「私立大学生の8~9人に1人が大学を中退している」という衝撃的なデータがあります。 若者の「社会的弱者への転落」を防ぐために、大学・短大・専門学校と協働して、中退予防活動を行うNPO法人が奮起しています。 「大学が変われば日本の教育が変わる」と言い切り、大学変革こそ日本の教育改革にとって重要だと考えています。 ではなぜ大学を変革すれば日本の教育を変えることが可能になるのでしょうか。
先生方の「教え方」のことです。教育機関では、教える内容以上に教え方が重要です。 教える内容が高度かどうかは学生の能力に左右されますが、同じレベルの学生をいかに成長させられるかどうかは教え方に大きく影響されます。 しかし、今まで日本の大学の多くは、教え方に対してほとんど投資や工夫をしてきませんでした。ですからこれからは、戦略と実行、カリキュラムと教員のティーチングメソッドの開発が、非常に重要なテーマです。
もう1つ重要なことは、学生たちにどんどんアメリカの大学のように「強い負荷」をかけた方がいい、ということです。そして同時に、負荷に耐えられる学習環境をつくるべきでしょう。
現在の大学生は、多くの課題やレポートなどで勉強するスタイルになっています。 しかし逆に、あれやこれやと目先の課題をこなすことに集中するあまり、落ち着いて物事をじっくり観察したり、考えたりする余裕がなくなってきています。
また、教員があれもこれもやらそうとするあまり、学生の消化不良の原因を作ってしまっているのではないでしょうか? あるいは「グローバル人材」「キャリア教育」といったコンセプトのもと、TOEICの点数を上げることや、会社に入ってすぐ「役に立つ」スキルの習得などにばかり教育の重点が置かれているのです。
この時代の流れこそ今の日本の大学が機能していない大きな理由です。
大学はあくまでも強制的に勉強する高校の延長ではなく、学びたいことを学びに来る場所なのです。
しかし、本当に勉強したい学生は留学をします。
日本の大学教授は授業がどれだけ素晴らしくても、受講者がどれだけいい成績を出してもその成果を認めてくれることはないですし、そもそもまだ昔の大学の感覚を持って、生徒に楽な道をすすめる人も多いのが現状です。
こういった現状により、大学はいつまでも義務教育の延長でしかなく、大学生よりも小学生のほうが勉強しているなどと言われてしまっているのです。
「学生にこれ以上負荷をかけたらさらに退学率が上がる」という意見もありますが、今の大学の状況では逆だと思います。
いかに優れたカリキュラムの上で、教えるのが上手な教員が学生に対峙し、彼らを鼓舞しながら強い負荷をかけて能力を伸ばす教育に変えられるか。それが退学率を下げる最も有効な方法ではないでしょうか?
学生が卒業して成功するために、適切な授業の取り方を一緒に考え、助言をしてくれる教授。そんな方から教育してもらえるのであれば、今の大学生活の数倍は楽しいでしょう。
そして、必須の授業の科目数を少なくし、将来の目標達成のために柔軟にクラスを選べるように設計されているのが海外の大学です。 特に、ビジネススクールでは、他の学部のクラスを履修こともある程度許されていますから、ゴールを達成するためのカリキュラムが整っています。
その過程で、受験生に対して様々な、時として過剰とも言える宣伝やサービスが行われるようになってきました。
例としては、高校3年生を対象に就職率や就職先企業の実績、在学中に取得可能な公的資格などの広告や宣伝、オープンキャンパス(大学内の見学や学部などの説明、模擬授業、在籍学生や大学職員との交流イベント)などが考えられます。
オープンキャンパスで周辺主要都市からキャンパスへの無料送迎バスの運行や交通費の補助を行ったり、学内食堂の無料券の配布、記念品の配布などが行われることが主流とされるようになりました。さらに、入試の成績優秀者に対して、入学金や授業料の全額または一部免除を行う大学も増加傾向にあります。
私立大学における経営収入の大部分を占める授業料を免除してまで学生を確保する動きがはじまったことは、大学全入時代の大学間競争が教育研究面での戦いだけでなく、財務状況、経営体力の争いへとシフトしようとしています。
大学は就職予備校でも、高校の延長でもありません。
専門的学術を学び、キャリアステップを登っていくための前段階であり、ゴールは「どうなりたいのか?」です。
海外の大学のように、大学ごとの特色があり魅力的なポイントがあるような存在であって欲しい! 決して、「入ればどこでも一緒」と思っている現状ではない大学の姿に。
都内の大学4年生の福島 翔です! 人生を大きく変えるような記事を発信していきたいので、これから宜しくお願いします。 三度の飯よりも漫画が好物です。