「世界最高の指導者留学プログラムを。」サッカーの本場・スペインでの武者修行。

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ツボイさん2

今回はサッカーの本場スペインでサッカー監督のみならず、スペインでの指導者留学プログラムを実践している坪井健太郎さんにこれまでの歩みや、スペインで得た経験をお伺いしました。

ーー始めに坪井さんの略歴と現在の活動を教えて下さい。

地元の静岡学園高校を卒業した後、大学進学ではなくサッカー指導者の道へ進み、7年間、安芸FC、清水エスパルス普及部といった日本サッカー界で経験を積み、2008年4月にここスペインバルセロナへ渡りました。スペインに来てからはCEエウロパで3シーズン、その後UEコルネージャに所属し、スペインの育成年代において小学生年代からユース年代に関わり指導してきました。現在は監督業をする傍ら、グローバルな日本人サッカー指導者の育成を目的に、「世界初、世界で最高の日本人向け指導者留学プログラムを」をモットーにしたバルセロナへのサッカー指導者留学プログラムを行うPreSoccerTeamを運営しています。

18歳で選手ではなく指導者の道へ。

ーーなぜ高校卒業後、選手ではなく指導者という道を選んだのですか?

地元の静岡学園を卒業するときに選手の道は諦めました。なぜかというと、ずっとサッカーと関わっていたいという思いはあったのですが、大学へ行った後に選手として続けた場合のストーリー、つまり選手としての終わりがそこで見えてしまったんです。やるなら本気でやりたいですし、遊びでやるのは求めていなかったからこそ、次にボールの近くに居れるのは指導者だと思ったので、選手ではなく指導者の道を選びました。ツボイさん3そう決断してから高校卒業後は大学に進まず、最初は広島の安芸FCのコーチになりました。広島には縁もゆかりもなかったのですが、高校時代の同級生がそこのクラブ出身という関係があって紹介してもらったのです。そして、その安芸FCで4年間コーチをしたあと、清水エスパルスのスクール(現普及部)で3シーズンコーチを務めました。

ーーでは、それからスペインへ渡るきっかけは何だったのですか?

きっかけは一つではないです。いろいろな要素が絡まっています。まず、広島時代に知り合った友人が既にスペインに来て勉強をしていて、スペインの存在がぐっと身近になったんです。また当時日本のサッカー界で勉強していて「このままでいいのか」と思うことがありました。将来的にプロレベルで仕事をしたいという気持ちはあったのに、サッカースクールにいるだけではJリーグの監督につながるのは難しいと感じて、「じゃあスペインに行って勉強しよう」となりました。そうして最終的には周りの人たちに背中を押してもらったこともあり、スペイン行きを決めたんです。

ーースペインに来てからはどのようにして今のチームに至るのですか?

最初は語学学校に通って、まずスペイン語を勉強し、それから色々なクラブを見て回りました。それから友人の紹介でエウロパというクラブに入ったんです。

スペインに来る前から仕事が確定していたわけではなく、「とにかく飛び込んでクラブを見つける」という方針で仕事を探しました。日本人指導者がスペインに留学に来る場合、そうするのが普通なんです。ツボイさん4エウロパでは3シーズン在籍してカデテと呼ばれる、ジュニアユース世代(15歳まで)を担当しました。第一監督、第二監督の一つ下のポジションで、最初はボール拾いのような手伝いとビデオ撮影のような仕事から始めました。アシスタントコーチ的な立場で2年間勉強させてもらって、3シーズン目の時にたまたま第二監督のポストが空いたので入れてもらいました。その時の第一監督が、今でも一緒に仕事をしているゴンサロという監督です。

エウロパではカデテ2部のリーグで優勝して、そこで引き抜きの声が掛かって、ゴンサロと一緒に現在のUEコルネージャに移籍しました。

スペインで学んだメソッドを広めたい

ーー現在は監督業だけでなくスペインでの留学プログラムPresoccerteamの運営も行っていますがこれはどのような経緯でしょうか?

