留学先の国の文化や言葉、人や風情を学んで経験するために留学します。「郷に入れば郷に従え」ということわざが古来からありますが、同時に自分の人格をほかの国や文化にふれあうことによって再認識する機会でもあるのです。
私自身も留学して二年になりますが、留学してからもっと日本のことがよくわかったと思います。日本にいるときにはきづかなかったり、アメリカに行ってやっとありがたさを感じたりします。当然アメリカに留学しているとアメリカの人や文化に影響されたりします。英語が無駄に早口になったり、外はマイナス20度なのにショートパンツとタンクトップで寝たり。日本では絶対しないことややらないことを自然とやるようになります。そして性格も少なからずアメリカンなジョークを言ったり、知らない人にまで挨拶したりなどオープンに成っていく自分がいます。
いま私が留学している全寮制の高校にはインターナショナル生が30パーセントを占めていて、とても画期的で多様性を大事にする学校なのですが、800人近くいる生徒の中で日本人の生徒は2人しかいません。日本人の留学生は減ってきているとも言われていて、中国、韓国やタイなどほかのアジアの国に比べて日本人の留学生の少なさが顕著にわかります。しかしこれは日本人の留学生にとってはチャンスでもあります。ほかの日本人に頼らず一人で積極的に異国で挑戦して行かなければならず、自立心が芽生えます。英語や外国語をずっと話すいい機会にもなります。日本人がまわりにいないと色々な壁にあたるかもしれないですが、本当の意味で留学というのは異国の、全く日本と違う国に行って文化を理解したり、自分で答えを探しに行ったりするものです。
数少ない日本人の留学生であるからこそ、ひとりひとりが日本の代表として留学先ではみられます。日本の文化は世界各地で和食であったり、アニメであったりと人気です。しかし間違っている日本の情報が外国で広まっていたりします。例えば、「日本人は毎日お寿司を食べるのでは?」から「アニメのような学園生活をみんな送っているのでは?」など日本人にとって「絶対にない!」と感じることが本当だと思われていたりします。しかし中には、日本の歴史的背景や有名な名所を聞かれることもあります。そのときに、留学生は正確に答えなければなりません。間違った情報や印象を与えて、日本全体の評価を下げることにつながってしまうかもしれません。
また留学してから自分の日本人としての心得や日本でしか通じない常識・礼儀に気づきます。留学して外国のことを学ぶだけではなく日本のことについても深く考えてください。そして日本の何が他の国と違うのか。自分は日本人としてどこを尊重して大事にしたいのか、または日本人のどこを変えていきたいのか?
留学先で無理に染まろうとはせずに、日本人としての心を大切にしながら留学先で学んだことを取り入れるようにすると日本の未来に関わってくるのではないでしょうか。