セミナーのディスカッションでどうしても活躍したい!<フツーな私が国連職員になるために~英国大学院留学編Vol.6>

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ここからは正直にお話しましょう。

純ジャパ留学生の皆さん、グループディスカッションはお好きですか?

私はあんまり好きじゃありません!

日本語での議論なら嫌いじゃないのですが、言語の壁のために自分の力をフルに発揮できない無力感、それに伴う自分への嫌悪感と自尊心の低下…

アイディアはあるのに伝えられない、外国語で思考することにより頭の回転がぐんと遅くなってしまうもどかしさ。

あぁ…私ほんまはもっとできる子やねんで...とみんなに伝えたくなるあの感じ。笑

交換留学一年とイギリス院生一年目どころの経験じゃ、”グループディスカッション”と言われると、今だって一瞬身構えてしまいます。

そんな私ですが、イギリスの大学院ではレクチャーとセットで毎回一時間のセミナーが実施されます。セミナーでは教授と少人数の学生で、レクチャーについての疑問点や論点を扱い、理解を深めることが目的です。

教授によって異なりますが、二つに分かれてディベートのような形をとることもあれば、更に少人数のグループに分かれて議論することも、教授対学生で一斉に行うこともあり、その形式は様々です。

ひえーーー!と心は悲鳴をあげながら、それでも毎週セミナーやグループワークの時間はやってくるわけです。グループディスカッションは嫌いですが、でも正直に言えば、せっかくやるなら“活躍”したい!だってここで活躍できなかったら、いったい将来どこで活躍できるんでしょう。

ということで私とグループディスカッションの一学期間の奮闘を振り返るとともに、その中で少しでも掴んだグループディスカッションで活躍するエッセンスをご報告できたらと思います。

これから留学する、または留学中の皆さん、ぜひ一緒に考えてみてください^^

予習が命!クラスの誰よりも準備する。

もしあなたが日本の大学を卒業していて少しでも英語力に不安があるなら、
予習の勉強量で絶対に誰にも負けてはいけません。
私は、今クラスで誰よりも一番英語力が低い自信がありますが、同時に勉強量ではクラスの誰にも負けない自信があります。

予習の文献は無限にあるため、正直いって全部終えるのはほぼ無理ですが、そもそもイギリス人学生でも全部読んでくる人は誰もいないでしょう。

以前、6人だけの小さなクラスで、4つの事前課題全て少しでも読んできた人が自分しかおらず、セミナーの時間は私が一人でほとんど要約を担当したこともありました。

予習文献に書かれている主張を読み取り、批判的に考察する、疑問点を提示する、後述するように自分のバックグラウンドに特徴的な視点を提供する...

断言しますが、これらの準備は、英語力でも実務経験でも知識量でもなく、単純に”努力”で補える部分が非常に大きいのです。だからあなたにも絶対できる!必死に努力さえすれば、セミナーのディスカッションでは十分活躍することが可能です!

一番最初に発言しよう!

英国大学院留学編Vol.6 セミナーのディスカッションでどうしても活躍したい

http://www.facultyfocus.com/articles/teaching-and-learning/when-students-lead-the-discussion/

こないだ読者の方から「センター試験本番の英語のリスニングが28点だったというのを読んでとっても勇気をもらいました!!!」というメッセージをいただいたのですが、(そんなんで人に勇気を与えられるのなら何度だって言いましょう!確かに28点でした!!!)今でも私自身、リスニングは4技能のなかで一番苦手だなぁと思います。
特に授業中のディスカッションにおける学生たちの発言は、一言一句正確にききとれているわけではなく、前後のコンテクストとセットで理解している部分が大きいです。

自分以外の誰かが一番最初に発言した内容がよく理解できればその後の議論も難なくついていくことができますが、ここで理解が及ばないとその後のディスカッションには永遠と置いていかれることになります。

というわけで、自分から議論を始めるのが一番の策です。

…もちろん勇気がいるのはわかりますが、それでも一番最初に発言しましょう!

あなたから始めた議論、そこに乗っかる質問によって展開していく議論なら、理解度やその後の貢献度は劇的に違います。

ちなみに最初に発言するためには、予習段階で自分なりの事前課題についての理解とそれに対する疑問点や批判などをまとめて、英語で説明できるように一度頭の中でシミュレーションしておくことが必要だと思います。

現場主義であれ!

英国大学院留学編Vol.6 セミナーのディスカッションでどうしても活躍したい

学部2年生で東アフリカのウガンダを訪れたとき、フラっと立ち寄った市場で子どもたちと追いかけっこしまくって大はしゃぎ。中央で麦わら帽子をかぶっているのが私。

本で読む知識はもちろん大切ですが、自分で足を運んで得た経験だって同じくらい力があります。

ある日のセミナーのこと。アンゴラの難民についての議論でしたが、なんと私は事前課題を読み違えて全く違う本を読了してセミナーに臨んでしまったため、そうでなくてもついていくのに必死なグループワークに、ちんぷんかんぷんのまま臨むことになりました。

幸い難民はアメリカでも日本でも勉強していた分野であったため、専門用語は全て理解できましたが、なんせアンゴラの難民の具体的な状況についてはなんのこっちゃわかっていません。発言しなきゃ!と思いますが、いや、課題も読んでいなくて何を発言しましょう…?

