はじめまして。アメリカのワシントン州ベルビューにある、ベルビューカレッジに留学している木下佳栄と申します。ベルビューは、シアトルからワシントン湖を隔てた東部にある都市で、マイクロソフトやアマゾンなどアメリカを代表する大企業が多く存在し、ワシントン州で5番目に大きい街として有名です。
留学生活が始まって早4ヶ月が経過。北海道の小さな町で育ち、海外とは無縁の生活を送っていた私が、なぜ留学をしようと思ったのか…?今回の記事では、その経緯と留学先での学びについてお話ししたいと思います。
今は海外に出る機会を持てた私ですが、幼い頃は海外に出ることは愚か、まさか自分が留学するなんて思ってもいませんでした。
ただ、きっかけはひょんなことから。幼い頃に「仲間外れ」にあったことで、狭いコミュニティから飛び出してみたくなったのです。自分でも理由はよくわかりませんが、それまで仲良くしていた友人たちに嫌われてしまうという経験をしました。
その時に、自分自身を全て否定されたような気持ちになったんです。寂しさを感じましたが、同時に「それぞれ違ったバックグラウンドや性格を持った人達をどうして許容できないのか」という怒りに近い感情を持ったことも覚えています。皆んな違うのは当たり前なのに「どうしてそれを受け入れないのだろう?」と。
小さなコミュニティ内で違ったものを排除しようとする価値観に違和感を覚えた私は、もっと大きな世界を見るために「自分のコミュニティを変えよう」と決心しました。それが私の「外の世界を見たい」と思う想いの原動力となり、最初の転換点だったのは間違いありません。
幼い頃に感じた違和感は、私の学校生活も変えました。もっと広い世界を見たくて、中高一貫校に進学。自分の気持ちがますます海外へと向かった時期でもありました。
高校一年生の時に、イギリスから来た留学生と仲良くなったことが、第二の転換点。当時まだまだ英語がうまくしゃべれなかった私ですが、彼女は疎い英語にもしっかり耳を傾けて相手のことを理解しようとしてくれました。
特に衝撃的だったのは、こんな言葉。
「日本の学生はなんとなく大学を決めていることが多いみたいだね。でも私達はしっかりキャリアプランを決めて大学を選ぶよ。自分の人生がかかっているからね」
彼女との交流を通じて、私はこの世界の事・人をまだ全然知らないと気づきました。今そこで何が起きているのか、人々は何を思って暮らしているのか見てみたい...「もっともっと外の世界を見てみたい」という想いがさらに強まりました。
大学に進学してからは、海外に対する想いがより一層強くなりました。「AIESEC」という海外インターンシップを運営する団体で活動していたので、毎日海外の学生とSkypeをしてミーティングをするなど、すごく刺激的な毎日を過ごしていたんです。
そうして海外との接点を多く持つうちに、「自分もいつかこんな働き方ができたらいいな」と、将来のことを見出していきました。そして、2年生の終わりには、フィリピンの企業インターンを経験。想像する格差を目の当たりにして、改めて自分の無知さに気づき、最終的に留学を決意。自分の目で、知らない世界を見てみることにしました。
アメリカの素敵なところは、「人と違うことが良し」とされているところ。もともと移民国家でもあり、人種も宗教も違う人たちが集まって生活をしているので彼らにとっては当たり前の感覚なのかもしれません。 当たり前かもしれませんが、私にとってそれは大きなギャップでした。幼い頃に感じた「どうして違いを受け入れられないんだろう?」と言う疑問が解決されたように感じたのです。
アメリカの良い所の一つは、頑張っている人に対して優しい環境があり、失敗に対しても寛容な社会であることです。アメリカの根底の価値観でもある「みんな違ってみんな良い」、これはキャリア観にもかなり反映されているようで、誰かと違う事・新しい事にチャレンジする事は、彼らにとってはプラスのイメージなんですよね。
「違いを許容する価値観」が当たり前にあるアメリカにきたことで、たった4ヶ月でも自分の中にあった「生きづらさ」を打破できるような気がしています。