お世話になっております、貴社にて記事を書かせて頂いております…… と、つい就職活動の影響でこんな書き出しになってしまいました、ポーランド留学中の石割です。
……え、わざとらしいって?それは思っても言わないのがお約束です。笑
さて、今回は留学中の就活の始め方についてです。 私の経験を基にして書きますので、出国の時期によってはこれよりもよりハイペースで進めなければ行けなかったり、もっと余裕を持って取り組めたりしますが、あくまで参考までにということで。
これから留学に行くけど期間が就職活動と被ってしまうので不安、そんな方に読んで頂けると嬉しいです。
留学が決まったはいいけど、よく考えてみたら就活の時期と被ってしまう。さて、なにか出国前にできることは無いだろうか……。そんな疑問に対する答えはたった一つ、”やる気”です!
またまたそんな、と思われてしまうかもしれませんが、それだけで十分です。実際にそうだった私が言うのだから間違いはありません。というよりも、出国前にできることなどほとんどない、という方が正しいでしょうか。 就活はまずまず興味のある業種や企業を探したりすることから始まるかと思いますが、出国前からそんなことをする必要は無いと思います。なぜなら、留学というのがそもそも自分の価値観を変えてしまうほど大きな経験だからです。
「なぜ自分が留学に行きたいと思い立ったのか」を、もう一度思い返してみてください。「なにかしら成長するため」、「日本では経験できないことを経験するため」ではなかったでしょうか。 留学というのは多かれ少なかれそういった経験や成長を伴うものですし、それゆえ出国前に考えていたこととは180度違うことを考え始めるようになるものです。 だから出国前にはあまり考え過ぎないようにしましょう。無駄とは言いませんが、留学後しばらくたってからじっくり考えたほうが時間も有効に使えますし、もっと深く考えられるようになると思います。
しかし、一つこれは私の経験からなのですが、もしも中小企業や認知度の低い業種を狙いたいという考えがある方は、日本にいる間に出来る限りリサーチしておくことをおすすめします。なぜなら、留学中の就活の一番の欠点として、説明会等への参加が難しいというものがあります。説明会に参加できないと、今まで知らなかった企業を知る機会というのが激減します。
もちろんネットを使えばある程度の情報収集は可能なのですが、ネットは全て能動的に情報を収集するしかありませんから、元々頭のなかに無い情報を0から集めるというのが非常に難しいです。出国前に何もせずに海外でいざ「中小企業やあまり一般的に知られていない企業を探してみよう」と思い立っても、何も出来ません。 ですので、そういう想いが少しでもある方は日本にいる間にプレ就活としてそういった情報を集めるように意識しておくといいかもしれません。
ではいざ出国をして留学生活にもそろそろ慣れて就活のことも考える余裕ができた頃、何から始めたら良いのでしょうか。
プレエントリーとか、ESとか、適性検査とか、よくわからない単語のオンパレードで不安を煽られますが、惑わされずに行きましょう。
まず大まかな就活の流れですが、
1.興味のある業種・企業を探す 2.各企業にプレエントリーする 3.ES(エントリーシート)を書いたりWebテストを受けたりする 4.面接の日程を調整する 5.面接を受けて内定をもらう
とこんな感じになっていますよね。 この内、4まではほぼ全てネット環境さえあれば場所は選ばずに活動できますから、留学中だろうがなんだろうが困ることは無いわけです。ですので、手順や細かい活動の内容は一旦置いておいて、まずはよくいう自己分析から始めましょう。
自己分析って?と思う方も居るかもしれませんが、これも難しく考える必要はありません。要するに、「自分が普段どんなことを考えているのか」や「自分は何が好きなのか」といった事を自問自答するということです。 特に留学という大きな経験をしている、もしくはこれから経験するという皆さんは、日本に居た時の自分と海外に出てきた自分を対比して捉えることが可能になっているはずです。そういった対比を利用して、普段の自分やその何気ない思考を、今一度自分で深読みしてみる、そういう作業が自己分析です。
