皆さんの中でも、今まで人生の節目にタイムカプセルを埋めたことがある方も少なくないと思います。 しかし、もちろんのこと、宇宙に送った人はまだいませんよね。
そんな中、アメリカのとある学生主導のチームが、水星に送れるようなタイムカプセルを開発しているといいます。
それはまさにこんな形をしているものだといいます。図で見てもわかるように、この装置から何か気体のようなものが出ていますよね。 これが今回水星にタイムカプセルを飛ばすためのキーポイントとなってきます。
従来、宇宙空間に何かを打ち上げるとなると、その中に小型ロケットを内蔵して、それが化学物質を燃やしてエネルギーを得る、というものでした。
しかし「効率や燃費があまりよくない」ということで生み出されたのが「イオン推進」と呼ばれる方法です。
これは「イオンを加速して推力を得る」、というまた少し違った方法なのですね。 この方法を使うことによって効率も上がるとMIT(マサチューセッツ工科大)のパウロ・ロザノは言います。
今回水星に飛ばすこの装置(タイムカプセル)は一辺たったの10センチしかないため、搭載するエンジンも非常に小さくて効率が良いものが求められているそう。
しかし、このイオンエンジンもまた欠点があり、それは「この計画には高すぎる」ということなのだそうです。
そこで彼らが使ったのが「エレクトロスプレー方式」という方法。 従来、ガスを燃やして推進力としていたものを、強い電場を作ってその代わりをつくる、というものなのだそう。
この方式を使うと、最小限の火薬でタイムカプセルが飛ばせるそうで、まさにこの装置にはもってこいだったのだとか。 1辺10センチしかない装置に入れる小さなエンジンから、どれだけ大きな力のエンジンを作るか、ということが一番問題視されていて、改良点はたくさんあったのですね。
このように、サイズやパワー、コストなどたくさんの要望を一度に実現させなければいけなかったため、制作はとても難しかったそうです。
最終的にバッチ生産されたこの装置は、他のプロジェクトにも使いまわしが利くように作成されたことで、従来のイオンエネルギー装置よりも安くすんだのだとか。マサチューセッツ工科大をベースとして行われている学生主導のこのプロジェクトは、NASAやアメリカ防衛省などとも契約して行われているプロジェクトとなっています。
今年にも初めての実験が行われる予定で、今注目が集まっているそうです。
資金が集まれば、4~5年後には本格的にこのタイムカプセルを使った活動をしていきたいともコメントしていました。
エレクトロスプレー方式を含む打ち上げ方式がうまくいけば、このプロジェクトだけでなく、人が乗るロケットなどにも適用される見込みがあるのだとか。
今回のトピックはやや工学的で難しい言葉ばかりでしたが、何をここからしぼり出してほしいかと言うと、学生主導のプロジェクトでもNASAや国の防衛省などと契約して大きな組織を変えていく力を持っているということです。
特にエンジンなどで何度も失敗し改善策を生み出してきた結果、こういった風に注目されるまでになったのですね。
学生時代、時間があるからこそ没頭できることもたくさんあります。諦めなければあなたも大きな組織を変えていけるようなインフルエンサーになれるかもしれません。
(参考:Tiny Ion Thrusters May Get Student Time Capsule to Mars)
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!