はじめまして。笹本康貴と申します。法政大学国際文化学部所属の4年生です。学部名に「国際」と付いていることより留学が必須な学部でした。留学先はカナダのトロントで約4ヵ月間滞在しました。専攻は言語学で、その中でも心理言語学という学問で、内容は人はどのように言語を習得するのかとか、モノリンガルとバイリンガルの違いを主に専攻として勉強しておりました。今は就活を終え、(株)マイクロアドに内定を頂いております。現在は、ウォンテッドリー(株)というスタートアップで長期インターンをさせていただきながら大学に通っております。
ーー休学を決意したのが大学2年のカナダに留学してる時だとお聞きしたのですが、”休学”を決めた背景を聞かせていただけますか?
留学中に休学を決意した理由が、主に2つありました。 まず1つ目は留学先での環境に影響されたことです。当時19歳だったのですが、留学先の語学学校のクラスでは、周りが23、24歳という年上の学生ばかりでした。これまで「18歳で大学入って22歳で大学を卒業して社会人になれ」と親より言い聞かされてきたので、私はストレートに大学を卒業して社会人になるのが普通だと考えておりました。ただ、留学を通じて自分よりはるかに年上の学生と同じ教室で勉強してるという環境に身を置いたことで、このような縛られない学生生活もありだな、と初めて気が付きました。また、学生生活の中で1年間休学をして自分の好きなことをやってもいいんじゃないかと思いました。
2つ目は、就活を意識したことです。当時2年生でしたが、既に就活を意識してました。その中でも特に自分の強みについて考えることがあり、その当時は自分の強みが明確には分からなかったです。なので、1年間の休学を通じて、何か自分の強みを見つけられればいいなと思いました。これら2つの理由で休学を決めました。決して何か目的があって休学を選択した訳ではないです。
ーー休学しようと思ってる学生が最近多いと思うのですが、なかなか親の説得が難しいと思います。それは、親の時代で休学をしてる人が少なかったからだと思います。今と常識が異なる中で親を説得するのは難しいと思うのですが、どのように笹本さんは説得されましたか?
私は両親を説得できませんでした。大学3年生の夏休みに父と母に時間をもらい、大学4年生を休学したいと伝えました。まず母親は「最終的にはあなたの人生なのだから自分のやりたいことをやりなさい。私はある程度だったらバックアップはする」と言ってくれました。一方で父親には「ふざけるな、甘えたことを言うな」頭ごなしに否定されました。私のように完全に親の同意を得て休学ができる訳ではないのです。
ーーなるほど。結局説得できなくても実際に自分の人生に対して本気で考えたからこそ、そのような決断ができたのですか。
そうですね。親のための人生ではなく、自分のための人生ですからね。やりたいと思ったけど、やめろって言われたからやめる。でも後で振り返ってやりたくなってもそれは遅く、後々必ず後悔すると思うんです。後悔をするよりは、絶対的にやった方が良いと考えてます。
ーー休学の二つ目の理由で、自分の強みが明確ではなかった、とおっしゃってましたが、そもそもその時期に自分の強みを考えること自体珍しいかなと思いました。なぜ就活に自身の強みの明確化が必要だと思ったのですか?
