社会貢献は“楽しさ”から始まる。食事を通じて「子どもの貧困」を救えるグルメアプリって?

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伝統的な歴史ある企業が、新しいことに挑戦し続けるのは難しい。今うまくいっている事業があれば、その事業を続けたほうが短期的には利益が出るからだ。それに、挑戦は成功するかどうかわからない。むしろ、失敗することのほうが多いかもしれない。

40年間、読売新聞販売店のシステム開発を担当してきたユニコム株式会社は、2017年に社会貢献型のグルメアプリ「エシカルミン」をリリースした。「自社事業に取り組むのは、全く未知の世界でした」と、ユニコム代表取締役 町田達彦氏が語るように、そこには数多くの困難があるだろう。

なぜ、ユニコムは新しく自社事業に取り組む決断をしたのだろうか。社会貢献型グルメアプリ「エシカルミン」を通じて実現したい社会像について、町田氏に話を伺った。


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社会貢献型グルメアプリ「エシカルミン」

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「エシカルミン」は、個人飲食店をターゲットにしたグルメアプリだ。現在は、ユニコムが本社を構える所沢市や川口市の飲食店を中心に導入が進んでいる。ユーザーはエシカルミンのアプリで飲食店を検索し、アプリを利用することでポイントを貯めることができる。例えば、提携先の飲食店でもらえる応募券付属のQRコードを読み込んだり、提携先の飲食店を利用した際にグルメレポート投稿したりすると、ポイントが貯まる。

アプリには「ハッピートス」という機能がある。「素敵なお店ですごしたハッピーな気持ちを、みんなにおすそ分けしてハッピーの輪を拡げよう」というコンセプトで、同じお店を利用したことのある別のユーザーに、今の気持ちと共にポイントを贈ることができる。これを「ハッピートス」と呼び、トスした人も受け取った人もポイントを貰うことができる。

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ユーザーはこれらのアクティビティを通じてポイントを貯め、そのポイントが一定数を超えると、豪華賞品が当たるプレゼントキャンペーンに応募できる。

ユニコムでは、エシカルミンで得た収益の一部を「子ども食堂」に寄付している。子ども食堂とは、貧困家庭や、親が共働きで孤食の多い子どもたちに無料もしくは安い価格で食事を提供する取り組みのこと。ユニコムでは川口市の子ども食堂と提携し、子どもたちがご飯を食べられるサポートをしている。

社会貢献を多くの人に広めるためのアプローチとは?

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エシカルミンは単なるグルメアプリではなく、社会貢献型のグルメアプリだ。町田氏はなぜ事業の収益を「子ども食堂」に寄付し、「子どもの貧困」という社会課題に取り組もうと考えたのだろうか。

数ある社会課題の中でも、子どもの貧困を解決したい。そう思うようになったのには、理由があった。

町田:ある日テレビをつけていると、虐待によって亡くなった子どもたちの特集番組がやっていました。自分と同じ世代で、親になった人たちによって、子どもが命を奪われている。そんな現実を知り、とても心が苦しくなって、いてもたってもいられなかったんです。自分はせめて子どもを救うようなことができないかと、その日から考えるようになりました。

子どもを救うためのアプローチを見つけたのは、ほんの些細な出来事がきっかけだった。町田氏はある日、家族で外食に出かけていた時に、自身の息子と次のような会話をしたという。

町田:息子が「お腹減ったからご飯食べたい」と言ったんですね。それに冗談で「お父さんの会社が潰れてしまったら、ご飯が食べれないんだよ」と返したんです。すると、子どもがすごく悲しそうな顔をしてしまって。その時、僕自身も気づいたんです。子どもにご飯を食べさせてあげられない親の苦しみは、とても大きいものなんじゃないかって。

「ご飯を食べられない子どもを少しでも減らしたい」そんな想いを形にするために、町田氏は様々な方法を模索することになる。その中でも、特に大切にしていたのは、「子どもの貧困を解決するために助けて欲しい」と直接的に伝えないことだった。

町田:「ファストファッションのブランドで洋服が安く買える裏側には、バングラディシュの悲惨な生産工場がある」と社会の課題を提起する人たちも、 正義感では続かない、「楽しく」ないと続かないと言っていました。「楽しさ」が原体験になれば、多くの人を巻き込めるはず。その人にとって利益になるサービスを提供して、その人が気づかないうちに社会貢献できる。そんなアプローチで、子どもの貧困に取り組みたいと考えました。

町田氏のこの考えは、アプリのデザインや使用されているキャラクターにも現れている。意図的に柔らかいデザインにしているのも、可愛らしいキャラクターを使っているのも、まずは「社会貢献」を意識せずに、アプリを気軽に使ってもらいたいからだ。

エシカルミンが、お客さんとのコミュニケーションの起点になる

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そんなエシカルミンは、実際に店舗でどのように活用されているのか。「エシカルミンがお客さんとのコミュニケーションの起点になっている」と言ってくれている飲食店も少なくないそうだ。

町田:お店の方に話を聞いてみると、エシカルミンがお客さんに声をかけるきっかけになっていると教えてくれて。エシカルミンの懸賞には旅行のチケットなどがあるので、「普段旅行はどちらに行かれるんですか? もしよろしければ、エシカルミンを使えば抽選に応募できるんですよ」とお客さんに話しかけているそうなんです。

飲食店で、領収書を書いてもらったり、クレジットカードの認識中の沈黙が気まずいと感じたことがある人も多いはず。手持ち無沙汰な時間を有効活用するために、エシカルミンのパンフレットを渡したりと、お客さんの飲食店での体験をより良いものにする目的でエシカルミンは使われている。