自分自身、ライセンスのコーチをスペインで勉強してたことと、実際にスペインで経験を積んでみてこれだけいい指導の勉強材料があるんだからもっと多くの人に広めていきたいという思いがありました。始めはぼんやりと、できたら面白そうだな、と考えていただけでしたがPreSoccerTeamの共同経営者のスペイン人との出会いから急にこの構想が実現化されたのです。人生面白いもので、願っていれば叶うものなんだなと今では思います。

ライセンスコースに通っていたのが2009-10シーズンでPreSoccerTeamの話が動きだしたのが2011-12シーズンです。2012年に企画をスタートさせてブログやSNSで集客をしてきました。日本のスペイン留学のエージェントにコンタクトを取り、自分のアイデアを伝え業務提携が成立しました。ツボイさん5また、2012年の夏には日本に出向き説明会を開催し、1期生の3名が2013年の1月にバルセロナに到着しました。そして2期生は1名、3期生は7名が指導者留学生としてバルセロナに来ています。

2012年という年は僕の中では変化のある年ではありました。というのも、日本で講習会や指導クリニックを開催したり、日本のサッカーの指導者向けの雑誌などに自分の記事が掲載されるようになり始めた年だからです。留学生の中には『雑誌を見て申込みました』という生徒も居たんです。このような感じで3年目を迎えているPreSoccerTeamです。

次は日本だけでなく、アジアや中南米からの指導者の留学生に来てもらえるように戦略を練っています。

ーーでは、そんな坪井さん自身が指導をする際に一番心がけていることはなんですか?

一番は選手との関わり方です。日本とスペインで指導をするときにはやり方は違います。同じ内容を教えるにしてもコーチングの仕方は変えています。スペイン人には感情を表現することを重点的に、日本人には理論的に丁寧に説明するようにしています。ツボイさん1というのも、スペイン人は方法論を既に知っているもののそれを実行しないんです。だから選手に集中力がなかったり、僕が求めることと選手が思っていることの不一致が起きた場合、『こうしてほしいんだ!』と熱く要求する、つまりインパクトを与えることが大事なんです。ここがスペイン人と日本人を始動する際の決定的な違いですね。

例えば、3回のインターバルを挟む練習があった時に、まず1回目のインターバルでガシっとインパクトを与えるんです。そうすると選手も気を引き締めて集中させることが出来ます。

逆に日本人はどちらかというと理論的にも感覚的にもサッカーを知らない選手が多いです。ですから、勢いやインパクトだけでは逆効果です。日本人選手は指導者から言われたことを従順にこなしますし、インパクトが強ければ尚更『やらなければいけない』と錯覚してしまいます。

しかし、サッカーは機械的なスポーツではなく常に状況判断が求められるのです。だから、こういう時にはこうする。でも相手がこうしてきた時には違う選択をしないといけなくてその一例がこれだよ、という風に理論的に選手には指導します。

選手・指導者同時育成型サッカースクールを日本に!

ーー留学プログラム、出版と来て、他にこれからやりたいことはありますか?

日本に、スペインで得たメソッドを取り入れたサッカースクールが広がれば良いと考えています。それは既存のクラブやスクールとの提携かもしれませんし、新たなスクール展開かもしれませんがまだ決まっているわけではなく可能性は様々です。運営するPreSoccerTeamはスペインのバルセロナに拠点がありますから、その強み、要はヨーロッパのサッカー先進国に拠点があることを活かしてスペインと日本をリアルタイムでつなげて順応させ、日本のサッカー界の繁栄に貢献していきたいです。

その際、選手育成だけのスクールではなく、指導者も同時に育成できる新しいカタチのサッカースクールを展開していきたいですね。

もちろん、私自身のキャリアももっと充実させていくことは常に考えています。もっとこっち(スペイン)で結果を出していく、また今後日本に帰って何かしらの結果を残すことは重要と考えています。とりあえず、目指すは今いるカテゴリーでのリーグ優勝です!

ーー最後に日本の若者に何かメッセージをお願いします。

私は現在海外に住んでサッカーの仕事をしていますが、日本では経験できないことをたくさん経験させてもらっています。中には良いこと、また納得いかないこともありますがそれも含めてさらに自分を成長させることのできる貴重な経験と捉えています。 若いうちにしかできないこと、特に日本の外に出て多くの刺激を受けることをぜひともやってもらいたいと思います。その時にはわからないかもしれませんが、将来絶対に役に立つ経験になることは確実です。

※本記事はCAREERPACKER PROJECTからの転載記事です。

この記事を書いた学生ライター

Junpei Hazama
Junpei Hazama
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1994年生まれ。一橋大学法学部。東京旅人会創設。同世代の若者がアクションを起こすための指針として、2014年9月から世界のキャリアを発信する世界一周CAREERPACKER PROJECTを発起。(Twitter : @junpei_hazama

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