ーーインターンシップに参加されるまでの大学時代はどんな活動をされていたのですか?
色んなことをやりましたね。サークルも部活も一切やらずに、アルバイトやインターンに注力していました。あとは、塾の講師をしたり、産經新聞さんが出している週刊Gallopという競馬の週刊誌の編集をしたりしていました。それが大学1、2年のときですね。3年になってからは就活がメインでした。
ーーユーザベースでインターンを始められたのは、ベンチャー企業のイベントに参加されたのがきっかけだとお聞きしたのですが、具体的にはどういった経緯だったのですか?
今年の3月上旬に友達から誘われてベンチャー企業が集まるイベントに参加しました。最初は全然参加する気はなかったのですが、「とりあえず飲みに来いよ」と友達に言われて渋々参加しました。どの会社が来るのかも全く分からないなかでとりあえず行ったら、スマートニュースさんとnanapiさんとユーザベースの3社が来ていたんです。
NewsPicks(ニューズピックス)は使っていたのですが、ユーザベースという会社が運営しているとは知りませんでした(2015年4月より分社化し、現在は株式会社ニューズピックスとして展開している)。サービスのこと自体もそこまで詳しくなかったのですが、イベント会場で聞いた佐久間(ユーザベース 日本事業統括 執行役員)と山中(国内営業チーム ディレクター)の話がすごくおもしろくて、インターンに興味を持ちました。大学3年の夏からずっと就活をしていて、正直就活に疲れてきており、このままでいいのかと思い始めていたので、環境をガラっと変えるためにもユーザベースで働きたいと思いました。ですから、その日のうちに山中のほうに連絡をしました。
ーー3社がイベントに来ていたなかで、なぜユーザベースさんに興味を持たれたのですか?
スマートニュースさんは、当時ちょうどアメリカに進出して資金を調達していて、企業として非常に注目されていると聞いてそれも面白そうだなと思いました。実際スマートニュースもインストールして使っていました。nanapiさんももともと知っていました。ですが、ユーザベースは「SPEEDA」というBtoB向けの、それこそ外資系金融やコンサルティングファームの人がメインで使っているようなサービスを運営していて、あまり自分に馴染みがなかったため、まずはそこに学ぶ要素がたくさんあるではないかと思いユーザベースに強く惹かれました。プロフェッショナルファームで働いている人がどういった頭の使い方をして、どういう機能を注目して使っているのかなど、すごく学ぶことが多いなと感じました。あとは佐久間と山中の話が非常に面白かったことが後押ししましたね。
ーー実際にインターン生としての受け入れが決まるまでの流れを教えて頂きたいです。
イベントがあった日の夜にとりあえずFacebookを介してメッセージを山中に送りました。メッセージが返ってきて、そこから1週間後に面接がありました。最初の面接時には2~3人の社員の方にお会いしました。その後3~4回ほどオフィスに行きました。インターンを始める前の段階で10人ほどの社員の方に会いましたね。これだけ学生一人に対して時間を割いてくれて、社員の方々もたくさん出てきてくれて、非常に嬉しかったですね。また、もともと休学して4月からフルタイムで働こうと思っていたのですが、「それは吉田くんにとって必ずしもプラスになるかどうか分からないよ」と言われて、僕のキャリアをしっかり考えてくれていたんですよね。会社としての立場だけでなく、学生の立場からも見てくれるのがすごくありがたかったです。
ーー今まで参加されたインターンと、ユーザベースさんでのインターンで大きく異なる点はありますか?
以前のインターン先は旧態依然とした企業でそれほどスピード感も求められませんでした。ユーザベースに入って2ヵ月ほど経って思うのは、任せてもらえる幅がものすごく大きいところですね。それが他社との一番大きい差だと思っています。
ーーユーザベースさんでは具体的にどういった仕事をされているのですか?
コンサルティングサービスというお客さまからお問い合わせを頂いて実際にエクセルベースでデータを作ったり、業務のお手伝いをしたりするチームがあって、そこへ配属される予定だったんです。ですが、僕はどうしても営業チームに行きたいと思っていて、それを採用の段階で無理を言って受け入れてもらったという経緯がありました。SPEEDAにはお客様からトライアルの申し込みがきます。今までは、専属でトライアル申込に対応する者がおらず、営業チームの個々人で対応しておりましたが、もしかするとお申込み頂いたお客様へ十分なご案内ができていないという可能性がありました。ですので、現在は、トライアルのお申し込みをして頂いたお客様に対して、電話をしてアポイントを取ったり、ヒアリングをしてニーズを聞き出して営業効率化に繋げていくという仕事をしています。
ーーその仕事を全て任されたのですか?
