ーー古田さんの転機となったCAMPHOR-(カンファー)さんへ入られた経緯を教えてください。
知ったきっかけはTwitterです。CAMPHOR-に入っている1つ年下の文系学生が、大学での履修登録を簡単化するWebサービスを立ち上げていて、それをTwiitter経由で知ったのですが、素直に「すげぇな」と思いました。1つ年下の学生に負けてられないなと思いつつ、その学生のプロフィールを見るとCAMPHOR-と書いていたので、すぐさまGoogleでCAMPHOR-を検索しましたね。それまで何も活動していなかった自分が悔しかったですし、負けず嫌いな性格もあって、まずは足を運んでみようと思って参加しました。そこは京都の町屋の一室を借りていて、そこでメンバーが集まってサービスやアプリを開発していました。作りたいと思ったものを実際に作ってしまう彼らが恰好よくみえました。そこで自分もやってみたいと強く感じました。大学3年という中途半端な時期に入っても歓迎されましたし、行くたびに知らないメンバーがいるので、とても刺激的でしたね。
ーーCAMPHOR-さんでは具体的にどんな活動をされていたのですか?
僕はiPhoneを持っていたので、まずiOSアプリの開発を始めました。よく勉強会を開いていて、メンバーが自分の技術を発表して学んでいました。マイクロソフトさんやサイバーエージェントさんなどの協賛もついているので、社員の方を読んでハッカソンも開催していました。開発場所を提供している団体なので、イベントを開催したり、皆で集まってサービスやアプリを作ったりしていましたね。エンジニアになりたい人やアプリを作りたいという人にとってはCAMPHOR-に行けば世界が変わると思います。
やはりモノづくりという点です。僕は工業高校出身なので、昔からモノづくりが好きでした。高校時代は手を動かしてアナログなモノづくりをしていました。その頃は映像を作るのが好きで、映像の学校に行くことも考えていたくらいでした。iOSアプリを作ろうと思ったのは、やはり自分の作ったものを誰かが見てくれる場所がある、AppStoreというプラットフォームがあるという部分ですね。あとはお金を稼げるという部分です。個人でアプリを出して稼いでいる人もいますし、プログラミングの可能性を感じてワクワクしましたね。
ーー古田さんにとってのモノづくりの魅力は何ですか?
コーディングが好きという人もいると思いますが、僕はそうではなくて、自分が作ったモノを誰かが使って笑ってくれたり、面白いと言ってくれたりして喜んでもらうことが一番の醍醐味です。コーディングも好きですけど、魅力の本質はそこにあるのではなくて、誰かが喜んでくれることで自分が認めてもらえるというのが魅力ですね。
ーーモノづくりが好きになった経験は何でしたか?
工業高校に入ったのも、潜在的にモノづくりが好きだっただけで、これといった経験はないですね(笑) 高校時代に戦隊ヒーローの衣装を本気で材料にもこだわって作ったことはありましたね。ヒーローショーをやったらかなりウケてNHKにも取り上げられました。 開発でいうと、DMTCさんの長期のハッカソンで作ったアプリが評価されて、メディアに掲載されたことはすごく嬉しかったですし、改めてモノづくりの楽しさを感じた瞬間でした。
ーーそのDMTCさんのハッカソンで、どういうところが楽しかったのですか?
チーム開発です。一人でも作れるとは思いますが、複数人のチームでアプリを作るのがアツいですね。自分の技術じゃ出来ないようなモノを作れますし、その過程で色んな人の技術を学べます。基本的に開発期間は限られているので、一人で出来ることって少ないです。一人じゃできないものを複数人で作ることでより優れたプロダクトを作れると思います。分担して作って協力する感じも楽しいですね。その期間中はずっとメンバー3人で毎週Skypeミーティングをして開発していましたが、そのプロセスといいますか、試行錯誤しながら皆で開発するのが楽しかったですね。
ーー古田さんはチーム内でどういう風に貢献していたのですか?