一括採用っていう採用方法がある時代、まず初めに学生は横並びにされる。その中で企業の人事は誰を採るか選ぶ。その際に何か突出した能力を持っていないと選んでもらないと考えました。ちょうど2年生の時期に採用関連の記事を読んだのがきっかけで就活を意識しました。自分自身を知ることを始めに、自分が人に選ばれる箇所は何だろう、すなわち自分の強みはどこだろうというのに結びついて、色々考えた末、「あ、自分には強みないな」と感じました。それで強みを探す旅に出かけました。
ーー笹本さんの学生生活において、休学をして行ったインターンシップの経験は貴重だったのではないかなと思います。実際にインターンシップをされて良かった点や身についたスキルについて教えてください。
(株)ビズリーチという会社で13ヶ月間・週5日インターンをさせていただきました。まずインターンを行うきっかけは、就活をする前に働くことについて体感したかったからです。一回会社に入り働いて、色々な事を学んだ上で就活をすべきだと思ってました。 今振り返ってみて、インターンをして良かったか悪かったのかっていうと、絶対的に良かったと思っています。ビズリーチの13ヵ月間のインターンの経験がなかったら今の私は多分ないです。本当にやってよかったと思っています。
ーー具体的にはどういうスキルが身に付いたと思われますか。
様々なスキルが培われたと思っています。まずは社会人と接することに慣れました。スキルと言えるかは分かりませんが、普段の学生生活の中で社会人と接することはほぼないので、インターンシップで常識や良識を1つの会社に入って教えていただけたことは大きな収穫だと思います。 もう一つは、会社の中の1つの組織に属せたことは大きかったです。例えば 会社の指針(クレド)に、「巻き込み巻き込まれよう」や「できる理由から始めよう」という指針がありました。個人の行動指標ではなく、団体であったり企業としての行動指標に則って誰かを巻き込んで何かをしたりだとか、瞬時に決断してPDCAを回すであったりとか。これらを体感できたことは今後の社会生活に限らず、今でもすごくよかったです。現在参加しているインターンシップでも活かせているので良いと思いますね。
ーーインターンシップ行く前に自分の強みを見つけにいったわけじゃないですか。実際インターンシップいって、強みはどこになったと感じますか?
私の強みは実行力だと思っています。特に私の中では明確に「1→3→2の法則」という決まりがあります。これが最速の実行力だと思っています。具体的に何かというと、通常は「1→2→3」でいろいろ物事を決めていく。1 が直感的に、やりたい!と思う。2 が、1 でやりたいって思ったことに対して、これは今やるべきなのかなって考える時間。3 が色々考えた上で、じゃ、やろう!とする決断。 私はその順序の2 と3 を入れ替えて「1→3→2」という形にして、やりたい!と思ったらとりあえずやってみる。実際にやって、行動に移してみて、これはやるべきだったか、やるべきではなかったかを、2として最後に持ってくる。この法則は、インターンを通じて自分自身で考え見つけられたのでよかったです。何事も考えるより体験・体感してみると、学ぶものが多いなと思います。
ーーなるほど。そのインターンシップを終えられてから就活が始まったっていうイメージですか。
いいえ、私はインターンを行いながら就活をしました。就活を開始したのは昨年の6月です。インターンを始めたのが昨年の2月で、2~5月とインターンシップを通じある程度会社はこのように成り立っているんだということを理解しました。会社の中で働くことも、こんな感じかと体験を通じて理解できました。なので本来であれば一般的な就活の開始が今年の3月からですが、もう就活していいんじゃないかなと思い、昨年の6月くらいから始めましたね。
ーー3年生の6月から就活を開始したという事ですか?
そうですね。就活の準備として何をしようかなと考え最終的に3つのステップを踏みました。ステップ1として、自分なりの自己分析を行いました。就活は面接や人と会って話すことが絶対的になるので、まず自分で自分の特徴を言えるようにしようと思って、ゆっくり自己分析を始めました。次にステップ2として、企業のことを知らなかったので、とりあえず興味のある企業を中心に会社訪問やOB訪問をさせていただきました。具体的に訪問した企業さんはTwitter Japan(株)さんとか、Google(株)さんなど。国内ベンチャーでいうと(株)nanapiさんとかウォンテッドリー(株)さんとかに訪問しました。自分の興味のある企業さんにとりあえず連絡をとって行ってみて、中で働いている人と直接会って話しをしてみて、というスタンスを大事にしていました。このステップ2を通じてある程度幾らかの企業について理解が深まりました。最後にステップ3として、自分はどのようなことに興味があり仕事にしたいのかを、ゆっくり思い返してやりたいことをステップ3で決めたのです。
ーー結局就活生って周りが良いという企業を”良い”と思ってしまう節があると思うのですが、その中でちゃんと軸を持ってマイクロアドに決められた笹本さんは珍しいと思います。その現状に対してどう思われますか。
私は元々あまり他人を気にしないのであまり分からないですね。(笑) 逆に人と違う選択肢を選ぶことが多い気がします。 働くことについてですが、そもそも私は開き直ってます。具体的に言うと、人生の約3分の1の時間は仕事すると思ってて。そこは一般的な働き方から逸れない限り変わらないと思うのです。せっかく働くなら楽しくワクワクするような仕事を時間を過ごしたいですよね。なので、自分がやりたいことが出来そうな、ワクワクして働いているイメージが湧く企業選びが必要だと思います。
ーー休学されているので、今新卒1年目の友達が多いかと思いますが、仕事の話とか既に聞かれてますか?