エシカルミンを使用しているユーザーからの声も届いている。飲食店のオーナーの方に紹介され、エシカルミンのヘビーユーザーの方が会社に遊びに来てくれたことがあったそうだ。「飲みに行って、貯まったポイントで旅行のチケットが当たる、そんな夢があるのが嬉しい」と伝えてくれたという。

町田:その人は全く社会貢献に関心はなかったんですけれども、アプリをよく使ってくれていました。世の中の多くの人を動かすためには、社会貢献になるという部分を訴求しないほうがいいと考えています。その人に何かしらのメリットがあるから、その人が動いてくれるほうが健全だと思うんです。

混沌の中から”楽しさ”が生まれ、それを多くの人に広げていきたい

徐々に導入先も広がり、ユーザーも拡大中のエシカルミンだが、そのプロジェクトチームの立ち上がりは必ずしも順調と言えるものではなかった。ユニコムはもともと読売新聞販売店のシステム開発を担当していた企業。社員が20名ほどしかいない中で、最初から新規事業の専任者を決めることは難しい。エシカルミンは最初、社内メンバーの”寄せ集め”でスタートした。

現在エシカルミンのデザインを担当している中村氏は、もともと新聞システムの営業を担当していた。ある時、町田氏から「絵を描ける?」と声をかけられて、いつの間にかデザイナーに転身していたという。

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中村:もともと絵を描くのは好きだったんです。でも、仕事で絵を描いたことはないし、会社に入った時はパソコンすら使えなかったので、絵を描くソフトすら使いこなせない(笑)。最初は色鉛筆でエシカルミンのキャラクターを描いていて、徐々にAdobe系のソフトとタブレットで、描けるようになっていきました。

今でこそ笑い話になるかもしれないが、プロジェクトが立ち上がった当時は、その方向性を定めることですら大変だったそうだ。

中村:昨日言っていたことが今日になって覆ったりと、最初は混沌としていました(笑)。徐々にチームで一緒に取り組んでいるうちに、それも楽しくなってきて。”やらされている仕事”ならば、「また方針が変わったのかよ」とやる気が削がれてしまう可能性もありますが、自分たちがやりたくて取り組んでいる仕事だったので、変わる度に結束して前に進もうと思えたんです。

そんなエシカルミンのプロジェクトチームだが、今後はどのような方針でアプリを開発していくつもりなのだろうか。

中村:まずはエシカルミンの輪に参加してくれる飲食店の方に喜んでもらいたいですね。飲食店の方が喜んで使ってくれるからこそ、お客さんたちも喜んでくれる。でも、彼らに喜んでもらうためには、まずは私たちが楽しく仕事をすることが大事だと思っています。みんなが楽しく、喜んで社会貢献できる社会を目指したいですね。

「お祭りのような楽しさを、多くの人に広げていきたい」町田氏はエシカルミンの目指す道をこのように語ってくれた。作る人間が楽しいと思っていなければ、その楽しさは世間に伝わらない。まずメンバーがエシカルミンのプロジェクトを楽しむことから、社会貢献の輪は広がっていくのだろう。

熱狂の中で様々なことを経験しながら、成長できる場を提供したい

ユニコムでは、エシカルミンを一緒に育てていく仲間を募集している。まだ明確にこれといった業務は決まっていなく、立ち上げ期ならではの”お祭り”感の中で、様々な業務に取り組むことになる。「自身が困難にぶつかって、努力する場を提供したい」と、町田氏はインターン生を採用しようと思った意図を教えてくれた。

町田:世の中で新しいことに挑戦するのは、いつも若い世代です。若い世代がこれから挑戦していく時の、経験値を積む場としてユニコムを活用してもらいたい。なので、結果よりも努力を見たいんです。「できないこと」を責めるのではなく、できなかった時はきちんと振り返りをして、次に活かしていく。そのプロセスの中で、こちらから指示を出さなくても、主体的に動くためにはどうすればいいのか、考えられるようになるはずです。

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中村:まずは素直に何事にも取り組んでみることで、仕事の楽しさもわかってくると思うんです。経験を通じて様々なことを学び、その学びをまた次に活かしていく。学生の方のそんな成長に寄り添えると良いなと思っていますね。インターンでの成長経験は、きっと他のことにも活かせるはずで、楽しみながらまずは挑戦してみることを大切にしてほしいです。

町田氏は学生時代からユニコムで働き、入社したという経歴を持つ。だが、インターン生にも同じようなコミットを求めるつもりはなく、むしろ「大学生活を楽しんでほしい」とメッセージを送ってくれた。

町田:インターンに夢中になって、大学の勉強や遊びを疎かにしてほしいわけじゃないんです。仕事だけが人生とは思っていなくて、勉強や遊びと両立させるバランス感覚が大事ですね。のめり込みすぎないで、自分の人生での学びを持ち帰る。そんな姿勢で一緒に働けると理想ですよね。

何かひとつのことに打ち込むことも大切だ。だが、やりたいことが明確に決まりきっていない学生時代から、道を絞りすぎても良くないのかもしれない。自分の歩むべき道を探索できることこそ、学生の良いところだ。

町田:ユニコムでは初めてインターン生の方を募集します。きっとインターン生の方が入ることで、会社で一番年下の後輩にも先輩という役割ができる。そういった意味でも、いつも後輩がいる状態は社員にとっても好ましい状態じゃないのかな。お互いにギブアンドテイクの関係で、一緒に働いていきたいですね。

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