その時はそれほど技術力がなく、インプットのほうが大きかったですね。1つは、振り分けられたタスクを完璧にこなすという部分ですね。あとは自分に素直になることです。見栄を張らずに分からないところは、きちんと聞くということが大事でしたね。デザインは僕は好きなので、UIの設計は積極的にやっていましたね。
重要視していたのは環境です。どんな人が働いていて、どんなオフィスで、という部分ですね。仕事をする上で1人で開発するということはないので、周りの環境はかなり調べました。 もう1つは自分が成長できる企業ですね。色んな経験ができると言いますか、若手だから「この範囲までの仕事しかさせませんよ」という制限がない企業ですね。自分の頑張り次第で仕事の幅が広がって、裁量に制限がないところを探していました。ですので、ベンチャー気質のある企業しか見ていなかったですね。
ーー古田さんはどんな業界・企業に興味を持たれていたのですか?
BtoCのサービスを作れる企業です。そもそも僕のモチベーションは自分が作ったサービスで人を喜ばせることなので、自然とBtoCのITベンチャーになりましたね。ユーザーを対象にしたほうが生の意見が飛んできますし、評価がリアルにフィードバックされるので、その点がいいですよね。そういう点ではまさにソーシャルゲームが当てはまっていました。
ーーBtoCのサービスを作っている企業の中で、なぜコロプラさんを入社先に決められたのですか?
僕は逆求人を使って就職活動をしていたので、そこで人事の方と話して「君いいね」とプッシュされてオフィスを見に行かせてもらいました。僕は「エンジニアだからコーディングしかしない」というのが嫌な性格です。デザインもやりたいですし、プランナーともディスカッションしたいです。コロプラは業種の垣根がないというか、本当に皆でモノづくりをしているというスタイルで、業種にとらわれてなかったので、そこに惹かれましたね。直感でしたが、ここでモノづくりをしたいと思いましたね。だからあまりゲーム業界に行きたいという目的でコロプラを選んだわけではないですね。 そこでコロプラを知って、コロプラのゲームをし始めましたが、アニメーションや演出の細かいところまでユーザーを楽しませようとこだわっていると感じました。面白さを追求していて、それがかっこいいと思いましたし、僕がモチベーションを感じるところと一致しました。それでコロプラに行こうと決めました。
ーー逆求人の就職活動について詳しくお聞かせください。
サポーターズさんというサービスを使わせて頂いていました。サポーターズさんのいいところは関東に地方から学生を集めるという理念があって、交通費を出して頂いて東京のイベントに呼んでくれます。1対1で学生が企業にプレゼンする機会を設けて頂いて、1日でITベンチャー20社以上にアプローチできて、人事とじっくり話せます。そこで気に入ってもらえると、企業側から食事に誘われたり、「オフィスに遊びに来て」と言われたりしますね。プレゼンでは自己PRをパワーポイントのスライドにまとめて、経験したインターンのことや作ったアプリなどについて話していましたね。
ーー古田さんの将来のビジョンを教えてください。
任天堂と言うとマリオなどのキャラクターを想像できると思いますし、任天堂が出すゲームは面白いよね、という皆が期待するようなブランドがあると思います。そういったコロプラのブランド、「コロプラのゲームは○○」というポジティブなイメージを確立したいですね。 あとは、少人数チームで開発するので、よくディスカッションすると思いますが、他のチームのメンバーが賛同していて、自分が納得していない状況でも、自分が納得するところまで議論していきたいですし、面白さに妥協せずに働いていきたいですね。ユーザーにとって新しい体験を与えたいですし、ゲームをきっかけに人の生活を変えるようなゲームを作りたいです。
ーーエンジニアを目指したいと思うものの、まだ踏み出せていないような学生に何かアドバイスをお願いします。
外の世界に出ることが大事だと思います。僕の場合はエンジニア向けの学生団体に行くことでエンジニアの魅力が分かりましたし、コネもできました。プログラミングを支援している団体はたくさんありますし、勉強会のようなものも頻繁に開かれているので、そういうところに顔を出すことも1つの方法だと思います。 あとは友達を作ることですね。同じ思いを持っている人がいれば、その人と一緒に勉強して時にはアプリを作っていけばいいと思います。周りを巻き込むことは大事だと思っています。僕の場合はインターンに参加して仲間ができたことが大きかったですね。まずは、お金目的で始めるのもアリだと思います。先にゴールを決めることですね。 僕が参加していたインターンに関しても、開発経験がない人でも選考に受かっていますし、ガンガン受けて欲しいですね。技術力がないという理由でインターンに行かないのはもったいないですね。一歩踏み出せるかどうかです。突っ込んで無理やり環境を作ってしまえばいいと思います。準備している時間がもったいないです。始めてみるとそこまで難しくないなと感じると思います。