【健康】自分の体と真剣に向き合ってみませんか?

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秋山芽里(あきやま めり)さん―立命館大学法学部3年生

小野さん3彼女には今向き合っているものがある、それは卵巣ガンである。 体調の異変に気付いたのは2014年の5月。最初の症状は精神不安定、生理不順。そして同年8月初旬に腹部に違和感を覚えた。はじめは便秘かなと思い気にも留めなかった。今まで大きなけがや病気をしたことがなかったからだ。そのため「まさか自分が病気になるわけがない。」と思っていた。時が経つに連れて下腹部は膨れ、数週間で妊婦のような大きさにまで膨れ上がった。さすがにおかしいと感じ病院に向かった。いくつかの検査を受けた結果、彼女の卵巣には長辺20センチの腫瘍が出来ていた。すぐに手術をし、左卵巣と体網を摘出した。 小野さん4腫瘍解剖の結果、彼女は「未熟奇形種(grade2)」という珍しいタイプの腫瘍であったことが判明した。悪性の未熟奇形種のグレードには3段階あり、grade1はガン細胞が卵巣の皮膜の中に溜まっている状態であり、外科手術のみで悪性の部分を除去できるため、抗ガン剤治療は必要ない。しかし、彼女の場合、grade2の上に卵巣の皮膜が破裂してガン細胞が卵巣の外に弾け飛んでいる状態であった。その上、骨盤内膜や膀胱と子宮の間、右卵巣周辺への細かい転移も見られたので抗ガン剤治療が必要であった。 卵巣は生殖機能に関わる大切な器官である。彼女の場合、2つある卵巣のうち1つは残っているが、抗ガン剤治療で正常な卵巣にも悪影響を及ぼす可能性があり、将来は子どもを産みにくくなるかもしれないと医師に告げられた。 「なんで私なの?」そう考えられずにいられなかった。子どもを産むのが昔からの夢だったからだ。たくさん泣いた。情緒不安定になるときもあり、周囲の人に当たることもあったと言う。 現在は「私なら頑張れるから病気も私を選んだんだろうな。」と思えるようになった。しかし、最初に思ったときの気持ちは忘れないように心がけている。自分の中に強い気持ちだけではなく、そのような弱い気持ちもあることを覚えておくためだ。そして、大切な友人とは「神様は乗り越えられる試練しか与えない。だからお互い頑張ろう!!」そう約束した。

小野さん2友人や家族以外に現在彼女の支えになっていることがある。それは大切なパートナーと始めた、タイダイ染めショップ・染物shop”IMP”である。主にパートナーがデザイン・染色担当、芽里さんが色合いを考えている。「タイダイ染めのことを考えている時は病気のこと考えなくて済むから、そのための道具に使うこともある。」と彼女は言う。病気との向き合い方にもコツがあるようだ。パートナーが芽里さんのために染めたパーカーは彼女を大変勇気づけた。

彼女はBEP療法という3週間1セットになっている治療を3回行った。彼女の場合3種類の抗ガン剤をこのコースで使用した。抗がん剤の副作用で味覚障害が出たり、吐き気が止まらなかったりと辛いときもあった。特に副作用で髪の毛が抜け始めた時は怖くてシャンプーが出来なかった。しかし、その後はどういう帽子をかぶろう、どういうウィッグにしようということを考えたという。おしゃれが大好きなところは病気になっても変わらない。「病気になったからといっておしゃれが出来ないわけでないので、前までかぶらなかったキャップやニットなど帽子もありかなと思える。今しかできないこと、今だからできることをしよう。」と彼女は話す。

今できることとして、彼女は病気になった経緯や卵巣ガンのことをFacebookに投稿している。書いてみると頭の中が整理でき、自分を保つこともできるという面もある。しかし一番の理由は他の人に自分と同じようなことが起きてほしくないという思いだ。彼女の腫瘍はここ最近でできたものではないと医師に告げられた。もし検診に行っていたらもっと早くに発見出来ていたかもしれないと考えずにいられなかった。 だから彼女は子宮ガン検診を受けに行くことを強く勧める。日本では20歳以上の女性に子宮ガン検診の案内書が送られてくる。特に子宮頚ガンは20代~40代の若い女性に急増しており、女性特有のがんの中での発症率は乳がんに次いで第2位、20代から30代の女性が発症する全てのがんの中で第1位を占めている。検診を受けることで早期発見、早期治療ができる。 子宮ガン検診には「内診」という検診がある。この言葉を聞いたことがある人は多いが、実際どのようなものか知らない方が多いだろう。内診では医師が器具や触診で子宮頚部や膣の内部に出血の有無やびらんなどがないか調べる。内診台には下着を脱いで横たわる。医師とはカーテンで仕切りがしてあり、直接医師と目を合わせることはない。内診を初めて受けた彼女は「屈辱的だった」と話す。やはり、恥じらいもあるし膣内に器具を入れられるのは気持ちのいいことではない。彼女はFacebookでも内診のことを具体的に書いている。書いたうえで、子宮がん検診を受けることをやはり勧める。ただ検診に行って、内診を受けて心に傷を受けてしまうことを防ぐために敢えてリアルに書いた。 以下のような症状に思い当たる人に一度検診を行くことを彼女は強く勧める。

・お腹に違和感がある ・便秘がち ・生理不順 ・生理のとき以外の不正出血 ・情緒不安定 ・親族に婦人科系のガンにかかった人がいる

産婦人科の医師は「子宮ガン検診に行って卵巣ガンが見つかるケースは稀であるが、とにかく子宮ガン検診の案内が来たらすぐに検診に行くことを勧める。」とのこと。

小野さん1彼女はこれからも病気と長い付き合いになる。毎月検診に行かなければいけない。病気と付合っていくためにはお金もかかる。だから、将来は経済的に自立した女性になりたいと話す。自分のことは自分でやりたいと。いつ働けるようになるか分からないが、手に職つけたいと熱く語ってくれた。

健康が当たり前だと考えがちな私たち。一度自分の体と真剣に向き合ってみませんか。

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この記事を書いた学生ライター

Kyoka Ono
Kyoka Ono
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身長146cmのためよく中学生と間違われるJ-POP好きの大学生。現在はロシア・サンクトペテルブルク大学に留学中。小学2年生~4年生を南米・ボリビアのラパスで過ごす。外交官に薬剤師にアナウンサーと昔はなりたいものがたくさんあったが現在は模索中。ただ学生のうちにもう一度ボリビアを訪れたいという夢を持っている。

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