そうですね、数人とは飲みに行って仕事の話を聞きますね。実際、既に辛いと嘆きの声や週末のために仕事をしているという話を聞きます。そういった話しを聞くと、何故だかかわいそうだなって。自分が行きたいと思ったから入社したんでしょ、ってよく言いますね。
ーー 実際に今、自分の軸を持っていない人たちはまず何をしていけばいいと思いますか。
前にも話しましたが、まずは自己分析をすべきでしょう。自己分析は様々な方法があると思います。よく最近では自己分析の本などが販売されていてその本に準じて行うみたいなものがありますが、そういう事は就活のためのテクニックでしかないので、不必要と思っています。 私の自己分析について少しお話しします。まず机に向かって自分のいいとこ悪いとことか、過去何をやったのか、とりあえず書き出す。これって一回で全然書き出せないのですよね。ですので、日常の中で何度も自己分析を行います。例えば、ノートを作って、移動してるときに、自分って何が好きなんだろうとか、自分ってどういうことを考えてるんだろうっていうのを考え思い付いたらとりあえず書く。考えて、思ったら書くっていうのを癖づけていくと、日を追うごとに自分のヒントが少しずつ溜まってきます。そこから、たくさん集まったヒントに対して似てるものを集めるグルーピングをします。そうすると、自分がどういうことに興味があるのかが段々寄ってきたり、固まりになります。そこから自分の好きな特徴を抽出して、自分を客観的に見て、あ、自分ってこういう人間なんだな、こういうことに関心があるんだなと分かってきます。机に向かうよりかはずっと分かります。 これは一日ではできないので、大学入って1年生のころからやった方がいいと思います。就活のためじゃなくて自分の人生のために必要だと思います。
ーー自分の特性をグルーピング化していって自分の特性を理解していき、そこから企業を見ていく作業に移るのですね。
自分のやりたいことが明確になったら、そのやりたいことに近しい企業を探す作業に映ります。多くの企業を片っぱしから受けるよりも、関心高い企業のみ受ける方が、効率的でミスマッチが起こらないと思いますね。
最近よく言うのが、”とりあえずDoしようぜ!”、と。とりあえずやりたいと思ったらやりましょうと。これやっていいのかなであったり、「これとこれやりたいのだけどどっちやればいいんだろう」など、いろいろ考えてる学生は結構多いと思います。しかし彼らの大半は考え悩むだけで実際にアクションを起こしてない。ですので、やりたいと思ったらとりあえずやってみよう。『1→3→2の法則』じゃないですがやりたいと思ったらとりあえずやってみて、その後、その判断が良かったか悪かったかを判断する、でいいんじゃないかと思います。仮に2つやりたいことがあって、どっちやったらいいのかわからないのであれば、歳上の人に聞こう。経験豊富な人に聞いて、情報をもらって考えてとりあえず直ぐやる。まず行動を起こしてみないと、頭で考えてもわからないので。めちゃくちゃ悩んだ選択肢はどちらもそんなに間違ってはないと私は思います。後はその選択肢を正しくしていけばいいのです。
大学一年次よりスタートアップに興味を持ちアプリ開発/ベンチャーでのインターンシップを経験。 現在、学生の視野を広げるco-mediaとインターンシップから築く新しい就職の形InfrAを運営する株式会社Traimmuの代表。 サッカー観戦とジム通いが趣味。