ーー山崎さん(写真左)と高橋さん(写真右)の簡単な自己紹介からお願いします。
山崎さん:現在、カナダのブリティッシュコロンビア大学でコンピューターサイエンスを専攻しています。
今は大学2年で、夏休みを利用してVASILYでインターンシップをしています。今年の9月から交換留学でロンドンのユニバーシティーカレッジロンドンで1年間、コンピューターサイエンスを勉強する予定です。
高橋さん:いまは大学3年で、ロンドン大学で学んでいます。専攻しているのは経済学で、主に金融や投資を中心に学んでいます。いままで経験した事のないベンチャー企業でのインターンとして、VASILYで働いています。
ーーお二人はなぜ日本の高校から海外の大学に進学しようと思われたのですか?
高橋さん:もともと医学部に進みたかったのですが、受験に失敗して、やるだけやってだめだったのだから向いてなかったんだと、吹っ切れたんです。日本にいたら、受験に落ちた流れでネガティブになるかなと思って、180度方向を変えて面白そうな事をできる場所を探して決めました。
山崎さん:僕が今通っている大学は全生徒の20%以上がカナダ以外の国から来た学生です。僕は東京ではなく地方の出身なのですが、触れることのなかったバックグラウンドを持った人達と学生生活を送れるのは刺激になると思ったんです。
また高校3年当時、自分が何を大学で勉強したいのかが見えておらず、実際に勉強してみないと詰めて勉強していきたいことなんて分からないと感じていました。北米の大学だと、入学してから1、2年間猶予があって、そこから専門的に勉強する分野を決める事ができるんです。目的意識もなく、自分に投資してくれている親のお金を無駄にするのは嫌だったので、海外の大学に行く事にして、1年間文系から理系まで色々な授業を受けた上で面白そうだったコンピューターサイエンスを専攻する事にしました。
ーー海外の大学はかなり資金が必要になると思うのですが、ご両親はどういう形で説得したのでしょうか?
高橋さん:もともと東大理3を目指していたので、両親は私立大学の医学部くらいの学費は覚悟してくれていたとは思います。ただ実は、スタンフォード大学のようなアメリカの大学もいくつか合格をもらっていたのですが、学費がイギリスの方が安かったんです。アメリカでは1年間の授業料が日本円に換算すると480万円と高額でした。イギリスはたまたま当時のポンドのレートがよくて、日本の私立よりもちょっと高いくらいの1年で160〜170万円くらいでした。両親は僕が海外の大学に出願したことも知らなかったので、「イギリスの大学の方が安いな」と思い、勝手に予算概算しておいて「こんな感じで行きたいです、お願いします!」と言って今の大学に決まりました。
山崎さん:金銭的な面では反対はなかったです。それよりも、海外の大学に進学する事自体を反対されていました。日本の国立大学や医学部への進学が多い高校だったので、高校の先生方からも最初は理解を得られなくて。でもそれをただ否定されるのも嫌なので、とりあえず必要な試験を受けて、全て準備できた段階でもう一度話しました。そうやって「こっちは真剣にやっているんだ」というのを形で見せると、親と先生方から最終的に応援してもらえるようになりました。たまたま学校の先生がカナダの大学を卒業した方で、その方に話を聞いたりもしましたね。アメリカは学外では働くことが出来ないのですが、カナダは週20時間まで学外で働く事ができるので、そういう事も考えてカナダにしました。
高橋さん:以前春に、ロンドンの投資銀行で短期インターンシップに参加しましたが、あまり自分に合っていませんでした。そこで業種も違って多くを学べそうなベンチャーがいいかなと思いました。ただ大学でも全く勉強したことがないような分野に飛び込む勇気があまりなくて悩んでいたところに、日本の友人に紹介されてVASILYでインターンをすることに決めました。
山崎さん:今まで進路を決める上で自分にとって大事だったのは、場所だったんです。大学を選ぶときにも「バンクーバー」という多様な人達が集まる場所に決めました。大学を卒業したら就職をするつもりですが、どの場所で働くかはただ悩んだだけでは決められないと思いました。日本でインターンシップに参加するのを考えたのは、実際に働かずに場所を決めても後悔するだろうし、母国である日本で働くというのはどういう事なのか経験してみるべきだと思ったので、東京で働いてみたいと思いました。
ーーお二人の仕事内容をお聞かせください。
高橋さん:最初に配属されたのはSEOチームです。そもそもインターネットの知識がなさすぎたので、アプリとブラウザを幅広く扱っているチームに入れてもらいました。今はセールスアライアンスというチームに所属しています。インターンシップながら提携先ECサイトの売り上げをどうやって上げようかというのを考えさせてもらっています。
山崎さん:フロントエンドチームに配属されました。実際の仕事としてはデータベースとAPIの設計・実装というバックエンドのところからウェブページのリニューアルまで幅広く担当させてもらっています。配属から1ヶ月半ですが、重要な事をさせてもらっていると思います。
いまはスマホ版とPC版で大きなリニューアルをするタイミングなので、いいタイミングで参加できたと思っています。多くのユーザーが使っているサービスに自分の書いたコードが反映されるのは本当に貴重な経験で、なかなか大手ではありえない話だと思います。
ーー日本の東京でも様々なベンチャーがある中で、どういう経緯でVASILYに参加されたのでしょうか?
