みなさん、こんにちは!アメリカから新井です。
今回はUberというサービスにフランス人タクシードライバーが反発して暴動を起こした事件をご紹介したいと思います。
日本語でも英語でも記事はたくさん出ているので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この事件の背景をご紹介したいと思います。
Uberは「アプリからタクシーを呼ぼう」というコンセプトでスタートしたスタートアップです。2010年にサンフランシスコでスタートしました。従来のタクシーと違うのは、タクシーを使うという「体験」に力を入れているところです。
アメリカでタクシーと言えば黄色の車体が特徴なのですが、Uberではリムジンが迎えに来ます。
ワンタップで高級車が迎えに来て、支払いもアプリに登録したカードに請求されるというスマートさがサンフランシスコの人々を魅了し、世界中に広がっています。 普通のタクシーより若干高めの料金ですが、それでもサービスの質を考えれば妥当だと受け入れられています。
すでに57の国に広がっていて日本では、東京と福岡で利用が可能です。特に福岡では「みんなのUber」というライドシェアが実験的に今年の3月ごろに行われ、第1フェーズが終了しました。
今までにないサービスのため人気を博しているUberですが、今までにはなかったからこそ、国からの反対も受けています。 ヨーロッパで提供されているUberPOPというサービスは、フランスをはじめ、スペイン、ベルギーのブリュッセルなどでも禁止されました。
フランス政府が禁止した理由としては、Uberのドライバーはフランスのタクシードライバーの資格を取らなくてもなることができ、乗客の安全を確保できない。これに対してUberは、独自のバックグラウンドチェックでドライバーの安全は保証していると主張するも認められなかったようです。
また、UberPOPはカーシェアリングのサービスと打ち出しているのに対して利益を上げるのはおかしいという点も禁止になった理由の一つです。
こういった規制はヨーロッパだけではなく、日本でも起きています。先ほど挙げた「みんなのUber」ですが、これに対して国土交通省から行政指導が行われていました。行政指導に関する理由はNewspicksが行ったこちらの記事、国交省幹部が語る「Uberに行政指導を下した本当の理由」 がわかりやすいです。
これらの規制に対してUberは強気な姿勢を崩しません。現在パリではUberPOPを使用するドライバーには罰金が設けられているのですが、これをUberは全て肩代わりしています。
こういった背景から、フランスでは自分たちは国が定めるタクシードライバーの資格をとったのにUberPOPのドライバーは取らなくてもいいのは不公平だと暴動が起きているわけです。(出典:http://techcrunch.com/)
自分自身もテック界隈にいる人間としてビジネスモデルやスタートアップには興味があって、その中でもサービスに関わる全ての人を幸せにするビジネスモデルはいいなぁと思っています。Uberも初めて知ったときに、すごいな〜と思っていたのですが、今回の記事を読んだときに全ての人を幸せにするビジネスなんてできないんじゃないかなと思いました。
なぜなら、それだけ素晴らしいプロダクトなら競合が生まれるからです。例えばYouTubeやiTunesの登場でCDの売り上げはどんどん落ちています。YouTubeは動画を投稿する人も視聴する人もみんなハッピーで、僕もそのハッピーな人のうちの一人だけど、その影でその影響を被ってる人はいるんだなと感じた記事でした。
読んでいただきありがとうございました! 最新の注意を払ったつもりですが、情報が間違ってるよといったことがありましたら、[email protected]にご連絡ください!
アメリカ・フロリダ州でコンピューターサイエンスを勉強しています。こっちでの生活や、日々感じたことなどを書いていきたいです。