そうですね。とりあえずトライアルのリストだけ渡されて、どうやるかは全部任せる、好きなようにやってみてといった感じで仕事がまわってきました。こんなにも任せてもらえるんだと感じましたね。実際やってみると意外とうまくワークした部分があって、そうなるとうまくいった分、どんどん任せてもらえるようになってきました。最初は一部だったのですが、今はもうトライアルに関しては基本的に「吉田、全部よろしく」といった形で全てまかせてもらっています。メールも全て僕が担当していますね。
長期インターンシップは大きな財産
ーー東大で長期インターンシップに行っている人は、多くはないという印象ですが、実際のところどのような状況なのでしょうか?
感覚ですが、二分化されていると思っています。やはり一般的に思われているように、大企業志向の強い層は多数派です。ですが、意外とスタートアップ界隈に入り込んでアンテナを張って動き回っている人が増えてきている印象はあります。例えば大学1~2年のうちにスタートアップ(注:スタートアップとは、新たなビジネスモデルを開発して急激な成長を志向する会社である。)でインターンをして、3年の夏に就活をして、外資コンサルの内定を取る人もいますね。
ーー吉田さんは大学1~2年の頃から色んな活動をされていたと思うのですが、なぜそんなにも行動を起こすことができたのでしょうか?
自主勉強会というコミュニティに入っていたんですが、そこには頑張っている学生が集まっていて、最初はしんどいなと思っていました。ですが、海外志向の強い学生や、留学志望の学生が多くて、次第に自分も何か軸を持っておきたいという気持ちが出てきたのは確かですね。そういう気持ちがあったから、幅広く活動できたのかもしれないですね。
ーー長期インターンに参加してよかったと思われますか?
本当によかったですね。僕が長期インターンにたどり着いたのは、1年の時にアルバイトをしまくっていたことが関係しています。正直、馬鹿だったなと思います。飲食店のバイトも2年ほどやりましたし、個別指導の塾講師も1年半やりました。色々やりましたが、正直頭打ちだなと感じました。刺激がなくなってきたんですよね。アルバイト先では毎日何か新しい事を学ぶということよりも、慣れの部分が多いこともあり、何か新しいものを求めていました。もちろんバイトでも学ぶことはたくさんあると思いますが、僕はそれでは物足りなくなってきていました。それを脱する1つの選択肢として、留学やボランティアやインターンがあると思います。それは人それぞれだと思いますが、選択肢として長期インターンは、非常に学びの多いものであることは間違いないと思います。
ーー吉田さんはこれからユーザベースでどういった人とインターンシップで一緒に働きたいですか?
月並みな言葉ですが、真面目な人ですね。これは僕がそうありたいと思っている部分でもあります。ユーザベースにいて周りの人は、すごく愚直で真っ直ぐな人が多いというイメージを持っています。僕も仕事が早い方でもないですし、特別何かできるスキルがあるわけでもないです。たくさん仕事を振ってもらったなかで、なかなか十分に応えきれていない部分もありますが、その中でも精一杯やれる範囲のことはやって時間を割いて、良くしていこうという思いは強く持っています。周りの社員の方も、高い意識を持っていらっしゃる方が多いです。色んな人とコミュニケーションを取って働いている中でそれは実感しています。そういった姿勢を持っている人がユーザベースのインターンシップに来てくれたら一番嬉しいなと思いますね。
ーー吉田さんのこれからのキャリアはどのように考えていらっしゃいますか?
まだ就職活動が終わっていないのですが、8月からの大手企業の選考も視野に入れています。ユーザベースに来て負荷をかけて働くということも経験しましたし、その中で自分のキャリアパスについて考える時間も多くなりました。そこで気づいたのは、裁量権をもって働けて、色んなバックグラウンドを持った人がいて、優秀な人たちがいる環境であれば、その他のことにこだわりはあまりないということです。これは長期でのインターンを経験したからこそ得られたことだと思います。