お久しぶりです!英国、University of East Angliaで開発学を勉強している Igari Yokoです。
夏休みの間にいくつか記事を投稿しようと思っていたものの、ネパールで週に6日間のインターンシップを2ヶ月、日本に帰国後、週に5日間のペースでアルバイトを行っていた上に、NGOでボランティア活動などもしていたので、忙しすぎて何も書けませんでした(笑)。
この辺りの話はまた今度にお話するとして(とてつもなく長くなるので!)、今回は私がイギリスで生活する中で感じる、イギリス人の二面性: 優れていると感じる部分と理解に苦しむ部分をそれぞれお話します。過去の記事はこちらからどうぞ!
まずは、優れていると思う4つを挙げていきます。
1. 外では携帯をあまり使用しない
大学生だと携帯が何より一番の友達ですが、それよりも上の年齢の層はそうではない様です。少しお洒落なレストランに外食に行って、周りを見ると、イギリス人が携帯をのぞき込んでいる姿をあまり見かけません。
大人なイギリス人は、恋人同士や家族同士で過ごす時間を、お互いの顔をしっかりと見ながら楽しみます。その時間、その場所に自分の目の前に居る相手を尊重する事は素晴らしいと思います。
2. 誰にでも話しかける社交さ
イギリス人は、基本的にお喋り好きな人が多く、比較的に誰にでも気さくに話しかる傾向があります。こちらでは、”How are you?”ではなく、 “Are you alright?” と挨拶代わりに、相手に尋ねる習慣があり、この言葉はあちらこちらでよく聞きます。
簡単な買い物や頼み事の時でも、要件に入る前に”Are you alright?”と聞き合い、少しの間お喋りを楽しむのです。シャイで真面目すぎる日本人はこのような人との接し方は出来ないので、社交的なイギリス人が羨ましくなります。
3. 自分の気持ちをはっきりと表す
イギリス人は、日本人よりも自分の気持ちをはっきりと表現する人が多いです。嫌な物は嫌、好きな物は好き、今は機嫌が悪いなどなど….。人によっては、言葉を発せずとも見た目で感情を読み取る事が出来る人も居ます。
彼らの表現方法を見ていると、どれだけ日本人がはっきりしない性格なのかが分ります。日本人特有のなんとなく困った時に笑ってしまう癖は、全く理解されないと思います。思ったら、表現しないと意味が無いのです。
4. 自分の意見をしっかりと持っている
自分を表現する事が上手いだけでは無く、イギリス人は自分の意見をしっかりと持っている人が多いです。特に、政治には強い関心があり、イギリス人は一人一人が政治についての意見を持っているとも言われるほどです。
私の大学の友人達も例外ではなく、先日のEU離脱を問う国民投票では、それぞれが国のあるべき姿と今後の展望などを真剣に考えていました。若い有権者の多くはEU残留派だったので、国民投票の結果に落胆し憤慨する形となってしまいましたが、イギリスがどうして強い国と言われているのかが分かった気がしました。
衝撃的な結果に終わったが、きっとこの国の未来は明るい。
一方で、ヨーロッパで一番礼儀正しいと言われているイギリス人でも、理解できない!と思う場面も多々あります。
1. 遊び=クラブかパブ
日本と比べて、イギリスにはそこまで幅広い遊び場所の選択肢が無く、人が集まる所と言えばクラブかパブです。酔わなきゃ楽しくない!と言わんばかりに、アルコールまみれになって友人と楽しむのが、イギリス人のスタイルです。所謂、"Drinking Culture -呑み文化"と言われているもので、クラブとパブはイギリス人には欠かせません。もちろん(!?)、私が通うUEAにも学内にしっかり完備されています。
しかし、宗教的な理由や体の問題でお酒を飲めない人が、イギリス人の唯一とも言っていい社交の場である呑み会に参加が出来ない事は大変不利であり、それが理由で輪の中へ入る機会を逃してしまったり、交流の場が減ってしまうという一面もあります。
2. 約束は約束じゃない
“Will” は、自分の決意や予定をはっきりと表す言葉だと私達は習い、私もそうだと思っていました。 しかし、イギリス人のWillをつけての約束や発言はなんとも曖昧で、30~50%程度の確信性しかありません。イギリス人にWillを使って何かを言われたとしても、あまり信用してはいけません(笑)。
"約束"をしていた予定が変更になったり、キャンセルになったりする事は日常茶飯事です。このイギリス人の自由さ(!?)を気にしていると「この嘘つき!」と言いたくなって楽しく生活する事が出来ないので、こちらの態度を変えて、イギリス人の言う事はなんとなく受け入れる程度の姿勢で毎日を過ごすと良いと思います(笑)。
一番信頼性がある約束の単語は”Swear-誓う” ですが、あまりにも強い言葉なので日常的に聞く機会はめったにありません。
3. スーパー個人主義
イギリス人は根っからの個人主義です。日本では考えられませんが、仕事の共有や引き継ぎが同僚間でされていないことも多々あり、人が変わるたびに同じ説明をしなければならない時もあります。
プライベートの時間には、自分がしたいと思ったことをなんでもやります。図書館であっても靴のまま足を机の上に乗せたり、食べ物を食べたりします。
私が個人的に、面白いなあと思う瞬間は、イギリス人が道でリンゴを丸かじりしている光景を見かける時です(笑) 仲のいいイギリス人の友人の前で「あ、あの人リンゴ食べてる(笑)!」と言ったところ、「日本人はリンゴを食べないの?」と思いもよらない返答が返ってきて笑ってしまいました。私が「食べるけど、あーやって外で丸がじりで食べたりはしない。家で切ってから食べる。」と言うと驚いていました。
日本だと見かけない光景も、イギリス人にとっては当たり前で、そうしない方が不思議な様です。
私の中で、もはやリンゴは自由人ヨーロピアンの象徴
いかがでしたか?イギリス人と言えば一般的には良いイメージが先行しがちですが、実際はそんなに格別では無いのではないでしょうか。
イギリス人は、人に気を使わず自分の意見を言ったり、自由にやりたい事をしますが、個人や自己を優先するあまり、相手を思いやる気持ちが欠けている部分もあります。一方の日本人は、相手を思いやる気持ちは強いですが、集団主義の色が濃く、個性や個人の意見をあまり認めない傾向にあると思います。
二つの国民性を足して割ると、バランスが良いと思うのですが…皆さんはどう思いますか?
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
英国 University of East Angliaで人類学を軸に国際開発学を学んでいます。短期大学で幼児教育を学び、職務経験を経て、2014年に渡英。現在、大学の日本人留学生大使としても活動中。facebook 日本人学生による留学体験記