全受験者の上位8%のみが入学を許される米国マサチューセッツ工科大学(以下MIT)は、合格できただけで快挙と言っていいほどの超難関大学です。(出典:Wikipedia)
MITは工学や情報科学に強いことで有名ですが、学生の中には勉強の能力に加えて、ダンサーやアーチェリーのオリンピック選手、陸軍司令官など多様な賢人が多く、最高峰を目指す素晴らしい大学の1つです。 MITの春学期は終わりを迎えていますが、彼らの取り組みに終わりなどはありません。
そこで今回は、MITに在学中の活躍している学生をご紹介します。
彼の母国ネパールでは、10年生(高校1年生)の生徒に高等教育を受ける資格を得るための試験が義務付けられています。試験の採点は全て手で行われているため、結果が新聞に掲載され自分の点数を知るまでに数カ月かかってしまいます。
結果を見るまで心配でイライラしたという自身の経験から、トリパシーはそんな状況を改善するべく、すぐにオンラインで自分のスコアを確認できる画期的なシステムを開発しました。現在はネパール全土の100校で1万人以上に及ぶ生徒たちに利用されています。
なんと彼は8歳の頃から独学でウェブサイトを作っており、ネパールの非営利組織のために教師や生徒が利用できるいくつものサイトやブログを提供してきました。最近では工学部や医学部に入学するための予備校生のために新しいオンラインシステムの開発を手助けています。そのどれもがネパールの経済を見据えた国家の将来に繋がる活動です。
物理学を学ぶトリパシーは、MITを卒業後は大学院に進み、高エネルギー物理論(theoretical high-energy physics research)を研究するのだとか。 “ネパールを変えるには少しずつ国のシステム自体を変えていかなければならない”と語るトリパシー。将来的には自国のネパールに戻り、地道にネパールの抱える問題に挑むのだそう。
MITに入学するまで彼女は元NASA職員だった母親の方針で自宅で教育を受けていました。そんな型にハマらない高校生活を過ごし、彼女は全情熱をバレエへ注いできました。
2013年、ブリアンはスコットランドで行われた名門ジェネー国際バレエコンクールに選出された世界ベスト60のうちの1人です。彼女は準決勝前に世界的に名高い振付師による特訓を受ける機会さえあった有望なバレエダンサーで、その前途は明るいです。
MITでは生物医学工学と国際健康問題を学びつつ、女子フェンシング部に所属する彼女。バレエに割く時間がないほど多忙そうですが、プロのバレエ団に入るためのオーディションは受け続けているそうです。
背部の怪我によってテニスかバスケットボールのプロを目指す夢が閉ざされた時、キムは弓矢を選び、天職を見出しました。2012年には12歳から18歳のトップ24人から構成された米国ジュニア・アーチェリー・ドリームチームに選抜され、カリフォルニア州で第1位、全米で5位と成績を伸ばし続けています。
2014に代表選出された後、キムと彼の弟は韓国を訪れコーラン・ソウル国際アーチェリー祭でアメリカ代表として戦いました。キム兄弟とチームメートはマレーシアとメキシコ代表を破り、3位のフランスに僅差で及ばずも4位入賞を果たしました。 キムは生物医学工学か情報科学を学ぶ予定で、2015年の世界大学代表戦でのメダル獲得を目指しています。
グウと3人のチームメートは今年のHackMITで賞金4000ドルを獲得しました。 彼にとって初めてのハッカソン(プログラマーたちが集まり、集中的にプログラムを開発すること)であったのにも関わらず、チームは24時間以内でBeaverDashというMITで無料提供されている食事の所在地を教えたり郵送先の名簿をまとめ上げたりするアプリを開発したのです。
そのアプリはキャンパス内で無料提供されているものを学生のスマホに知らせる仕組みで、グーグルマップと連動して無料ランチがどこで手に入るか示すことができ、Fitbit(健康維持をサポートするアプリ)と合わせてどんな方法でたどり着けばどのぐらいのカロリーが消費されるか割り出すことも可能です。
BeaverDashは他のMIT関連の賞とHackMITの新人賞も勝ち取りました。 MITのBitComp(仮想通貨ビットコイン関連のアプリ開発大会)でも入賞と賞金1500ドルを授与され、キャンパス内でのビットコインの使用を促すためBitStationのチームリーダーとしても活躍しました。
現在1年生のグウはこのままコンピュータサイエンスと工学への情熱を貫き、毎日の生活に役立つ事業をますます創造していくつもりだそうです。
山地での遠征中、司令官が足首をひねって下山の指揮が取れなくなった時、バルコートより何倍も大きい男性士官候補生の中で、地図を読み取るのに優れている彼女が指揮官の代理を務めました。
MITでのインタビューで “その時私気づいたの、これは私にも出来るとね” その後マサナッテン陸軍士官学校で大隊司令官の称号を獲得し、100人にも及ぶ生徒たちの担当をしています。朝の合図で目が覚めた瞬間、彼女はスタンバイの状態で待機することも、指令を下して同僚を導くことも出来るのです。彼女が言うに、この経験は “たとえどんな状況でも自信を持つ”ということを教えてくれたのだとか。
現在1年生で陸軍の司令官を勤めた経験のある彼女は、MITではコンピュータサイエンスと電子工学を学ぶ予定で、最終的にはMITの仲間と共にスタートアップを始めるのが目標だそう。
デイビスは13歳の時に火事で家を失ったのがきっかけで、消防士のボランティアになることを目指していました。現在は学校の休みの度に、ニューヨーク州にある小さな村の消防隊で主に救急救命士としてボランティアをしています。
彼女は産業包装や使い捨てプラスチック製品として使われるような生物分解性の不燃プラスチックを消防体験から刺激を受け開発しました。現在彼女の発明はなんと特許にかけられています。
現在デイビスのもう1つのパッションは高分子化学に向けられています。1月からマサチューセッツ州の3Dプリントの会社で働くことを予定しており、卒業後は材質化学分野の会社で働きながらMBAを目指し、救急救命士と消防士としてのボランティアも続行する盛りだくさんな予定のようです。
まだまだ紹介しきれないほど型破りな秀才の多いMITですが、彼らの共通点として挙げられるのは、勉強だけしているわけでないということ、そして人のため、国のため、将来のために自分の知識や能力を存分に使っていることではないでしょうか。 死ぬほど勉強していい大学に入れば満足いく就職が出来てハッピーな人生が待っていると高校時代に叩き込まれがちな日本人学生にとって、大学で自分の勉強したいことを最大限に学び、確実に将来に繋げられる彼らのストイックな姿勢は非常に清々しく写るかもしれません。 MITに入ったのがゴールではないとまじまじと感じさせるこの6人が、卒業後どのような発明、実績を積んでいくのかとても興味深いですね。
アメリカ極寒の田舎で4年半国際ビジネスを勉強してました。卒業後アメリカ南下を目指すも失敗し、北上してさらに極寒のシカゴで働いてます。これは!と個人的に思った海外記事を発信していきます☆