始めまして、英国 University of East Angliaで国際開発を学ぶ Igari Yokoです。
今回が初投稿ということで、自己紹介と留学に至った経緯についてお話したいと思います。
ロシア人の友達と、夏に東京で
勉強は好きでも嫌いでもなく、出来る方でも出来ない方でもなく、いわゆる普通の高校に入学し、放課後の部活に明け暮れる日々でした。学校の成績も平均とその少し上を行ったり来たりする程度だったと思います。
2年生の後半にもなると、同級生は進路のことについて考え始めていました。しかしながら、私の場合、“本当にやりたいこと”はありませんでした。そのため、周りの雰囲気に流されるまま日本の大学受験をすることにしました。
しかし、目標もなく、部活動に専念する日々を3年生の夏まで続けたこともあり、志望していた大学には当然ながら惨敗。浪人することを家族と話し合い決めました。
浪人生になっても、わたしには“本当にやりたいこと”はありませんでした。そして、受験勉強において、ネックになっていた科目が英語という名の悪魔の科目(笑)。文法もよく解らず、長文なんてもってのほか!どうしても克服できずに、その年も志望大学には不合格という結果に終わり、滑り止めとして受けた短期大学に入学することになりました。
私は、立教女学院短期大学に入学し、幼児教育を学ぶことになりました。合格できた理由は英語の試験が無かったからだと思います。お恥ずかしい話ですが、これがその当時の私がどのくらい英語が苦手だったのかを物語っています。
しかし、独特の女子大の雰囲気に馴染めず、子ども好きではありましたが特に、幼稚園教諭を目指していた訳でもなかったので、あまり楽しく過ごしていた記憶はありません。
何か生活に変化を付けたいと思っていたところ、学校のプログラムで海外研修キャンプがあるということを知りました。興味本位で参加を決め、行先の国の候補の中で、唯一の途上国だったフィリピンを選びました。これが奇しくも私にとって、初の海外旅行かつ、途上国への旅でした。
事前研修を経て、いざ異国の地 フィリピンへ!企画の内容は現地の幼稚園と小学校を訪問し、異文化交流を図るというものでした。出発当日、私は人生初の海外旅行に興奮し、飛行機に乗り込こみました。
しかし、私は到着するや否やカルチャーギャプに強烈な右ストレートパンチを食らわされました(笑) 町の匂いや人の接し方、もちろん言語も含めて、何から何まで日本と大きく異なり、とても戸惑いました。最も衝撃的だったのはストリートチルドレンとスラム街の存在でした。以前から知ってはいましたが、実際に見ると言葉にならない感情が込み上げてきました。
過酷な状況で生きるスラムの子どもたち
それでも、どこか生き生きとしているように見えました。男の子たちはゴミ山から拾ってきた、ビリヤードを楽しんでいました。
そのショックと同時に、現地の方々の優しさと、子どもたちの目の輝きに圧倒されました。我々日本人が“経済発展”と引き換えに失ってしまったものが、まだそこには存在するように見えました。子どもたちの笑顔を守りたいそして、彼らの貧しい生活を改善したいという強い気持ちが芽生え、帰国後、そのまま突き動かされるように英語や文化、貧困についての勉強を始めました。
現地の子どもたち。初対面でもこちらを警戒したり、怖がったりはせず、興味と親しみを持って接してくれました。
既に短期大学に在籍していたので、その時点では留学や違う大学に移るというのは現実的ではなく、ただの憧れでしかありませんでした。そのまま短大を卒業し、就職。ただ、いつかは開発分野に従事したいと真剣に考え、地道に自分で開発学の勉強を続けていました。
留学の後押しとなった要因は様々ありますが、一番の要因は短大時代の恩師の言葉でした。当時、私は仕事のことでとても悩んでおり、半分押しかける形で恩師に相談に行きました。泣いて話す私に、先生は「辞めちゃえ!あなただったらなんとかなるって。短大時代、私はあなたのことすごく買っていたよ」と言ってくれました。大好きな先生に背中を押してもらい、退職。その後、以前から勉強したいと考えていた開発学を学ぶことにしました。
先にも触れたように、現在、英国 University of East Angliaに籍を置いています。開発学と一言で言っても様々な学科があり、私は社会人類学と政治の学科を専攻しています。理由として、現地の人の文化を十分に理解し、彼らの意見を反映したうえでの開発が一番よいと思うからです。これは、フィリピンキャンプを通して学んだ、とても大切なことだと考えています。
イギリス、南東のノーリッチ市にあるUEAは開発学で有名です。
今回、留学を考えている皆さんに少しでも役にたてばと思い投稿を始めました。特に、人と違うことをすることに二の足を踏んでいる人の背中を押すことが出来ればと思っています。かつて、私の恩師がしたように。
新しいことを始めるのは簡単ではありません。ましてや、海外留学は非常に難しいことだと思います。今私がこうやって留学生でいられるのは、私の力ではなく、周りの人たちの助けがあったからです。特に、恩師や両親には感謝しきれません。
大学のことや日本人留学生大使に任命されたこと、イギリスでの生活といった、共有したい情報がまだまだありますので、これからも是非よろしくお願いします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
英国 University of East Angliaで人類学を軸に国際開発学を学んでいます。短期大学で幼児教育を学び、職務経験を経て、2014年に渡英。現在、大学の日本人留学生大使としても活動中。facebook 日本人学生による留学体験記