今回ご紹介するTEDトークのスピーカーはサリー・コーン氏。 人前で話をしたり誰かと会話をしたりするときに、「自分の話を聞いてほしい、自分が言いたいことを分かってほしい!」と思う事は多々ありますよね。
そのようにしてコミュニケーションを上手く進めるためのコツが「エモーショナル・コレクトネス」だと言います。 では彼女が言う「エモーショナル・コレクトネス」とは一体どんなものなのでしょうか。
彼女はエモーショナル・コレクトネスについての話を始める前に彼女の職業を会場の人に問いかけ当てさせます。ヒントは、「仕事をするとどんどん嫌われていく」だそうです。
実は彼女はレズビアンであり政治評論家としてアメリカのFOXニュースなどに出演しているのです。彼女は自分の職業を「レズでFOXニュースに出ている評論家だ」と言っています。
そして、彼女がこの立場でこの仕事をするからこそ分かったこと、感じることがたくさんあったのだそうです。
例えば、テレビに出演し意見を語ると嫌がらせメールが一週間で240通程届き、嫌な女、バカ、害悪などの暴言が詰め込まれたメールが毎日何通も届くのだとか。
そこで彼女が気づいたのが「エモーショナル・コレクトネス」の大切さでした。
例えば、レズビアンである彼女がメールや手紙で「レズビアン」と書かれるのは大丈夫なのですが、彼女が嫌な事は2つ。
一つめはレズビアンのスペルが間違っていること。そして二つめはレズビアンの言葉の使われ方です。彼女が言いたいことは一体どういうことなのでしょうか。
「エモーショナル・コレクトネス」とは、言葉や表現を使って気持ちや思いやりを表現することです。
例えば、スペルが間違っている時点でそこまで本気ではないのだな、という事が分かりますよね。他にも、言葉にどのような意味を持たせているのか(親しみを込めてレスビアンと言っているのか、単に差別的にレズビアンと言っているのか)、言葉の調子や感情の込め方など、言葉の意味だけでなくそこに込めるエモーション、感情が大切なのだと言います。
そして彼女は、この「エモーショナル・コレクトネス」は日頃のコミュニケーションだけでなく、政治の場などでも使う事ができると言います。
彼女のFOXニュースでの出勤日、保守的な考えを持つ人々を彼女はとても恐れていました。しかし、FOXニュースのうちの一人であるショーン・ハニティ氏はエモーショナル・コレクトネスにおいてはとても素晴らしかったのだそうです。
自分の会社の人にデート相手を紹介したり、悩み事があったら時間を割いて話を聞いてくれたりするのだそうです。
こういった行動や言葉に自分の気持ちや相手への思いやりを込めることはとても大切です。だからみんな彼の話に耳を傾けようと思うのですね。
大切なのは、自分の意見を言うことだけでなく、意見が食い違った時に、相手がなぜそのような考えに達するのかという事まで考え、その上で発言することなのです。
例えば、移民が嫌いだ、という人がいればそれを「最悪だ」と言うのではなく、ずっと住んでいる町が変わっていく怖さがあるのかな、と相手の気持ちを考え、その上で自分の発言をすることが重要なのだといいます。 もちろん、これは簡単なことではありません。真っ向から反対されることはなかなかイライラするものです。
しかし、自分の意見を聞いてもらうにはまず相手の意見を聞くこと。聞くことというのはただ聞くだけではなく、相手の意見を尊重し考えることです。その上でコミュニケーションをして初めて、本当の対話というものが生まれるのだと彼女は言います。
みなさんも、エモーショナルコレクトネスを意識してみてはいかがでしょうか。
・Let’s try emotional correctness By Sally Kohn 「エモーショナル・コレクトネス(正しい感情表現)を実践しよう」 By サリー・コーン
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!