ですがどうやら話しを聞いていると、アンゴラの地域の特殊性により、自分が今まで勉強してきた難民に関連する問題とは、全く異なる現象が起きているようでした。そこで、自分が実際に足を運んでみてきた、ヨルダンのシリア難民の状況と比較して話をしてみることに。

「ヨルダンに行ったことがあるんだけど、シリア難民の状況とアンゴラ難民の状況は三つの点において対照的で…」

と話し始めると、グループの半分は「なんで全く違うケースを持ってくるのか?」と正直あまり興味の無い様子でした。一方、もう半分は「とても面白い!」と興味を持ってくれ、そこから議論がどんどん発展しました。グループワークを見て回っていた教授も、「それは面白い視点だからぜひ後でクラス全体に共有してくれ!」と言ってくださり、それはまだ留学開始一月目で不安定だった私にとっては、とっても意味のある出来事でした。

ヨルダンにいったときについての記事は、こちらからどうぞ^^

私が見たシリア難民の今~シリア難民家庭ホームステイ記録~vol.2 | co-media [コメディア]私が見たシリア難民の今~シリア難民家庭ホームステイ記録~vol.2 | co-media [コメディア] 

自分のバックグラウンドに特徴的な視点を提供する

プログラムについての説明会で研究科長が言ったのは、「あなたたちは私たち教授から学ぶより多くをお互いから学ぶでしょう」という言葉でした。

様々なバックグラウンドのある学生をとるのは、それだけクラスに様々な視点をもたらせるからという意味合いが大きいです。

つまり、各学生にそれぞれのバックグラウンドに特徴的な視点を生かした発言が、クラスへの貢献として求められているということです。

私は、“世界から見て日本は変わった国・特殊な国である”という日本人論に傾倒しすぎるのはどうかと思う立場ですが、それでも平和構築分野において、日本人であるというバックグラウンドにも少しくらいはクラスに貢献できる特殊性があると思います。

例えば世界大戦ではファシズムの傾倒し西側諸国の敵であった一方、戦後西側陣営の一員に生まれ変わった日本は、西側諸国から見れば最も成功した平和構築の一例と言えます。

(これはもちろんドイツにも言えることですね)

”日本の平和構築はなぜうまくいったのか?”
セミナー中、クラスメイトにそんな質問をされることもしばしばでした。

また、先進国ながら独自の保守的な価値観(ここでは非西欧的価値観の意味で使っています)の色濃く残る国であり、その立場の微妙さは私自身不思議に感じることが多々ありました。

例えば、日本は経済発展の意味では先進国ですが、死刑制度の保持や男女不平等をとってみても、人権分野では西欧社会的には先進国とは言えないでしょう。(あくまでも西欧社会的にはという話です。)

非西欧社会の一員として辺境に位置づけられながら、開発援助の文脈では西欧諸国をリードして援助国に回っています。

西側諸国の平和構築の結果、西側陣営の一員である先進国へ生まれ変わったが、根本的には保守的価値観の根付く非西欧社会でもある…そんな何とも言えなさが、日本の特殊性だと思います。

さて、法整備支援と平和構築の授業にて、「法を、特に憲法を他国からの援助で作ることの是非」について議論していたことがありました。

当初、私は日本によるベトナムやカンボジアへの法整備支援の例を思い出してそれらについて発言しました。クラスの反応はまずますといったところ。

しばらく考えていた後、「いや、違うやん!うちの国やわ憲法よそに作ってもらって使い続けてるの!」と思い立って、再び手をあげて「私の国の憲法はアメリカ主導で作られたもので…」と話し始め、日本国内における憲法改正の是非についての議論を一通り話すと、今度は教授も学生も、非常に興味を持って聞いてくれました。

特に、となりにたまたま座っていたアメリカ人の学生は、今まで話したことはありませんでしたが、一段と興味を持って話しを聞いてくれていたように感じました。

“自分にしかできない貢献”を見つけることはなかなか難しいことですが、この自分のバックグラウンドに基づく視点を提供するということはその一例だと思います。

がんばろう!留学生!

英国大学院留学編Vol.6 セミナーのディスカッションでどうしても活躍したい

写真は湖水地方

というわけで、セミナーのディスカッションで活躍したい!そんな私の欲望のためのトライアンドエラーの軌跡とそこから得たエッセンスを紹介させてもらいました。

留学生のみなさん。セミナーのディスカッションってやっぱりちょっと緊張しますよね、たくさんの悔しさやもどかしさを日常的に感じて、それが毎週続くもはや修業のような日々。

ま!でもね、あなたにしかできない貢献があるはずだから、今日も前向いて頑張っていきましょう!ヽ(*´∀`)ノ

と、世界中で頑張る留学生へのエールを込めて、次回はグループワークでどうしても活躍したい!をお送りします。

本日もお付き合いいただきありがとうございました!

この記事を書いた学生ライター

Misato
Misato
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イギリスのダラム大学で平和構築の修士課程修了後、パレスチナで活動するNGOでインターンをしています。”フツーな私が国連職員になるために。ギャップイヤー編”連載中。 Twitter@Misato04943248<⁄a>

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