言論の自由、表現の自由というものは、日本国内ではもちろんの事、世界の多くの国の中でも保障され続けてきた権利です。
自分の考えや思いを自由に表現し、その事については何の権利も侵されない。そういった権利があると思います。
日本の国内の中で記憶に新しいのは安保法制についての議論だと思います。「政治に参加しない」と言われ続けていた学生たちがデモ集会を開いたり、テレビで反論を述べたりしていたのが記憶に新しいですよね。
mashableによると、そんな日本とは違い、カンボジアでは反政府的な意見を自身のfacebookに投稿した青年が逮捕されたといいます。
このように反政府的なメッセージをSNSに投稿し逮捕されるのはこのケースがカンボジアでは初めてだったのだそうです。
詳しく見ていきましょう。
24歳の大学生であるコン・ラヤさんはfacebookに反政府的なメッセージを投稿したとして、今週火曜、18カ月もの服役が決まったのだそうです。
彼がこの投稿をしたのは2015年8月の事。
彼は、
「誰か私と共に色の革命を起こしませんか?いつかの未来には、色の革命を起こしてクメール社会を変えてみせます。もし仮に私が逮捕されたり、殺されたりしても私は達成するためのこの思いを変えないであろう」
と投稿。
ご存じの方も多いと思いますが、カンボジアは過去、ポルポト政権の時にクメール・ルージュによる激しい弾圧や暴力にあっています。
その頃、そんなポルポト政権の中で指揮官を務めていたのが現在の首相であるフン・セン首相でした。
フン・セン首相は2015年で首相の座についてから30年という事になりますが、NGOヒューマンライツウォッチは、フン・セン首相の長きにわたる独裁政治や汚職、また政治的暴力の行使などについて報告書を提出しています。
今回のコン・ラヤさんによるクメール社会への批判というものは、クメール社会の要素を持ち続けるフン・セン首相率いる現在の政治への批判だったとくみ取れます。
そして、それに対し彼は「色の革命」(またはカラー革命、英:colour revolution)を起こすつもりであると宣言しています。
色の革命とは、2000年ごろからアジアや中東などで盛んになった政権交代のことで、その背景に民衆やNGOによる非暴力的活動が大きく関わっている事が特徴です。
そういったように、彼は現在のカンボジアに蔓延する政治体制を民衆の力で変えたい、というメッセージを残したのです。
この一件について、カンボジア・デイリーは「このような出来事(表現の自由への侵害)はカンボジアでは何もおかしなことではない。今までにもこんなことはたくさんあった」とコメント。
しかし、彼の逮捕に反対する人々は彼がこの投稿によって実際に仲間を集めたわけでもなく、実際にデモなど何かしらの行動を起こしていないことを踏まえて今回の逮捕は間違っているのではないか、と声を上げているそうです。
言論の自由や表現の自由。私達の身近にあるSNSでの出来事によって逮捕にまで至ってしまった今回のケース。
何が正しいのか、そしてこれらはどうあるべきなのか、もう一度よく考えてみる必要がありそうです。
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!