数年以内にアメリカのAmazonを超えるのではないかと言われている中国のアリババ・グループ。昨年のニューヨーク上場で、アリババの筆頭株主であったソフトバンクが8兆円もの価値を手にしたことが報道され大きな話題になりました。
今や中国で知らない人はいないタオバオ(中国版の楽天市場)やAlipay(中国版Paypal)を始めとするインターネットを介した事業に圧倒的な強さを誇っており、中国の中小企業が海外進出する上で無くてはならない存在となっています。
日本有数の億万長者であるソフトバンクの孫社長は2000年に誰も知らなかったアリババ株を20億円で買い、14年間でその価値はなんと4000倍に膨れ上がったと言われています。今回はTECH IN ASIAを参考に、孫社長を唸らせたアリババ・グループ創設者のジャック・マー氏が語る成功への秘訣を、自身のスピーチから抜粋して10個ご紹介します。(出典:https://www.techinasia.com/)
『大学を卒業して職を探しましたが、30回は却下されました。私の住む街でケンタッキーフライドチキンへの採用枠に24人応募があり、23人採用されましたが、落とされたのは私だけでした。警察署では応募者5人のポジションに4人採用され、やはり却下されたのは私だけでした。話が逸れますが、ハーバード大にも10回出願し、全て不合格でした(笑)でも落ちた時思ったのは、いつかハーバードに”学びに”ではなく”教えに”行こうということでした。』
数学の成績が悪すぎて3回浪人して地元の公立大学の定員割れだった英語科に滑り込んだという逸話があります。実際のところ彼は学生時代全く優秀ではありませんでした。しかし高学歴の見栄やプライドが無かった彼だからこそ、拒絶されても心が折れず、超ポジティブに何ごとにも挑戦し続けられたに違いありません。
『ソーシャルネットワークが中国のみならず世界を変えるかもしれない!』と20年前に考えたマー氏には、大学で英語を教える安定した職と地位がありました。しかし新しい夢を持ったマー氏は妻と友人とで集めた200万円の資本を使ってSNSを始め、会社を興しました。
現在では中国でダントツ1位の億万長者で、世界ランク18位の富豪とされています。人生の岐路に立つ時、リスクの大きい方を選ぶには想像を絶する困難や不安が付き物ですが、成功した時の結果と報酬の大きさも想像を絶するでしょう。
『自社事業の核ですか?ただ単にお金を稼ぐので無く、人のために働くんだという考え方こそが会社の価値だとしています』
会社は組織であり、組織は人の集団です。会社のカラーは社長の目指すものによって大きく変わるものですが、マー氏が目指す会社アリババは、人のために働くことが大前提です。目標達成への近道は、自分のコアな部分をしっかり定めることでしょう。
『Alipayのアイデアを持ちかけた際、周囲には君が今まで抱いたアイデアの中で一番馬鹿な内容だな、と言われました。でも現在Alipayのユーザーは8億人を超えています』
自分の考えに絶対的な自信を持つことは難しく、しかも周囲に馬鹿だ、無謀だと言われれば誰でも不安になるものです。逆境の中何かをやり通すには相当な労力が必要でしょう。マー氏の根拠のない自信と不要な意見を完全に無視出来る能力には圧巻です。
『私は今までに多くのことを映画から学びました。特にスピーチの仕方についてです。ホイットニーヒューストンのThe Bodyguardはその例です。スピーチに関して無知だったので、彼女の口の動きを見ていました。あとThe Godfatherも良いですね。一番のお気に入りはForrest Gumpです。映画を観て考えにふけり、そこから得たひらめきについて話しあうのが私のスタイルです』
マー氏が言うように映画から学べることは非常に多く、彼の英語のスピーチ力の高さからわかるように語学力を伸ばす点でも海外の映画を鑑賞することに利点は多いです。彼の勧める3本の映画は必ずチェックしておきましょう。
『CEOとして今までいろいろなアイデアにNOと言ってきました。もしYESと言い続けていれば、おそらく5000ぐらいの案件が毎日来るでしょう。たくさん断ってはいますが、我々は自分たちのミッションに基づいて選択しているのでビジネスはつねに順調です』
つねに初心を忘れないところが、マー氏の信念を完全に通す経営方針であり、欲をかかずNOと言うことが必ずしも不利益につながらないことを証明しています。
『起業した時すでにインターネットはグローバルな物だったので、Yahoo!など世界で使えそうな名前を考えていました。サンフランシスコに行ったとき、ふとアリババという名前が思い浮かんで、レストランの店員に、”アリババって知ってる?”と聞いたんです。すると、“知ってるわ!開けゴマでしょ!”と言われました(笑) Aから始まるのでいつも検索結果の上位に上がるのもポイントです』
『お客様が第一、従業員が第二、株主が第三に重要だというのが私のポリシーです。ユーザーがお金を使ってくれて、従業員たちがイノ ベーションを創ってくれます。経済が落ち込むとすぐに私の元を離れていくのが株主たちです。でもお客様と従業員たちはアリババを裏切らないでくれました』
『ほとんどの人々が何かチャンスがあってもそれに対して文句を言います。でも変わろうと努力する人もいます。何か良いチャンスがあっても、不平不満を持つことがあるでしょう。でも問題が起こるところにチャンスがあるのです。』
置かれた場所や境遇に文句を言っても何も始まりません。むしろ他の人を羨ましく思って愚痴を言うことで、一層惨めな気持ちになるでしょう。たとえ腹が立っても、その状況こそがチャンスなんだと地道に努力を重ねるのがポイントです。
『今日はこの先5年から10年で一体何をすべきか話し合おう。国内版サイトを立ち上げている際、競争すべき他社は中国でなく国外にあると言ったよね。我々の競うべき相手ははシリコンバレーにいるんだ。まずアリババは国際的なサイトとしての地位を確立しなければならない。そしてシリコンバレーにいる強豪の勤勉さを見習わなければならないんだ。朝8時に出勤して5時に帰るんでは彼らに近づけない。早く帰りたいならどこかで他のことをやってくれ。アメリカはハードウェアのシステム産業に圧倒的に強い。でも情報システムに関しては中国人の脳は彼らと同じくらい優れていると思う。だからアメリカと戦っても負ける気がしないんだ。良いチームワークでやりたいことが明確なら、僕らの1人がアメリカの10人を負かすことだって可能なはず。政府の情報局や他の大きな企業にだって革新的で想像力に富んでいれば、絶対勝てると思う。』
このスピーチはマー氏が1999年に仲間を集めて話した内容の一部です。そしてこの日から彼はあらゆる場所で自身の情熱を語り、新しい物を創造し続け、莫大な富を築きました。過去の苦労話や学生時代の悪い成績などを自虐的に笑いながら話すマー氏ですが、彼の語る成功の秘訣は私たちの明日からのモチベーションを上げてくれるものばかりです。
アメリカ極寒の田舎で4年半国際ビジネスを勉強してました。卒業後アメリカ南下を目指すも失敗し、北上してさらに極寒のシカゴで働いてます。これは!と個人的に思った海外記事を発信していきます☆