以前の記事でご紹介したサリー・コーン氏が、2014年に開催されたTED@NYCで素晴らしいトークをしていたので紹介します。
SNSの普及により一日に何百回、何千回としているであろう「クリック」。 パソコンであろうと携帯であろうと、一日のクリック数はとても多いですよね。
今回はそんな「クリックの力」についての話です。サリー・コーン氏は、「一回ごとのクリックが、実は私たちの意思表示の手段なのである」と語ります。
コーン氏は白人男性と黒人女性にある実験を行いました。実験の内容は、彼らのツイッターの写真を、白人男性は黒人男性に、黒人女性は白人女性に変える、というだけのもの。
投稿する人は変えずにそのまま様子を見ていると、ある変化が起こりました。白人男性たちは急に「Nワード」と呼ばれる黒人差別用語を投げかけられるようになり、黒人女性たちはいきなり居心地がよくなったと感じたのです。
インターネットの世界では、相手の実際の顔が見えないから生まれる恐怖があります。
子どもの頃の私たちは、インターネットとはアニメや画像が見られる楽しい場所であると思っていました。しかし今、大人になって、ののしり合いや攻撃をすることができてしまう場所でもあることを学んだ方も、多くいるでしょう。
コーン氏もこのTEDトークの原稿を書いている時、「sullycornsucks(サリー・コーン最悪)」という、自分に対する中傷用アカウントを見つけたのだそう。
こういったネガティブな投稿や行動がネット上で目立つ中で、これらを好ましく思っている人はほとんどいないでしょう。みんながなくなればいいと思っているはずです。
しかし、それに向かって一人で立ち向かう勇気のある人は、なかなかいません。
そこで彼女が大切だと唱えるのが「クリックの力」です。
SNSがこれだけ発達している今、私たちは受け身ではいられません。ブログを書くことやフェイスブックに投稿すること、ツイートすることは、全て今の世の中のメディアを形成しているのです。
つまり「私たちが注目するものが、注目される」時代になったということです。
「この事実を上手く利用する為にするべきことは二つある」とコーン氏は語ります。
1つ目は、誰かが傷つけられているのを見たら、傍観者にならないこと。 誰かが困っている時は、見て見ぬふりをせずに何か行動を起こすことが大切なのです。
2つ目は、くだらないリンクをクリックしないこと。 日本では悪徳で詐欺まがいのリンクもたくさん報告されていますが、巧妙な手口で私たちにクリックさせようという相手の作戦に乗らないこと。
例えば、政治家同士がののしり合っているのが嫌いなのに、政治家同士がひがみ合っているニュースのリンクなどをクリックするのも、間違った意思表示になります。
自分が見たくないものには「興味がある」ということを提示しないこと。 ネガティブな内容の記事であっても、クリック数が多ければ、どんどん増えていってしまいます。
逆に言うと、私たちみんなが「見たくない」という意思表示をしてクリックしなければ、それらは自然に消えていくのです。
私たちのクリックが意味を持つ今の時代だからこそ、このパワーを上手く利用することが大切になりますよね。
・Don't like clickbait? Don't click By Sally Kohn 「クリックするものを選ぼう」 By サリー・コーン
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!