「英語ができる」ってどういう状態?上達への近道は”目的”と”目標”の設定。

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長期留学に行ったという話をするとよくされる質問があります。 その中で面倒くさい質問ワースト1位が、

「なんか英語話して?」

というもの。「なんか」って何!?? 「んんー、じゃあ英語で自己紹介して!」と無邪気に言われ、もっと困惑したこともありました。 英語は見世物ちゃうねん!

次に困るのが、

「英語ペラペラなの?」

というもの。 これを訊かれると答えに窮します。 そして脳内で「ペラペラの定義ってなに?」と突っ込んでいます。

同じ質問をするなら、 「英語どれくらいしゃべれるの?」 などと訊くべきです。

それなら「英語でファシリテーションができるレベル」「日常会話が問題ないレベル」「英語圏で暮らしてそこまで支障が出ないレベル」などと、聞かれる側も答えやすくなります。

何をもって英語ができるというかは人ぞれぞれなので、いきなりクローズドに「ペラペラなの?」とYes-Noの回答を求められても困ってしまいます。 語学力を「ペラペラかそうでないか」と、あたかも0と100しかないかのような認識を無意識のうちにしている人は決して少なくはないのではないでしょうか。エイゴハナス(出典:http://nikkancareism.jp/)

 

英語を勉強する目的

以前、「留学しても英語力が伸びない・・・原因は留学前の準備不足だった!」という記事を書きました。留学に行く前にしっかり英語を勉強しておくことの大切さを説いた記事なのですが、非常に大きな反響がありたくさんのご意見やコメントを頂きました。

その中に、イギリスに旅行された際にパブで片言ながらも現地のおじさんと戦争の話をしたというご自身の経験を引き合いに出され、「英語を勉強してないのなら海外に行くな、と言っているようで正直好きになれない」という意見がありました。

しかし上の記事で私が訴えたかったのは「留学」前の準備学習の重要性であり、留学を志す学生は、パブでおじさんと世間話を楽しむレベルの英語力では満足しないはずです。英語を学ぶ目的や目指すレベルは人それぞれです。

留学を考えている人は、専門分野の本や論文を苦労なく読み進め、学術的な議論が対等にできるレベルの英語力を身に付けたいと思っているのではないでしょうか。仕事で英語を使うことを考えている人は、交渉やプレゼンを英語でそつなく遂行する能力を欲しているでしょうし、海外旅行を楽しみたい人は目的地で現地住民との会話を楽しめるレベルで英語ができればいいと考えているのかもしれません。目的や目指すレベルが違う以上、英語学習にかける努力の量や方向性もそれらに応じて変化します。

 

目標設定をして臨もう

よく留学や英語の学習に関する相談を受けるのですが、漠然と「英語ができるようになりたい」と言っている人には必ず「英語で何ができるようになりたいの?」と訊きます。

英語の学習には、なんらかの夢や目標があるはずです。それに応じて自然と目指すべき技能や水準が具体的に浮かび上がってくるでしょうし、それによって初めて取るべき学習の方向性も見えてきます。

短期留学に挑戦する際も同様です。1ヶ月や2ヶ月の短い期間で自分は現地で何を目的に何を頑張るのか、という具体的な目標設定をした上で臨みましょう。ただ漠然と「英語力を伸ばしたい」と思っているだけでは、せっかくの機会を無為に過ごしてしまう可能性が高いでしょう。しっかりとした方向性があってこそ、努力もしやすくなります。

CEFRをご存知でしょうか? Common European Framework of Reference for languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)という、ヨーロッパを中心に世界で広く用いられている言語能力の指標のことで、欧米の外国語学習者は言語能力を尋ねられたときにこの指標を持ち出すことが多いです。 CEFRでは、言語能力がA1からC2までの6つのカテゴリに分けて評価され、それぞれのカテゴリにはその言語レベルでできることのリスト(CAN-DO List)が4技能(Listening, Speaking, Reading, Writing)ごとに詳細に設定されています。 自分の現状の英語力と目指すべき英語力を判断し、学習目標を設定する際の指標にすることができます。

英語を勉強するみなさんには、きっと背景となる夢や動機があるはずです。 「英語で何をしたいのか」「そのために英語で何ができる必要があるのか」を明確にし、戦略的に学習に臨むことで、より効率的に英語力を伸ばすことができるでしょう。

この記事を書いた学生ライター

Kazunori Wakao
Kazunori Wakao
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「英語教育を通してアンビシャスな人たちの夢を叶える力になりたい」という夢を実現するため、日本人に最適な語学教育のあり方を求め米国ボストンに留学。現在は日本に帰国し、語学教育事業に注力中。帰国後も執筆の機会を頂けたことに感謝しています。大阪大学4年生。

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