「ごみ山は本当になくなってもいいのか?」 「路上の物ごいにお金をあげるべきか?」 「街中に出回るコピー品は悪なのか?」
途上国を歩くと、色んな疑問が目の前に迫ってくる。そういった疑問を、取材や記事執筆を通して解き明かす珍しいツアーがある。
それが現在募集している「基礎ジャーナリスト講座 in セブ/ホーチミン/ミャンマー」だ。
主催するのは、途上国・国際協力の情報を発信するNPO法人開発メディア(媒体名は「ganas」)。
設立は2012年8月と新しいが、このツアーで講師を務める長光大慈編集長はこれまでに海外5ヶ国で暮らした経験を持つ。とりわけ東南アジアでは「NNA」(現在は共同通信グループ)のタイ支局とフィリピン支局を立ち上げた。
「途上国=貧しいとか、笑顔とか、安易に決めつけるのはおかしい。いろんな人が住んでいるし、いろんな見方があってしかるべきでは」がモットーだ。これを「複眼の視点」と呼んでいる。
この講座では、参加者は行き先を、フィリピン・セブ、ベトナム・ホーチミン、ミャンマー・ヤンゴンの3カ所から選べる。
滞在期間はいずれもおよそ1週間。この間、毎日取材し、記事を書く。 取材先はごみ山、マイクロファイナンス機関、学校、スラムなどさまざま。参加者の希望を考慮して決めていくのが特徴。ネタの見つけ方、インタビューの仕方、データのとり方、伝わる文章の書き方などを学びながら、優秀な記事は署名入りでganasのサイトにも載せてもらえる。
基礎ジャーナリスト講座は今回が4回目。これまでにセブで2回、ハノイで1回実施した。過去の参加者の声を下にいくつか紹介する。
・「個人で自由に取材できるのが楽しい。複数の人にインタビューすると、記事に深みが出ることがわかった。悲惨そうに見える人が実はその現状に満足していることも意外だった」(大学生)
・「インタビューの際にどうやって人の心をつかむか、知りたいことをどう聞き出すか、データをどう取ってくるか、文章の組み立てはどうするかなどを学んだ。自分のスキルが日に日にアップするのが実感できた。アウトプットするから、ひとつひとつの体験が強烈に印象に残る」(大学生)
・「ただの道もアンテナを張って歩けば見えないものが見えてくる。それを記事にするプロセスで、社会的背景が浮き上がる場合もある。このツアーでは数字、根拠の重要性を学んだ」(社会人)
・「ごみ山に衝撃を受けた。目の前のコミュニティに大卒の元英語教師が住んでいたり、衛生状態が悪いのに妊婦がごみを拾っていたり、勉強が嫌いで学校を辞めた子どもの対応に困る母親がいたり、そこには『生活』があった。取材では英語を使うため、英語の大切さも身に染みた」ー ハノイではスラムの家も5軒以上訪問した(2015年春)
基礎ジャーナリスト講座での学びをまとめると、下の4つに集約できるという。
1)発見力‥‥問題・課題を見つける
記事を書くにはまず、ネタ(≒問題・課題)を見つける必要があります。ネタを探すうえでカギとなる「視点の持ち方」を養います。
2)質問力‥‥取材対象から話を引き出す
「何でもいいから教えてください」。これでは取材になりません。講座では、ひとりひとりが実際に取材をする中で質問力をアップさせていきます。質問する力は、取材に限らず、社会に出た後あらゆる場面で重宝します。
3)考察力‥‥掘り下げると「何か」が見えてくる
情報をインプットして終わりではありません。記事を書き、発信します。アウトプットするには、取材で得た情報をもとにブレストし、そこにどんなポイント(切り口)があるのかを探る必要があります。講師のアドバイスを受け、掘り下げていくことで、「これまで見えなかった何か」が見えてきます。
4)文章力‥‥万人に伝わる書き方を学ぶ
伝わる文章の書き方もお教えします。文章力はコミュニケーション力の基本です。
「このツアーは巷のスタディツアーとは全然違う。観光の時間はなし。本気で学びたい人にこそ、ぜひ来てもらいたい」と長光編集長。興味のある人は、まずは説明会(6月6日、6月25日、7月6日)に行って詳細を聞いてみてはどうだろう。 学習が効率的になるたった一つの法則
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