自分が乗っている飛行機が墜落した時のことを想像したことがありますか?
テレビや映画で見たことのある、あの恐怖に包まれた瞬間を経験するのが自分だとしたら、何を思い何を考えるか、想像したことがあるでしょうか。
リック・エリアス氏はアントレプレナーであり、2009年にニューヨークのハドソン川に墜落した飛行機に乗っていた男性です。
彼がTEDの場で伝えたかったことは、この飛行機が墜落するまでの間に彼が考えたこと、そして今の生活に戻ってあの時を振り返って思うことを共有するためでした。
飛行機の中で墜落のアナウンスが流れてから実際に墜落するまでの間、彼は3つの事を学んだのだそうです。その3つの事とは一体何だったのでしょうか。
彼が乗っていた飛行機は上空900メートルを超えたあたりで機体が爆発した状態になり、煙に包まれているのが見えるほどでした。
彼が座っていたのは客室乗務員と話せる唯一の席。彼を見た客室乗務員は「大丈夫ですよ。鳥が当たったのかもしれません。」と言っただけだったそうです。
しかしそのすぐあと、飛行機は方向転換をし、いつもとは違う方向であるハドソン川に並ぶように機体が向けられていたのだとか。
その数分後、エンジンが切られ、機長からの「衝撃に備えて下さい。」というアナウンスがされたのだそう。
彼が目の前の客室乗務員の顔を見ると、その人の顔は恐怖で満ち溢れており、そこで彼も死を覚悟したのだそう。
その瞬間から飛行機が落ちるまでの間に彼が考えたこと、学んだことは3つあるのだそうです。
まず、「一瞬で何もかも変わってしまう事があるのだ」ということ。
あの人に連絡を取ろう、フェンスを修理しよう、などいつかしようと思ってしなかったことが次々に浮かんできて後悔に変わったのだそうです。助かった後、このときの気持ちを振り返って、死ぬ間際にやり残したことがないように、物事を後回しにしないようにするという気持ちが生まれたのだとか。
そして二つ目に彼が感じた気持ちは「後悔」だったそうです。
自分の人生の中で人を思いやったり、苦労をしながらも上を目指してきたと自負していても、やはりその過程にエゴがあったこともまた認めるべき事実だったのです。大切な人との時間をどうでもよいことで無駄にしたことも思い出したそうです。このように、他人との関係、例えば妻や友人との関係のことも思い出したのだとか。それを助かった後に考えながら毎日を過ごしていると、周りの人を大切にしようという気持ちが増え、今では妻とけんかをすることもないのだそうです。
そして、そんなことを考えているうちに墜落のカウントダウンが始まったのだそう。15、14、とカウントされていく中で、次第に「自分は死ぬことが怖くないのだ」、という事にも気づいたとか。
しかしその気持ちとは別に、「悲しさ」があったのだそうです。その気持ちは、彼の娘に対するものでした。死に対する恐怖はなかったものの、娘の成長を見届けたいという気持ちがとても大きく、死ぬのが悲しい、という気持ちになったのです。
生還したあと彼は娘の発表会に行き、号泣したのだそうです。そこで彼が学んだことは、人生で大切なことは、何より良き父でいることだということでした。
あの日死を覚悟してから奇跡的に生還し、今を生きている彼。死ぬ間際だからこそ思ったこと、考えたことを今に活かせているという奇跡を心の底から感じているそうです。
そこで彼は言います。「もしあなたに同じことが起こるなら、今生きている人生をどう変えるか考えてみて下さい。もしこれから乗る飛行機が落ちるとするなら、今何をしますか?そして何を後悔するでしょうか。もう一度考えて下さい」と。
一日一日を考えて生きること、後悔しないように生きることがとても大切だということを改めて気づかされました。
・3 things I learned while my plane crashed By Ric Elias
「不時着事故から学んだ三つのこと」 By リック・エリアス
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!