中国のとある会社で、社員が一斉にお面を被り、顔を隠して出勤する「No-face day」、つまり”顔なしデー”というものがあるそうです。
普通のお面を被っている人もいれば、映画「千と千尋の神隠し」で出てくるカオナシのお面を被っている人もいます。
普通に見れば「なんで?」と思う人もたくさんいると思います。
仕事場にお面を被ってくるなんて、仕事にならないじゃないかと思うでしょう。(出典:http://mashable.com/)
しかし、この「お面を被って仕事をする」という行事の裏には今の日本の会社にも言えるある事情が関わっていたのです。
日本にもよく見られると思いますが、お客様にはもちろん、社内でも目上の人や上司に気を使って笑顔を作ったりすることがありますよね。
笑顔を振りまいたり、お世辞を言ったり、そういった事を一日しているとなかなか疲れるものです。
そういった事を一日でも忘れてもらおう!と企画したのがこの行事ができたきっかけだったそうです。
更に、誰なのかを余計に分からなくするために、従業員の人々は同じ顔のお面を付けるそうです。そこで特に人気なのが先ほども紹介した「千と千尋の神隠し」のカオナシのお面だそうです。
顔が分からないため何を話しても周りを気にすることはありません。日本や中国、さらには韓国のような儒教や上下関係を重んじる社会では目上の人にズバズバ意見を言うのは容易ではなく、間違っていると思っていても正直に意見を言えないなどといったことがよく起こっています。
そんな時でもこのお面を着けていれば問題なし。言いたいことも言えてしまいます。
更には、今まで話したことが無かった人に話しかけるチャンスもあります。皆誰なのか分からないわけですから、恥ずかしがる必要もありません。
このように、誰なのかを分からなくすることで日頃言いたいことが言えたり、話したことが無い人と話す機会が増えたりといろいろな利点があるようです。(出典:http://mashable.com/)
企業の中でのトップの暴走や、権力を使ったパワハラなど、上下関係が厳しい社会の中ではたくさんの問題が起こります。
もちろんそれはアルバイトやサークルなどでも同じで、先輩や上司が間違っていても言いにくかったり、アドバイスをするのもどうかな・・・と思ってしまうことも多々あると思います。
そんな時にこういった機会があるとそういったジレンマも解消できそうですね。
更に目上の人に何を言われてもニコニコしていなければならなかったりする事も、まだ現実として存在しています。
そんな時もお面さえ着けていればこんな状況も回避できてしまいます。
もちろん、これはたった一つのアイデアとして行われている行事なのですが、この行事が有名になったことによって中国はもちろん、同じ様な背景がある日本や韓国の会社の実態にも世界が気づくきっかけになったのではないかと思います。
知らずに見ると、何をしているのかと思わずつっこみたくなるこの行事。深く見てみると文化や社会の構造が反映されていることが分かりました。
みなさんもこういった行事について調べてみると面白いかと思います!
(参考:On 'No-Face Day', employees wear masks to avoid fake facial expressions)
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!