“コーヒー界のApple”と呼ばれ、スタバ超えの期待が高まる『ブルーボトルコーヒー』に注目が集まっています。
ブルーボトルコーヒーは、2002年にカリフォルニア州オークランドでクラリネット奏者だったジェームス・フリーマン氏がその道を諦めた際、彼のもう一つの情熱であるコーヒーを極めようと、自宅のガレージで創業されたのが発祥です。
GoogleやTwitter、Instagramなどの創業者から出資を受け、現在サンフランシスコ、ニューヨーク、ロサンゼルスに計17店舗を構えるブルーボトルコーヒーは、東京の清澄白河店を米国外初店舗に選びました。
その理由は高い建物が少なく、アメリカ本社のサンフランシスコに環境が似ているからだそう。オープン初日には4時間待ちの行列ができました。(出典:http://toyokeizai.net/articles/-/72690)
海外各地から届いた豆が積み上がった倉庫の中で、大きな焙煎機で煎られる豆を見ながら音楽を楽しみつつ間近にバリスタたちが入れるコーヒーを飲める場所として、日本のコーヒーファンを唸らしています。
日本のコーヒー店には2つの種類があり、1つは日本の小さな古き良き喫茶店、そしてもう一つは海外発祥のファストフード店に分類される大規模コーヒーチェーン店です。
創業者のフリーマン氏は特にスターバックスのマニュアル化されたコーヒーには反対で、完璧な1杯を長年追求しています。
過去に日本ではパンケーキ、ポップコーン、ドーナッツ、タコ・ベル(アメリカ流メキシコ料理)などの海外輸入食品が大ブームを起こし、ミーハーでトレンドに敏感な多くの日本人を楽しませてきました。
そんな中、日本の飲食産業における消費者の動向は変化しつつあり、マクドナルドなどのファストフード店の減少が以前より日本人が食品の安全や質にこだわっているのを物語っています。
ブルーボトルコーヒーが日本上陸する際、経営陣が綿密にリサーチしたのが日本人がどれぐらいコーヒーを愛してやまないのか、そしてブランドのイメージ戦略でした。
日本では近年、早くて安くて美味しいコーヒーこそ良いコーヒーだというイメージが強いです。 レジ付近で香ばしい入れたてのドリップコーヒーと美味しいドーナツを提供するセブンイレブンのセブンカフェ、読書のお供にとりあえずコーヒーを提供する漫画喫茶、立派な商品名を持つ自販機の缶コーヒーはその代表例でしょう。
フリーマン氏が大ファンである昔ながらの日本の喫茶店は減少する一方ですが、実はそれこそが彼の目指すコーヒー店なのです。その点で、彼が”kissaten”を敬愛して日本を海外初出店の地に選んだのがわかります。創業者フリーマン氏は、豆の産地や生産方法にこだわるだけでなく、自社店舗で毎日焙煎をし、バリスタたちが毎度一杯ずつドリップするスタイルを確立したため、コーヒーメーカーで大量にブレンド豆を抽出する他店に慣れた人々に衝撃が走っています。
ファストフード店に分類されたくない!という方針のため、急速に店舗を拡大する予定はなく、店舗数など具体的な数値目標もないようです。2号店が3月に南青山にオープンし、現在のところサンフランシスコ発のベーカリーとのコラボレーションで代官山付近に3号店が出される予定です。日本1号店にはサンフランシスコから3人の厳選されたバリスタが参加しており、そのうちの1人、29歳のアンドリュー・スミス氏は、『日本のお客様はコーヒーに関してアメリカ人とは違う概念を持っているので、コーヒーに求めているものが異なります。世界中の人がコーヒーという同じ飲み物を飲んでいるのに、受け止めているものは違っていてすごく面白いです』とコメントしました。
なにより驚くのが、その資金力。おそらくシリコンバレーから多すぎるほどの出資を受けたフリーマン氏は2013年までにおよそ26億円の資金を調達しました。すでにオープンした日本1号店と2号店は爆発的な人気を維持しており、彼の準備周到な経営力の高さには圧巻です。
今後その莫大な資金をどのように使って店舗数を増やしていくのか、日本でコーヒーのあるライフスタイルをどのように提案、実現していくのか必見です。
(参考:http://www.businessinsider.com/people-in-japan-are-waiting-four-hours-for-a-cup-of-blue-bottle-coffee-2015-5)
アメリカ極寒の田舎で4年半国際ビジネスを勉強してました。卒業後アメリカ南下を目指すも失敗し、北上してさらに極寒のシカゴで働いてます。これは!と個人的に思った海外記事を発信していきます☆