アメリカコミュニティカレッジに進学するメリットとデメリット

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こんにちは、アメリカアイオワ州のコミュニティカレッジで勉強しているKeisuke Ohtaniです。

去年の8月にアメリカに来てから色々苦労をしながらも無事に1年間の授業を終えました。1年目を振り返り、コミュニティカレッジのメリットとデメリットをまとめてみたのでコミュニティカレッジに進学を考えている人はぜひ参考にしてください。

コミュニティカレッジとは


州の税金によって運営されている、貧しい家庭にも教育を提供することを目的に設立された高等教育機関で、名前の通り地域との密着も強いです。州の税金で運営されているため、州内の学生がリーズナブルな価格で大学の授業を受けることができるようになっています。 基本的には州外の生徒である留学生に対しては高額になってしまうのですが、多様性の増加を促進している州ではほぼ同じ金額で通うことができます。

 コミュニティカレッジは日本でいう専門学校と短大の要素を持ち合わせています。
 現地の学生は一般的に、高校卒業後の就職に備えて職業訓練を行うか、高額な大学費用を削減するために2年間コミュニティカレッジで勉強してから四年制の大学に編入します。 高校卒業後の学生のみならず、定年退職したお年寄り・仕事を変えたいと考えている社会人だったり、生徒の年齢に幅があるのが大きな特徴です。 

コミュニティカレッジに進学することのメリット・デメリット

 

<メリット>

・値段が安い
・英語要件が低い
・学校が小さく馴染みやすい 

<デメリット> 
・教育のレベルが4年制大学に劣る
・履修できる教科の幅が大学に比べて狭い
・アメリカ人以外の生徒が少ない

それでは一つ一つ見ていきたいと思います。 

ーメリットー

● 値段が安い 

州の税金で賄われているために4年制大学に比べて費用が半分近く安いです。 学校の規模が小さく、維持費があまりかかっていないのも費用が安い大きな要因となります。

● 英語要件が低い

 高校の延長線上にあるような形のコミュニティカレッジなので、授業のレベルが4年制大学ほど高くありません。 よって入学時の英語の必要条件もTOEFLiBT60点前後と、iBT80点からiBT100点を求める4年制大学に比べてかなり低くなります。 

一般的に留学斡旋会社では英語に自信のない生徒に対して4年制大学付属の英語学校に行ってから大学に進学するという方法をよく進めていますが、語学学校には現地の学生がいないため日本人といつも一緒にいたり、他の留学生としか友達になれないということにもなりかねません。 英語を勉強するということを考えるとそのままコミュニティカレッジに進学してしまった方が効率が良いです。 

●学校の規模が小さく馴染みやすい

アメリカコミュニティカレッジに進学するメリットとデメリット

私の通っているコミュニティカレッジは小さな町のはずれにある1000人を少し超えるくらいの生徒が通う大学です。 クラスの規模も20人以下、ときには5、6人ということもあり、とても馴染みやすいです。 100人を超える生徒数のクラスがある四年制大学に比べると先生との距離がとても近いので、気軽に接してくれます。
先生が名前を覚えてくれて、部活動のことを聞いてくれたり、廊下でばったり会ったときには立ち話が弾んだりと、四年制の大学では考えられないことです。 英語の上手ではない留学生にとって教授との関係を気軽に築くことができるというのは質問をしたり、テスト時間を延長してもらったりなど特別な措置をとってもらうときに助かります。 

ーデメリットー 

上の3つに比べてデメリットはメリットを裏返したような形です。 

●教育・設備のレベルが劣る

 4年制の大学と比べ半分以上学費が安いということがあって、教育のレベルは少し劣ります。 有名な教授がいるなんてことはありませんし、設備もあまり良いものではありません。
特にスポーツをするとなるとその設備の差は目に見えて分かります。スポーツに力を入れていて、Division-1 Schoolとランク付けされている超大規模大学には屋外トラック・室内トラック・野球場・サッカー場・アメフト場など素晴らしい設備が整っていますが、私の行っているコミュニティカレッジには室内トラック・野球場はおろか、屋外トラックさえありません。 

●履修できる教科の幅が狭い

 履修できる科目の数が少ないというのもコミュニティカレッジの欠点の1つになります。
提供する科目数が増えれば増えるほど、教室の数や先生の人数を増やさなくてはいけないので、安価に教育を提供することを目的としているコミュニティカレッジには多くの専攻分野を提供することができません。 もしも学びたいことが明確に決まっているのであればその点に関して物足りないかもしれません。

●アメリカ人以外の生徒が少ない

アメリカコミュニティカレッジに進学するメリットとデメリット

コミュニティカレッジは地元の生徒に教育を提供することを第一の目的としているので人種・国籍の多様性はかなり低いです。これは州内の生徒のために運営されているコミュニティカレッジだからであって、海外に広告を出したり、留学生に奨学金を出して世界から生徒を呼び集めたりするということをしていないからです。

多様性が少ないと英語が勉強できるのではと思うかもしれませんが、気をつけなくてはならないことがあります。そのような学校の学生は他の人種や文化への理解が浅く、馴染むのに時間がかかったり、ことによっては人種差別のようなことを受けることもあるかもしれません。
*全てのコミュニティ・カレッジで多様性が低いというわけではなく、私の通っている学校のように生徒の多様性に力を入れているところもあります。留学生専用に予算が組まれていて、定期的に留学生のためのイベントが行われています。
私は留学生の多様性から人種差別ということは経験したことがありませんが、現地の人が日本人の発音に慣れていないため、留学して数ヶ月は自分の言いたいことがなかなか伝わらず苦労しました。伝わらない分自分の発音を改善できたという側面はあるかもしれませんが。

まとめ

コミュニティカレッジには安いという大きな利点がある一方で、その安価な教育を提供するために削らなければいけない部分が出てきます。お金に余裕があるのであれば4年制大学への進学をするに越したことはないですし、費用を節約したいのであればコミュニティカレッジという選択肢も出てきます。そのメリット・デメリットを理解した上でうまくコミュニティカレッジを使うことができれば大きく留学費用を節約することができるでしょう。

この記事を書いた学生ライター

Keisuke Ohtani
Keisuke Ohtani
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アメリカアイオワ州にあるコミュニティカレッジの学生でありながらフォトグラファー・ライター・翻訳等様々な活動を行なっています。大学ではコンピューターサイエンス専攻。卒業後には途上国の子供たちにオンライン上で教育を届けるプログラムの立ち上げを計画しています。留学情報サイト『留学BOX』の執筆・運営。

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