今回ご紹介するTEDトークでは、心理学者であるショーン・エイカーが「幸福と成功の意外な関係」について話してくれました。
「幸福になるにはポジティブになることだ」と、よく言われます。ポジティブな考え方を持つことや、ポジティブな発言をすることなどが成功への方法として挙げられてます。
しかし、私たちはその理由やその方法についてあまりよく知らないと思います。
「ポジティブな脳が及ぼす影響」に加えて、「ポジティブな脳の作り方」について私たちが本当に理解して初めてポジティブが成功につながっていくのではないでしょうか。
そこで今回は心理学者である彼のトークから例を紹介しつつ、ポジティブと成功の関係に迫っていきたいと思います。「ポジティブの反対は?」と言われて思い浮かぶのは「ネガティブ」ですよね。実にシンプルです。
ではまず、ネガティブなことばかりをインプットするとどうなるか、彼の例を使って見てみましょう。
身近な例でいうとニュースがあります。 殺人事件、強盗、汚職、自然災害などたくさんのネガティブなニュースであふれていると、あたかも世の中が嫌なことばかりだと思えてきます。
これが「医学部症候群」と呼ばれるものです。この言葉の由来は医学部の学生が病気について研究していくとだんだん自分もそれらの病気にかかっているのではないか、と錯覚することからきています。
つまり、ネガティブなものに囲まれていると自分もネガティブなものなのだ、と脳が錯覚するということなのです。
このように脳を使った影響は医学部症候群だけではありません。
みなさんは「平均」という言葉をよく耳にしますよね。
病気などでどこかを悪くした時にとりあえず平均値まで戻そうとしたり、テストで点が悪いときもとりあえず平均点まで戻そうとしたり・・・
平均というものはいつしかポジティブなものとして捉えられてきています。 しかしお気づきのように、平均は平均でしかなく、実はポジティブな要素を打ち消してしまっているのです。 (平均より上にポジティブがあるのに、人々は平均を目指す。)
この人々の行動の背景には、科学者たちが絡んでいると彼は指摘します。 彼らにとって一番良い研究結果を得るために統計方法やターゲットなどを少しずつ変えていくそうです。
こういったように、「平均」や他のデータをものさしにして世界を見ることも、また脳が与える影響のひとつなのです。
ここまでで分かったことは「必ずしも現実が私たちを形作るのではなく 脳が世界を見るレンズによって私たちの現実は形作られるということ」です。
よく人は、その人の周りの環境を見るとその人の幸福具合を理解できると思っています。(良い学校に行っているから幸せだろう、いい会社に就職したから幸せだろう、など)
しかし、ショーン・エイカーが指摘したのは「周囲の状況から幸福かどうか判断できるのはたったの10%ぐらいである」ということでした。
では残りの90%はどうやって判断するのでしょう?
もうお分かりの方もいらっしゃると思いますが、残りの90%は「脳が状況をどう処理するか」ということなのです。
そしてそのように脳が「ポジティブだ」と判断するときは、脳が「ネガティブだ」と判断するときや「ストレスだ」と思うときよりもよく機能するといいます。
つまり、脳が状況を「ポジティブ」だと捉えるとネガティブなことやストレスをそんなに感じなくなるということだと彼は言います。
ここまで「ポジティブ脳」の良さを伝えたところで、みなさんが思っていることはひとつだと思います。 どうやってポジティブな脳をつくるか?ということですよね。
まず、彼が言うには「ありがたく思うことを毎日新たに3つ書く」ことが大事だそうです。これを21日間続けると、世の中にポジティブなものを見つけようとするパターンが見つかるそうです。
そうすると1つ1つのことに集中でき、それに対して感謝の気持ちも生まれ、脳が「幸せな環境にいる」と認識することで幸せにつながるのです。
脳の影響は良くも悪くもわたしたちにたくさんの影響をもたらすことがわかりました。そうなれば彼が言ったようにポジティブなことで脳を満たし、自分たちの人生にいい影響をもたらしていきたいですね。
・The happy secret to better work By Shawn Achor 「幸福と成功の意外な関係」By ショーン・エイカー
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!