今回は、実際に人事として数千人の学生を見てこられた木村さんに、今の学生の現状、そしてサイバーエージェントとして求める人材について取材しました。
色々な共通項がありますが、大きく分けると三つほどあると思います。
野心がある
1つ目は、野心があるかどうかです。 性格的に、そうした野心を表に出す人と出さない人がいると思います。ただ、自分はこういう事をやりたい、こういう事を成し遂げたい、と周りにアピールするのが上手かったり、周りを引き込むのが上手い人ほど、チャンスを掴みやすい環境を自分で作っているなと感じます。
実行力がある
口だけではなく、きちんと実行に移しているかという事が、野心の次に大事なところです。仕事を任せたときに初動が早い人は、この人に任せたらとりあえず何かやってくれるだろうという期待を持てます。そういった人もチャンスを掴みやすいですね。
成果が出せる
そしてやはり最終的には成果を出せるか、というのは重要です。 内定者の段階では分かり易い成果を出すのは難しいと思うので、まずは自分の野心をしっかりアピールする事、また、学生時代でも出来ることを行動に起こしているかが大事だと思います。「野心」「行動」「結果」この3つを兼ね備えている人は成長が早く、若い時から活躍しています。
自分で決断する能力
今は情報過多な時代で、いち就職活動においても多くのメディアから多くの情報を取得できる時代です。その中で、自分で決断するという決断力が問われてきていると思います。 就職活動においても受け身になってしまう学生が少なくなく、「先輩にこう言われたから」「ネットにこう書いてあったから」など様々な情報に流されてしまっています。 就職活動というワードで急に意識が高まる三回生、M1の学生は、急に就職活動やらないといけない、と焦ってしまい、やはり多くの学生が内定がゴールになってしまいます。内定を取るにはどうすればいいか、という思考になってしまっています。それは、とてももったいないことだと思います。将来自分がこうしたいというビジョンから逆算し、そのために入社する企業を選ぶ、という思考になるべきです。ビジネスという観点から、自分のビジョンやキャリアプランに向き合うことが大事なのではないかと思います。
就職活動を利用する
自分の人生なので自分で決断すべきなのに、就職活動というものに惑わされてしまい、ありふれた志望動機を並べてしまう学生が多いという印象があります。今の時代は、企業と学生との距離が近くなっているので、それを上手く利用して、SNSなどを使って人事の担当者と会ってみたりするのが良いと思います。就職活動というのは、どんなビジネスパーソンがどのように働いているのかを、たくさんの会社に実際に聞くことができるいい機会です。就職活動をもっと利用して楽しむべきだと思います。
やって来た事の大小ではない
面接でも、学生がよく心配しているのが、「自分はすごい事をやってきていない」という事です。「私はサークルしか、バイトしか、部活しかしていなかったからどうしよう」と悩んでいる学生が多いですが、インパクトがあることをやってきたかどうかは重要ではないです。自分でやると掲げた目標に対して、いかにやりきっているかどうか、そのための努力をしたかどうか、という所を見ています。 そういった観点で面接をしていると、「●●の代表をしていました」という人でも、実際は本人の意志ではなくやらされていただけだったり、代表という名ばかりで何もしていない人もいます。 “バイトしかしていなかったです。”という学生でも、自分が働く中で立てた目標を持っていたり、バイトという立場で自分は何が貢献ができるかという視点を持って考えて行動している人もいます。また、何かを最後までやりきって結果を出している人であれば、一緒に働く事をイメージしたときに、今は仕事の知識がなくても最後までちゃんと頑張ってくれそうだな、諦めずに努力してくれそうだな、と想像できます。
愚直に向き合ってやりきれるか
我々の業界は、ITや広告など一見華やかに見えるかもしれませんが、世の中にアウトプットするまでの過程はとても泥臭く地道です。そのため、インターネット業界の知識があるということよりも、物事に愚直に向き合って最後までやりきれるかという事がとても大事です。また、たとえ頭が良くてもチームプレーができなかったり、一人よがりになってしまうと組織で成果を出すことは難しいと思います。ですので、一概に能力値だけで判断しているわけではないです。