山崎さん:かなり重要な仕事を任されるだろうという点でベンチャーに絞りました。ベンチャーでのエンジニアインターンシップを調べているとVASILYがあって、Google PlayストアやAppストアの年間ベストアプリに認定されていたり、最近だとGoogle Playのトップディベロッパーに選ばれたりと、間違いなく優秀なエンジニアの方々が集まっているんだろうなと思ったんです。そういう環境に身を置くというのもなかなかできない事なので、そういう理由でVASILYにしました。
高橋さん:予備校時代の友人がVASILYで働いていて、彼がCFOの千葉さんを紹介してくれたんです。千葉さんはクックパッドで上場を経験されている方で、その千葉さんのもとで上場前の会社の財務の経験ができるのは貴重な機会だと思い、VASILYでインターンすることに決めました。しかし、インターン参加直前にCEOの金山さんから、財務ではなくビジネス部門でインターンしないかと言われました。
僕は大学でも経済学専攻で、今まで金融のインターンにしか参加していなかったので、最初は戸惑いましたが、CEOの元でサービスの大きな転換期に参加できるのは貴重な経験だと思って選びました。サービス開発から売り上げアップの施策まですべて経験させて貰えるのは非常に楽しいですね。
ーー実際にインターン参加されてみて、どういう点が良かったと感じられましたか。
高橋さん:インターン参加当初はインターネットビジネスの基本的なところが全くわかりませんでしたが、サービスのリニューアルのためのデータの調査やエンジニアとの開発MTGを通してVASILYでインターンしなかったら”絶対に知らなかっただろう”ということを多く学ばせてもらいました。
また、自分が考えたnano・universeとの新企画をCEOとマネージャー陣と一緒に詰めて、プレゼンまで連れて行ってもらえたのは学生では普通はできない経験だと思います。春に外資でインターンシップに参加した時は、実際に会社に影響が出ない業務しかできなかったのですが、今回のVASILYのインターンでは大きな仕事を沢山まかせてもらい、胸を張って「インターンでこういうことをしてきました!」と言える仕事が出来ていると思います。
山崎さん:僕がベンチャーに望んでいたことを、すべて体感できていますね。大きな仕事を任せてもらえることに加え、フロントエンドからバックエンドまで幅広くエンジニアリングに携わることができています。また、僕の席の周りには色んな分野の人達がいて、チーム内に留まらず色々なチームの人と近い距離で仕事が出来るのはありがたいですね。
毎週VASILYの全エンジニアが集まって、最近行った技術的チャレンジや興味を持った技術ネタをシェアする「エンジニアミーティング」に参加させてもらっていて、そこでも経験値の高いエンジニアの方から多くのインプットができていると感じています。
ーー将来的なお二人のキャリアについてお伺いしたいです。
高橋さん:高校受験を失敗して、医学部への道がなくなった時にやりたい事がなくなってしまいました。そこから、とりあえず色々やってみようとなった時に、コンサルから始めようという感じで外資コンサルの道に進もうかと思っていましたが、ベンチャーのインターンシップでユーザーが使うプロダクトに触れてユーザーに近いビジネスって面白いなと感じるようになりました。「こういうキャリア積もう」というのはまだないのですが、外資コンサルのように企業をクラアントとするビジネスよりも、直接ユーザーに何かできるサービスをゼロから作っていけるベンチャーのほうが面白いと気づけたのは大きな財産になりました。
山崎さん:まだこれというキャリアは決めていませんし、決めるべきではないと思っています。エンジニアとしてのキャリアは考えつつ、大学も残り数年ありますし、僕自身色んなところで働いてみたいというのがあるので、まだまだこれからという感じです。今年9月からはロンドンの大学にいくので、そこでも仕事を探してみようと思っています。まだまだこれから見るものがあるという感じです。
ーー実際にどういった学生がVASILYにくれば面白いと思いますか。高橋さん、山崎さんはどういう人と一緒に働きたいと思いますか。
高橋さん:ベンチャー企業は不安定だとか、大手企業は安定していて転職もしやすいという「固定概念」にとらわれた人が来たら面白いと思います。僕も最初は大手企業への就職を希望していて外資系の投資銀行でインターンをしたのですが、職業体験レベルの経験しか得るものがなく、作業も単調で地味なものばかりでした。しかし、今回VASILYでインターンをしてみて、大手企業では任せてもらえないような、直接売り上げに関わる仕事を一任してもらったり、経営者やマネージャーと一緒に施策について議論させてもらったりという刺激的な経験をすることができました。あとは、単純に人と違う面白いことをやりたい人が来てみるのがいいんじゃないかなと思います。VASILYには優秀で変な人が揃ってました。
山崎さん:固定概念にとらわれた人もそうですが、僕は「何をしようか決めかねている人」に来てもらえるといいのではないかと思います。僕の場合、どういうエンジニアになろうか決められていない状態で参加して、チームの先輩と個室で”どういうエンジニアになりたいのか”を相談させてもらいました。そういう経緯があって今フロントエンドからバックエンドまで幅広くやらせてもらっています。
幅広くとは言っても浅い事ではなく重要な事をやらせてもらえているので、最初とは見える景色が変わりました。やりたい事が決まっていない人でもやる気さえあれば、道しるべはある程度示してくれる場所だと思います。
大学一年次よりスタートアップに興味を持ちアプリ開発/ベンチャーでのインターンシップを経験。 現在、学生の視野を広げるco-mediaとインターンシップから築く新しい就職の形InfrAを運営する株式会社Traimmuの代表。 サッカー観戦とジム通いが趣味。