6月30日よりApple Musicがスタートしました。Appleの「音楽聴き放題サービス」で、無料トライアルに登録すると今から3ヶ月間無料で聴き放題です。音楽だけでなくミュージックビデオや海外のラジオも再生可能となっています。(出典:http://rocketdock.com/addon/walls/39754)
基本的にストリーミングとダウンロードは似ているようで異なります。 例えばiTunesで音楽をダウンロードする際に若干時間がかかりますが、ストリーミングではデータを読み込みながら再生するため待ち時間はありません。 YouTubeは元祖ストリーミングと言ってもよいでしょう。再生後はデータが破棄されるのでネットワークがない所では再生出来ません。その点で音楽は全てダウンロードしてどこでも聴きたいという方も多いです。
好きなアーティストのアルバムが発売されたらタワレコでCDを購入したり、ツタヤでアルバムを借りて家で保存したりするのが従来のスタイルでした。しかしiTunes Storeがスタートしてからは好きな曲だけ1曲ずつダウンロード出来る容易さがユーザーの人気を集め、音楽業界はAppleにまるごと購買者を持って行かれたような雰囲気でした。
しかしアメリカでSpotifyやPandoraなどの無料ストリーミングアプリや音楽無料再生サイトが流行りだしてからはiTunes Storeの売り上げも下がってきています。Appleは他のライバルを追い上げようとApple Musicをスタートしてから現在1週間も経っていませんが、様々な著名人たちがその第一印象を下のように述べています。残念ながらその多くが辛口で手厳しいものでした。
recode.netの著者Walt Mossbergによると、
『Apple Musicの1つの強みは過去にiTunesで購入した音楽のデータからストリーミング出来ることかな。Apple Musicは1つのアプリにすぐ再生可能な音楽も一緒に入っているわけだから良いよね。でもこのアプリ使いにくいし複雑。使用方法が全然書いてないからよくわからない。多分使いこなせるまでに時間がかかるけど、その時間って全く楽しくないよね』
と述べ、Apple Musicは他のストリーミングアプリと違って有料なのだからトライアルの期間で満足できないユーザーは3ヶ月後に利用するのをキャンセルするのでは、と示唆しました。
Rolling Stone誌の著者Kory Growも似たような考えを持っています。
『音楽の選択の幅と驚くほど自分の好みに忠実なプレイリストには脱帽。SpotifyやPandoraにもその2点では勝てそう。でもいろいろ素晴らしい特徴が多いのに使い方がよくわからないのが残念』
と話しました。
この2人が口を揃えて言う “使いにくい”、“複雑”という表現はつまり “他のストリーミングアプリにすでに慣れているし、そちらの方が簡単”ということです。
12年前にiTunes Storeがスタートしてから音楽のダウンロードサービスでAppleの右に出る者はいませんでした。しかし月額980円で “使いにくい”と言われてしまっては、他のストリーミングアプリを追い上げるどころか“Appleなのに、期待してたのに”とガッカリされても仕方ないかもしれません。
Apple Musicのストリーミング機能はWi-fiがない環境で楽しむことは出来ません。しかし筆者が自宅のパソコンで試した際最初に自分の好きなジャンルやアーティストを正確にセレクトしたのでかなり心に響く選曲が多く、満足感は高かったです。
またストリーミングで音楽を聞き流すということは、知らなかった音楽に出会う可能性が高くなるということです。数年前から探していたタイトルのわからない曲が偶然セレクトされたので感動しました。
前述したように音楽ストリーミングサイトといえばその多くが“無料”です。気軽に自分が作った音楽をシェアできるので、レコード会社と契約していなくても誰もが業界で有名になれる可能性があります。私は有名な曲でも知らない誰かが投稿したremixの方が気に入ったりするので普段下記のストリーミングサイトを利用しています。Apple Musicと合わせて是非チェックしてみて下さい。
1. musictonic
好きな音楽はミュージックビデオも絶対観たいという方には大満足なサイトです。YouTubeと違って広告で中断されることもなく音楽だけに集中して楽しめます。画質も音質もかなり良いです。画面右には似たようなジャンルのアーティストが出てくるため飽きることがありません。つい時間を忘れてしまうでしょう。
2. SoundCloud
Twitterと同じで自分の好きなアーティストやユーザー、自分の友達をフォローすることで彼らが新しい音楽を配信したりシェアする度に最新作を楽しむことができます。アメリカのAppStoreでは常に音楽関連のアプリでは上位に入っています。日本ではまだマイナーなので邦楽は流れませんが、洋楽好きの方には大満足のサイトでしょう。
テスト勉強やレポートを書く時にこのサイトを使って大音量で雨の音を聴くのが私のスタイルになってきました。ときどき雷の音にビックリしますが、これは受験生などにかなりオススメです。もちろん雨の音だけで再生出来ますが、ジャズ音楽も合わせると就寝前に眠気を誘う効果もあるでしょう。
音楽をいちいち選択するのが面倒。なんでもいいから何か流したい。という方にはこのサイトです。大画面でミュージックビデオが出てくるのでかなりインパクトのあるビジュアルです。テレビやラジオの音楽番組のように次何がくるかわからない、という感覚が好きな方はかなり楽しめると思います。
5. Spotify
無料音楽ストリーミングアプリの王道と言っても過言ではありません。 残念ながら日本上陸前ですが、現在 “準備中”ということで期待をこめてセレクトしました。全世界で人気を誇っている安定のSpotifyは、プレイリストの多さが魅力です。例えば通勤中の夕方に車の中で聴きたい曲や雨の日の土曜の朝に聴きたい曲などかなり具体的なタイトルなので “これだ!”という音楽に出会えるでしょう。広告が多いのでうっとうしさは少々ありますが、使いやすいデザインと何より無料なのが人気の理由です。
月々980円(税込み)の料金は無料音楽サイトと比較してしまうと高い気がしますが、iTunes Storeで4曲購入したら1000円、CDアルバムを数枚レンタルしても同じぐらいの金額になってしまいます。聴き放題という利点をいかに活かせるかで満足度は変わってくると思います。
980円という金額に対抗し、LINE MUSICは300円で聴き放題という若者が飛びつきそうな料金設定でAppleに真っ向勝負しています。果たしてApple Musicは次のアップグレードまでにどれだけ改善しているのでしょうか。様々な論評が出ていますが結局は自分との相性が1番大事なので、普段ダウンロード派の方もこれを機にストリーミングを試されてはいかがでしょう。知らなかった良い音楽に出会えたら980円以上の価値を感じられるかもしれません。
アメリカ極寒の田舎で4年半国際ビジネスを勉強してました。卒業後アメリカ南下を目指すも失敗し、北上してさらに極寒のシカゴで働いてます。これは!と個人的に思った海外記事を発信していきます☆