中国旧正月、友達同士でお年玉を送り合う?中国で超話題、お年玉について現地からレポート!

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「支払いはWechatで!」中国の首都・北京に2012年に移り住み、中国が物凄いスピードで進化していく様子を体感した樋口亜美さん。北京大学に通う樋口さんの視点から、中国のミレニアル世代の実態、そして変化する中国の今とこれからについて語ってもらいます。連載第3回目は、旧正月の「ちょっと変わった」中国ならではの“バズ”について紹介してもらいます!

过年好!(ゴーネェンハオ)皆さま、旧正月あけましておめでとうございます!

今年は、2月28日(土)が旧正月でした。(それからずいぶん経ってしまいました><)


中国では日本で祝う1月1日の元旦より、陰暦の旧正月を盛大にお祝いします。ちなみに私の通う北京大学では1月1日に期末テストがありました!春節は、しっかりお休みします。ほとんどの人が実家に戻りお祝いするか、海外旅行も盛んですね。そんな春節のお祝いの仕方もここ数年でネットが進化したことにより、ますます豊富になりました。

今回の記事では、注目度が高まる「春節のお祝い」についていくつかご紹介させていただきます。

1. ちょっと変わった新年のご挨拶

中国も日本と同様、「あけましておめでとうございます」と言う習慣があります。メッセージアプリのWechatが中国で普及し始めてから、毎年春節になると家族や友達、日頃お世話になっている人たちへ「あけましておめでとう」とメッセージを送ります。メッセージに関する機能は毎年バリエーションが増えていて「今年のバズ」を作り出しています。

今年のバズ①:ひよこが飛ぶメッセージ

Wechat上でメッセージを送る際、「鸡年大吉」(酉年が大吉になりますように)と送ると可愛いヒヨコが降ってきます。

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普段もハッピーバースデーと中国語か英語で打つとケーキが降ってくるんですが、春節はシーズン限定フィーチャーとして色々なものが降ってきます!(笑)

こちらは「财源滚滚」(お金よ、舞い込め!)

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「福从天将」(福、天から来れ!)

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「发年终奖」(年度末ボーナス下さい(笑))

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今年はこの4つが新しいバズを生み出しました!ユーザーを飽きさせない進化し続けるWechatを来年も注目したいですね!

今年のバズ②自分の名前入りスタンプ

皆さん、一人一人に「あけましておめでとう」と挨拶するのは、手間がかかって面倒だな、と思ったことありませんか?メッセージ上であけおめスタンプで送れたら便利だけど、そうは言っても心が全くこもっていない…。というそこのあなたを解決するのが、この自分の名前入りスタンプ!中国語も英語と文法ほとんど同じで、「私があなたにあけましておめでとう!」という風に言います。

なので、Amiからあなたに!というスタンプをWechat上で作れるんです!

私も色々な方からこの自作スタンプを頂きました!

2. お年玉奪い合い

・Wechatの红包(赤い袋=お年玉)

中国語では「お年玉」は「红包(ホンバオ)」と言います。このホンバオが春節の時期、特に新年の1日前の大晦日に数多く送られます。近年では、Wechatや決済サービスのアリペイ(Alipay)などがオンライン決済を導入してから、「オンライン上のお年玉」が生活の一部として浸透しています。友達にメッセージでありがとうという気持ちを伝える際に、様々な記念日、祝日に、お金の貸し借りに、と様々な場面で「お年玉」のサービスを利用します。

ここでポイントなのが、Wechatもアリペイも「財源はクレジットカードでなくてもOK」ということです。銀行の貯蓄口座と連携できるので、クレジットカードがなくても大丈夫。クレジットカードが普及していない発展途上の中国だったから、オンライン決済の導入と普及が急速に伸びたのだと思います。(ここは詳しくオンライン決済の記事で紹介させていただきますね!)

本題に戻し、このお年玉、今年の大晦日1日で何袋交換したでしょうか?

……142億袋です!

この数字は昨年の75.7%増だったそうです。中国の人口が14億人だとして、全員が10袋オンラインお年玉を受け取る&渡すしてもこの数には届きません。実際私も春節の大晦日、何袋やり取りをしたか数えてみると…32袋でした!(http://news.yesky.com/471/100463471.shtml

なぜエンゲージメント率がこんなにも高いのか。その背景には、春節にお年玉を送る習慣が元々文化として根付いていたこと、決済の方法がオンラインへ移行したことが考えられます。、その結果として、親から子だけではなく、同世代でも贈りあえるお年玉の新しい文化が構築されたのだと思います。

このようにお年玉が送られてきて....

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やっと取れました!(1円...笑)

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3. Alipayから全国民へのお年玉

数ある春節のお祝いの中でも、今年一番注目を集めたのが、アリペイの「五福活動」でした。このサービスは、アリペイアプリの「AR扫一扫」を開くと、ポケモンGOに似た周りの地図が出てきます。例えば、渋谷のスクランブル交差点にいたら、目の前に見えるTSUTAYAの写真を撮ります。オンライン上でそこにお年玉を隠せるのです。自分が隠したお年玉を他の人が探しに行く、もしくは他の人が隠したお年玉を探しに行くというサービスです。

このサービスがリリースした昨年の暮れはあまり流行っていなかった印象です。まわりで誰も遊んでいませんでした。

しかし、春節の「五福活動」でこの新しいサービスへの関心が一気に変わりました。アリペイが用意した5つの字体が違う「福」という字を探し出して、全部揃えた人には、アリペイから2.15億人民元=約45億円を均等に分けるという期間限定のサービスがリリースされたのです。この5つ揃えるのはかなり難しいのですが、最終的に79万人が揃えることができました。

この様に春節には様々なイノベーティブなサービスがリリースされ、ユーザーにとっては一番楽しい時期でもあります。春節は家族団欒、皆さん大切な人との時間をお過ごし下さい!

次回は、中国で一番ホットな学生スタートアップについて取り上げたいと思います!乞うご期待!

ザイジェン!


この記事を書いた学生ライター

Ami Higuchi
Ami Higuchi
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1995年1月東京生まれ。北京大学在学中。日中ハーフとして生まれ、日本、アメリカ、カナダ、中国で育ちました。人生の課題は、日本と中国、アジアの見えない国境をなくすこと。好きな中華料理は、トマトと卵の炒め物!中国のミレニアム世代、そして中国のこれからについて発信していきます!

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