私たちが生きる現代は便利なもので溢れています。学生などの若者でさえも、幼い頃に比べると「便利になったなあ」とふと思う程、私たちが住む世界は日に日に進化していっています。
そんな現代社会を語る上で欠かせないのがテクノロジー、ファストフード、便利な交通機関など、便利で恵まれている事を象徴としているものです。
そんな便利さは私たちにとって、当たり前のようにありがたいものとして扱われています。スマートフォンですぐに調べものができること、いつでも連絡が取り合えること、ファストフードを食べて時間を短縮できること、など「便利さ」はいつでも良い影響を与えるものだと思われています。
ロンドン在住の画家、スティーブ・カッツはそんな現代社会の影の部分を専門的に描いている画家です。彼の絵には強いメッセージ性があり、見る者をハッとさせ、考えさせる力があります。
「僕は現代社会について描くとき、壊れている部分や影の部分の方を描くことに惹かれます。世界はずっと変わり続けています。そういった意味では描くことに困ることはありません。」と彼は語りました。
彼は独特な手法で世の中にはびこる欲望、共生社会、消費者主義など様々な影の部分に焦点を当て、作品を作っています。
それぞれの絵に使われるスタイルは様々で、リアルに描かれているものもあればコミック調なものもあります。 それに関して彼は「絵を描くときに一つのスタイルに絞られることに対して縛られているように感じてしまうので絵のスタイルは限定しないようにしています。僕がよく使う手法はいろいろなスタイルを混ぜることでそれぞれのテーマで伝えたいことを一番うまく表現できるように絵を作っています。」と語りました。
このように現代社会のダークな部分を描くことに対しての彼の目的とは何なのか、気になりますよね。
「現代社会の影の部分を書いている理由は、人々がこういった問題について“話し合う機会”を作る為です。便利になる一方で起きる問題について“どうしたら問題を軽減できるか、どうしたら解決できるか”という部分についてももっと話し合ってほしいからです。少しでもその手助けができればいいなと思い、こういった絵を描き始めました」とコメントしました。
そんな彼の作品がこちらです。便利になった世界だからこそ起こりうる未来を描いた作品が多いですね。
不健康な生活になり、薬を投与されながらもファストフードにまみれる人。
お金がもたらす力にはまってしまう人。そしてそこから生まれる人間同士の格差。
同じ見た目の人が辛そうに一斉にテストを受ける姿。学歴によって起こる競争や自殺などの問題も現代社会の大きな問題です。
私たちの「便利」や「幸せ」の裏側にある、私たちが普段あまり目にすることがないであろう問題について描かれている作品がほとんどです。
彼の絵は言葉が通じ合わなくとも理解できる作品です。 彼の絵を機に、世界中の人々が今自分たちの周りにある「便利さ」などの影で起こっている事に関心を持つようになればいいなと思います。
(参考:Twisted illustrations perfectly sum up the darker side of modern life)
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!