やはり難しく聞こえるかもしれませんが、ベッドにでも寝転びながら気楽に考えてみましょう。私はなんで留学に来たんだっけ?留学して何か得たものはあっただろうか?日本にいる時はいつも何をして過ごしていて、何が楽しかったかなあ。などなど。
このステップで最も重要なのは「論理性」。 この自己分析ですが、やったはいいけど就活に役に立たなかった、なんてことにならないようにしたいですよね。そのためにも、とても大事なのがこの論理性を考える事。自問自答には当然正解というものがありませんから、やめようと思えば好きなところで思考を中断できますね。しかし、中断した場所があまりにも中途半端な場所だと、せっかく考えたことをESなどに書こうと思っても、うまくまとめられません。それは、自問自答の中で論理性を重要視していないからそうなるのです。例えば、「なぜ留学に来たのか」という自問に対して、「英語を話せるようになりたかったから」という自答は、一見筋が通っているように見えますが、実は甘い。この自答に対してもう一度「ではなぜ英語を話せるようになりたかったのか」という自問をしないと、理由としては弱すぎますよね。これを、英語を話せるようになりたかった、という理由を一つ表面的に見つけた段階で思考を中断してしまっていると、いざESで留学の目的を聞かれた際に、論理的に答えることが出来ません。
留学という大きな経験をしているので語れることは多いですが、その分語るための思考というのが必要になるということを、この時点でしっかりと認識しておくと良いと思います。
ここまで来たら、あとは留学中かどうかなど、ほとんど関係ありません。ひたすら気になる企業を探し、プレエントリーし、ESを書く。それだけです。プレエントリーが何かわからないとか、ESをどう書いたらいいかわからない、という人も心配無用。各企業がこれでもか、というほど丁寧に手順を説明してくれていますから、それを注意深く読んで従えばいいだけです。ESに書く内容などは、正直習うより慣れる方が早いと思います。とにかく何枚か書いてみる、それが手っ取り早いはずです。その際は、周りの日本人留学生やすでに就職を決めている先輩、学校のキャリアセンターなどに添削をお願いすると、上達が早いかと思います。留学先現地の人に頼む、なんていうのも面白くてありかもしれませんね。私はやったこと無いですが。
これは蛇足ですが、留学先での就活を見越して、出国時に持って行ったら便利な物をいくつか紹介します。
・書きやすいボールペン ・修正機 ・A4サイズの紙が入れられる封筒 ・テープのり ・スーツ一式(最低でもジャケットとネクタイ)
以上一例ですが、基本的には文房具系になりますね。日本の文房具は優れているものが多いですから、それに慣れていると海外で手に入る文房具は使いにくかったりしますし、テープのりなどの特殊な文房具はそもそも手に入らなかったりします。
ですから、お気に入りのボールペンや便利系の文房具などは、できれば多めに持っていったほうがいいでしょう。これは私の場合ですが、ESを送るための封筒を見つけるのに相当苦労してしまったので、持ってきておいたら便利だったかもしれません。
また、留学先でリクルート用の写真撮影をすることになりそうな場合、スーツを持って行かないと購入または借りる羽目になってしまいます。持ってきておかないと、何かと不便ですね。少し荷物になってしまいますが、是非持って行っておきたい物の一つです。
さて、どうだったでしょうか。 少し長くなってしまいましたが、ここで私が強調したいのは、自己分析の大切さです。今の時代ネットがあるので、留学先で就活に困るということはほとんどありません。
しかし、留学という特殊な経験をしている以上、それについてしっかり考えておかないと、就活に役立たないどころか、留学そのものの意味が薄れてしまします。 就活だから、というよりも、留学という経験を最大限に活かすためにも、自己分析には力を入れて取り組んで欲しいと思います。
では、今回はこの辺りで。
2012年4月、秋田県秋田市にある国際教養大学(AIU)に入学。グローバル・ビジネスを専攻とし、2014年9月からはポーランドのワルシャワにあるワルシャワ経済大学(SGH)へ約1年間の留学中。AIUではサークル活動である演劇に、SGHでは旅行と美術館巡りに熱中。日本ではあまり馴染みのないポーランドという国の魅力を、一人でも多くの人に伝えたいという想いで記事を書いています。