私事ですが、大学二年生ももうすぐ折り返し地点。
コミュニティカレッジ(以下コミカレ)という二年制の、日本で言う短期大学のようなところに通っているので、次のセメスターを終えればいよいよ卒業です。
卒業後はアメリカ国内の四年制大学(以下ユニバーシティ)に編入して、3年生と4年生(JuniorとSeniorと呼ばれます)に相当する勉強をする予定です。現在、ちゃんと卒業できるのかアドバイザーの先生と確認しつつ、編入先の大学を選んでいる最中です。
そこで今回は、アメリカの大学の卒業に至るまでの仕組みと、大学の選び方についてお伝えします!
コミカレを卒業したらユニバーシティに編入するというのは、アメリカでとても一般的なスタイルです。連携がよく取れたコミカレとユニバーシティだと、“2+2プログラム”などと呼ばれる制度があったり、コミカレ二年とユニバーシティ二年の合計四年で学士(Bachelor Degree)を取得しやすくなっています。単位の移行もしやすいです。そのような連携がとれた大学は、基本的に州内やご近所州の大学です。
大学間の連携が取れていないと編入できないというわけではなく、どこでも編入できます。ただ、再履修など単位の移行が思い通りにいかないという事例もよく耳にしますし、コミカレを卒業していてもユニバーシティで卒業に二年以上かかるのはよくある話です。
また、日本の三年次編入と違い、一年生であっても、秋でも春でも、学期の区切りであればいつでも編入できます。コミカレからコミカレへ編入する人もいます。
では、卒業するには何が必要なのでしょう?学校によって差はありますが、だいだいの学校で通用する基本の4か条をお教えします。
Creditとは、日本で言う単位のことです。学校によってはUnitなどと呼ぶ場合もあります。Semester制(二期制)の場合、コミュニティカレッジの2年間で60credit、ユニバーシティでは4年間で120credit(コミカレから編入した場合は120creditの内、コミカレで取得した60creditを移行できます)が必要になります。
最も一般的な週3時間の授業で3creditもらえます。よくあるサンプルプランでは、1semesterに15credit前後(5クラス前後)取って8学期で卒業、と書かれてます。また、ユニバーシティでは、Junior・Senior向けのクラスを〇credit以上含むこと、などの条件も加わることもあります。
アメリカは0,1,2,3,4の5段階評価で、4.0が満点オールA評価です。1,0は落第です。D,Fと分かれていますが、どちらにせよ単位はもらえません。Average GPA 2.0というのは、オールCに相当します。留学生の場合、GPA2.0をキープすることが、ビザが有効である条件の一つでもあります。また、学校や専攻によっては、特定の授業でB以上と取ることなど、細かいルールがあったりします。
学校によって呼び方は様々ですが、日本で言うところの一般教養です。英語、数学、理科系、歴史系、芸術系などがよくある項目です。留学したら数学とサヨナラできると思っているそこのアナタ!高確率で大間違いだぞ!そして、面倒なことに、必要な教科・GEに含まれる授業は学校によってかなり違います。この大学は理科系の授業が1つしかいらないのに、あの大学は2ついる!などなど…。コミカレとユニバーシティで必須の授業がまるで違ったりして、これが編入するときにネックになります。
自分の専攻に合わせた専門的な授業です。コミカレの場合、多くがprincipalやintroといった名前が付く基礎の授業になります。ユニバーシティでは、それに加えて内容が深くなった、Senior・Juniorで取る授業が加わります。
以上4つが基本的な卒業の条件です。一気に聞くと、ものすごくややこしくありませんか?上記の知識ゼロで渡米したため最初は訳がわからず、とても苦労しました。
留学を考えたことがある人なら憧れたことがあるであろう、アメリカの卒業式。Graduation CeremoniesやCommencementと呼ばれますが、これらはいつ開かれるか知ってますか?
セメスター制だと、秋学期(8月から12月)と春学期(1月から5月)で1学年が終わって夏休み挟んで新学年、という流れになります。
つまり答えは5月!
私のカレッジでは年に1回、日本のゴールデンウィーク終わりくらいの時期です。でも、大規模なユニバーシティだと12月にもやるところもあります。
え?年二回も卒業式するの?
そうなんです。なぜなら、毎セメスター終わりに、卒業準備が整い次第、卒業できるからです。
必ずしも5月にみんな卒業するわけではありません。コミカレでは2年間4セメスター卒業が理想形ですが、理想を気にしているのは正直日本人くらいです。
5セメスター(二年半)で卒業する人もいるし、3年かかる人もいるので、卒業に4年以上かかったことで引け目を感じる人はあまり見ません。なので、アメリカに留学するなら、“短大は2年で!大学は4年で!”という固定概念は捨ててくることをお勧めします。
日本の大学と比べてどうでしょうか?
アメリカの大学の方が自由度が高いのではないでしょうか?
おまけに、専攻も好きな時に好きなだけ変更できます。しかし、その分無駄になる単位が出てくるので、入学当初から一貫して同じ専攻をしていた人に比べて、卒業が遅れてしまうのもまた事実です。
とは言っても前述の通り、周りのアメリカ人はあまり気にしている印象はありませんが…。
どうしても”4年で終えるべき”という固定概念に囚われている日本人としては、学費も余計にかかるし、気にしてしまうところです。
学年も、Freshman, Sophomore, Junior, Seniorという呼び分けはありますが、日本の1年生、2年生のような”学年”という感覚より、”卒業に向けてどのレベルにいるか”という区分という方が近いです。
日本の大学でみられる、レールに乗った4年間の大学生活とは異なり、たとえ時間がかかろうとも、勉強をしっかりして、そこから自分なりに何を得て、より個性のあるヒトになったほうがいい!という考え方があるように思います。
今回は、アメリカの大学の入学してからの仕組みと卒業についてお届けしました。
次回は、入学する前のステップ、アメリカの大学選び方トリセツをお送りします!
アメリカのワイオミング州内にあるコミュニティカレッジに正規留学2年目でビジネスを学んでいます。アメリカのド田舎から、リアルな正規留学ライフをお伝えします!