ジェッサ・ギャンブルさんは数々の賞を受賞してきたカナダ出身の作家です。 そんな彼女がTEDで話したことは、現代人の理想の睡眠習慣についてです。
学校、アルバイト、仕事をこなしながら、8時間の睡眠が「理想」として捉えられる現代社会。 科学と私たちが自然に持っている体内時計について調べた彼女は、私たちの理想の睡眠習慣について驚くべきことを発見しました。それは一体どのようなことだったのでしょうか。
(出典:https://www.ted.com/talks/)
人間を含め、生命体は光によって進化してきました。体内時計もそうです。昼と夜の繰り返しによって私たちの体は発達してきました。明るいときには機能し、暗いときには体の機能を休めるというような、体内の仕組みを発達させてきたのです。
ジェッサ・ギャンブルさんは、そんな「睡眠」にまつわる人間の体内時計について調べるためにボランティアを募り、彼らを2~3か月間光のない地下の暗い場所に閉じ込めておきました。その結果、2〜3か月間の彼らの生活、特に睡眠サイクルはどうなったと思いますか?
光の変化もなく、時計もないところにずっといると、適当な時間に寝てしまい睡眠サイクルがぐちゃぐちゃになりそうですよね。しかし、実験の結果、彼らは不思議と規則正しい睡眠サイクルをしていたそうです。
下界の影響がなくとも、彼らの体が「動くとき」「休むとき」をしっかり分けて感知し、体に影響を与えていたものだと見られています。
私たち人間は赤道の近くで発達した種のため、元来12時間の昼と12時間の夜というサイクルに非常に慣れている生き物なのだそうです。しかし、時が過ぎ、土地の開発が進み出すと、人類は世界の様々な場所に広がり移住を始めました。
たとえば、ギャンブルさんが住んでいるカナダでは、土地柄夏は白夜で一日中明るく、冬は一日中暗いです。
そのため、ずっとそこに住んでいる民族の人たちはその影響で体内時計ができています。
このように、もともとの自然の睡眠サイクルから影響されて少しずつ変化し、人がそれに適応するという例も多々あります。では、もともとの人間の自然な睡眠サイクルとはどのようなものなのでしょうか。
先ほどご紹介した実験によれば、人は光がないところにいると一日二回、主に午後八時から午後十二時、そして午前二時ごろから日の出まで眠るそうです。
この間の2〜3時間の間に静かな瞑想の時間が生まれ、現代の生活では生まれないプロラクチンという物質の体内での増加が見られました。この習慣を実験で体感した人々は「はじめて(起きているときに)覚醒を感じた」とコメントしています。
これを受けて最後に彼女は、「現代の社会の仕組みによって睡眠サイクルはとても変わってきました。社会に適応した形なのでそれでもいいと思います。しかしそこから生まれる弊害もまた理解するべきだと思うのです」とまとめました。
睡眠時間をどうしても削らなければ回らないことも日常で多々あると思います。 しかし、私たちが今経験している睡眠習慣は自然ではないという事を理解し、弊害を理解した上で上手に付き合っていくことが大切です。
・Our natural sleep cycle is nothing like what we do now By Jessa Gamble 「自然な睡眠周期」 By ジェッサ・ギャンブル
海外ドラマ・映画に影響されて15歳でアメリカ留学へ。現在大学では海外から来た生徒と一緒に授業を全て英語で受けています。最近はイベントで通訳をしたり、韓国語を勉強したりと忙しい日々を送っています!主に海外の記事を参考にオリジナル記事を作成していきたいと思います!