人工知能の発達によって将来「なくなる仕事・なくならない仕事」。

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AI2ー 「雇用の未来:私たちの仕事はどこまでコンピュータに奪われるか?(The Future of Employment: How Susceptible are Jobs to Computerization?)」(2013年9月)

この論文はイギリス・オックスフォード大学の研究者、カール・フレイとマイケル・オズボーンの両博士が発表したものです。 調査には機械学習の専門家が協力し作成をしました。 機械学習とはAI(Artificial Intelligence:人工知能)の一分野です。 AIを搭載したロボットやコンピュータによって、今後10〜20年の間に現在の職種が奪われる可能性が推定されています。 これまで人間がしてきた仕事をこれからはロボットがすることによって、より効率的かつミスのない生産性の高い仕事がこの世に生み出されます!

つまり、この調査は機械学習の専門家が考える、「AIによってできること・できないこと」を示しています。 AI3(出典:http://wired.jp/2014/01/29/google-buying-way-making-brain-irrelevant/)

機械学習とは何なのか、「機械学習ができること」を考えるためにこれまでのAIを2つに分けて考えようと思います。

(例)「I love you」を日本語訳する

①今までのAIによる翻訳:「わたしは、あなたを愛しています」

グーグル翻訳で「I love you」と入力すると上のように翻訳されます。 このときコンピュータのなかでは次のようなことが起きています。

「I」=90%「わたし」と訳される 「love」=80%「愛しています」と訳される 「you」=85%「あなた」と訳され 「わたし」の後には65%「は」が続く 「あなた」の後には60%「を」が続く…これらの結果によって「わたしは、あなたを愛しています」というようになります。

このとき、コンピュータは単語の意味を理解している訳ではありません。 膨大な情報を分析・計算し、日本語訳を作っているのであり、本当に解釈できているというわけではないのです。 しかし、新たに研究されたAIでは以下のような翻訳となります。

②研究が現在進行中のAIによる翻訳:「大好き」

2012年、グーグルの研究によって、AIが概念を獲得した、という事例が発表されています。

具体的には、コンピュータが大量の静止画を利用して「ネコ」の視覚的な概念を学習し、コンピュータ上にネコのイメージをゼロから描き出した、という事例があります。 コンピュータからすれば、静止画は点(ピクセル)の集合でしかありません。 そして、そこからネコはこういうものだ、という概念を得ました。 この事例を言語解析に応用すると、言葉の意味に基づいて翻訳ができるようになる、つまり例えば上のような意訳ができるようになる、とみられています。 つまり、概念を形成しそれに付随する行動を起こすことができるようになりました。

膨大な情報や大量の静止画などのビックデータを収集・分析するだけでなく、自律的に学ぶことが機械学習ではできるようになっています。

これらを応用しているものとして、IBMが開発したワトソン、AmazonやYouTubeのレコメンデーション機能、自動運転車、Siri(音声認証)などが挙げられます。 すでにいくつか知っているものがあるのではないでしょうか。皆さんの生活にすでに欠かせないものになっているのです!

これだけのことがコンピュータでできるようになっている一方で、仕事を奪われそうにない職種もあります。 それが芸術家や、ディレクターなどの感覚や感性を売りにしている職種のことです!

これらの職種は創造的・芸術的であり、また高度なコミュニケーション能力が求められるために、専門家はAIによって代替できないと考えています。 人の感性や、感情などはデータ化するのが難しいのです。 例えば、データをどんなに多く集めても、「I love you」=「月が綺麗ですね」とは訳せないと思われます。 また、日本の侘び寂びをしめす行動やマナーなどを、ロボットがすることはできないでしょうし、ゴッホやモネが描いた画などの作品もロボットでは作ることができないでしょう。 こういった人らしい仕事というのはAIでの代用は効かないものになっています。

今回の記事は小林雅一さんの著書、「クラウドからAIへ-アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場」(朝日新書)と「AIの衝撃-人工知能は人類の敵か」(講談社現代新書)を参考にさせて頂きました。 特にこの記事の内容は後者の著作について詳しく書いてあり、これからの10年後、20年後はどのような仕事が残り人間はどういったことを生業として生きていくのでしょうか?

これからは人との競争だけではなく、ロボットとの競争も考えて生きていく必要があります。

この記事を書いた学生ライター

Ryota Mukai
Ryota Mukai
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一橋大学社会学部の3年生です。 主にニュースでみる時事的なトピックを取り上げて、記事を書いていきます。好きな映画や本、服、ラジオ、テクノロジーなどの記事も書けたらいいな、と思っています。

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