安全圏を出ることで改めて自分と向き合えました。もちろん、リスクに対する備えも必要です。将来のキャリアビジョンを描き、自分の中での協力隊の位置づけを考えることで、自ずとどういうキャリアを経て協力隊に参加しようか、また協力隊の経験を将来にどう生かせるかが考えられると思います。

(インタビュー 終)

最後に、青年海外協力隊の応募について

協力隊の参加にはどういった試験があるのでしょうか。応募書類の質問や、テストの内容は以下のように問われます。

応募書類:職種に関する実務経験、指導経験、経歴などを記入。以下の質問も記述する。

1.ボランティア活動に参加する動機、抱負について記述してください。ご自身が考えるボランティア活動の意義、目的を記述してください。

2。選択した職種に関し具体的に記述。①この職種を選択した理由、②この職種に対するご自身の経験(実務等)、技術適合性(セールスポイント)を具体的に挙げ記述してください。この職種に携わる際に想定されるご自身の弱点を記述してください。自己PR(希望した職種に関係する経験以外で特筆すべき経験を記述してください)

3.帰国ボランティアの体験談や報告書などで心に残るエピソードや、ご自身が実際の活動に取り入れたいと思うアイデアを記述してください。

4.実際に派遣された場合、どのようなボランティア活動を行うのか、活動内容、日常生活を含めて具体的に記述してください。

5.帰国後、参加経験をどのように生かしたいか記述してください。

応募後、記述式のテストを受験します。

試験問題:①派遣国の社会的文化的な特色、②案件の概略、③住民との話し合いの結果、合意した活動(仮定)のテーマ、④活動の目的、⑤活動内容、⑥活動を支えるあなたの知識と体験

このほかに面接試験もあります。

どういったボランティアを行うのかだけでなく、「住民との話し合いの結果」などの言葉があるのが協力隊らしいですね。現地で2年間、言葉を覚え、住民と仲良くなり、コミュニティの一員として生活を支えていく。こうした日本ではできない挑戦を協力隊ではたくさん経験できます。

この記事を読んで興味を持たれた方、応募を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた学生ライター

Tomoki Ikebe
Tomoki Ikebe
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京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻の、池邉智基です。アフリカはセネガルで文化人類学の調査をしています。 Facebook: https://www.facebook.com/IkebeTomoki

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