GとL 変わる大学の役割

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G型とL型とは

10月7日に開かれた文部科学省の有識者会議で、高等教育機関の方向性を示す資料が明らかになりました。この資料では日本の大学を「G型」と「L型」の2タイプに区分し、L型の大学を職業訓練校化する方針が提案されました。

資料では、日本の労働生産性が多くの分野で欧米諸国に比べて低いことを挙げ、生産性向上のためにトップ校以外の大学を職業訓練校化する議論が必要とされています。トップ校を「グローバル」=G型、それ以外を「ローカル」=L型とし、文科省はL型大学では学問よりも実務的な内容を重視して教えるべきだと主張しています。資料ではどの大学をG型もしくはL型に分類するか、明記はされていません。方針には賛否両論が起こっていますが、中には「文系大学・学部」の在り方と絡めた意見もあります。

10月初め、神戸大学が文系2学部の再編を計画していることが報道されました。国際文化学部と発達科学部を2017年度以降に統合する方針で「グローバル人材」の育成を狙いとしています。また、文部科学省が9月末に選定した37の「スーパーグローバル大学」では選定理由の多くが理工系の研究によるもので、「文系軽視」を批判する声が根強く残っています。

就職活動への影響

GとLの区分が採用されれば、新卒採用と大卒資格を基本とする日本の就職活動にも大きな影響が見込まれます。大学時代の勉学より実務を優先する、いわゆる「即戦力」重視の企業は、G型よりL型を優遇する可能性も出てきます。一方、G型出身者の思考力や問題解決能力を求めて外資系企業やコンサルティングファームの採用はいっそうG型に偏るという見方もあります。

現在はあくまで方針に留められていますが、少子化による大学入学者数の減少や博士号などの学位認定とも関わり、単純に答えを出せる問題ではありません。慎重な議論とともに、学生自身も大学に在籍する意味を再考する必要が生まれています。

この記事を書いた学生ライター

Satoshi Tazoe
Satoshi Tazoe
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政治経済からスポーツまで、興味は幅広く。主にカメラマン、社会系のライターとして活動中です。

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