こんにちは、ポーランド留学中の石割です。
就職活動が本格化し、ESの提出期限に追われたり、提出した結果が帰ってきたり、何かと忙しい時期ですよね。
私は7月まで日本には帰国できないので、説明会や就活イベントなどには全く行けず、完全に手探りで就活を進めております。 しかしそんな状況も悪いことばかりではなく、ある意味あまり周りに影響されずに自分らしく就活をできていると思うんですよね。 そんな視点から、今回はES(エントリーシート)を書く時に気を付けているポイントについてまとめてみました。
ESは、当然ではありますが、とりあえず書けばOKというものではありません。なぜなら読み手が存在するからですね。
今の時代はTwitter・FacebookのようなSNSやブログなど、インターネットを使えば様々な方法で自分の文章を広く公開することができます。もちろん読み手を意識したものを書くこともできますが、特にツイッターなどには取り留めもない内容の文章を、読み手を意識せずに書く人も多いと思います。
言ってみればそれは日記のようなものですが、日記とは大きく違う点が、公開されるということです。 読み手を意識せずに書いた文章でも、不特定多数の誰かに読まれることがあり、反応がもらえたりします。それが何度も続くうちに、なんとなく自分が読み手を意識した文章を書いている気になってしまう、なんてことは無いでしょうか。
つまり、なんとなく書いた文章でも意外と簡単に反応がもらえてしまうという環境で、しっかりと読み手の反応を意識した文章を書くことが難しくなってしまっているのではないか、ということです。
ですので私は、常に読み手の反応を意識してESを書くように心がけています。特に「こう書いたらどう思うだろうか」と「こう思われるためにはどう書いたら良いだろうか」という2点に関しては、一文ごとに深く考えるようにしています。
早速矛盾したことを言うようですが、これはつまり「もっと特別なことを書かなきゃ」という思考にならないように気をつけようということです。
読み手のことを考えるのはとても重要なことなのですが、それを気にするあまり「こう思われなきゃいけないから、こう書かなきゃいけない」という思考になってしまうことがあります。 特に代表的なのは、「他の人より優れているように見せなきゃいけないから、こんな普通のことは書けない、もっと特別なことを書かなきゃ」という考え方だと思います。こういった考え方のせいで、ESが一向に書き進められない、という状況に陥っている人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、あくまで気をつけるべきは「どう書くか」ということであり、「何を書くか」ではないと思うのです。 もちろん内容が面白いに越したことはありませんが、周りと同じような経験をテーマにしたとしても、そこから何を感じ取ったか、それをどう表現するのかは自分次第です。 むしろそれが自分らしさなのであり、ネタ探しに奔走するよりも、パッと思いついたネタをどう表現するかに時間をかけるべきと、私は思っています。
考えてみれば、小説や映画だって、同じようなものを題材にしたものって多いですよね。それでも類似作品から飛び抜けて印象に残る、所謂「名作」というものが存在するわけです。ネタが面白くても、表現方法では駄作になりえますし、逆もまた然り。読み手の感想ばかり気にしすぎて、頓珍漢な方向に舵をとってしまわないよう、気をつけるべきですよね。
これ、当然だろ、と思いますよね。しかし周りの友達の話などを聞いて、嘘だと思っていないけど、ある意味嘘をついてしまっている、ということがあり得るのではないかと感じました。
どういうことかというと、例えば提出する企業によって書く内容を変えた、という経験はないでしょうか。それの何が悪いんだ、と言われてしまいそうですが、何もそれが絶対悪だと言いたい訳ではありません。
しかし、「あなたが学生時代に一番頑張ったことはなんですか」という質問があったとして、その内容を企業ごとに変えるのはどうかな、と私は思ってしまいます。「一番」と言われているのだから、どんな企業に聞かれようが、どんな人に聞かれようが、普通内容は一つですよね。もちろん頑張ったことが決めきれないほどたくさんある場合はそうでは別でしょうが、「この企業には、こういう内容で書いたほうが有利だろう」みたいな考えで書く内容を変えていくのは、私は好きではありません。「一番」を聞かれているのだから、「一番」をズバッと書いてあげればいいじゃないか、と思ってしまいます。
最後になりますが、就活は何も就活生をいじめるためのイベントでは無い、という意識を持つこと、これが一番大切だと私は思います。
例えばES、これも就活生を「落とす」ためにあるのでは無いですよね。もちろんそれが選考である以上、落選する人がいるのは当然のこと。でもまた、そこには理由があるわけです。
各企業に合っている人を企業が選ぶための選考なのであり、「落ちる」というのは「うちの企業には合わないと思いますよー」と言われているだけのこと。それ以上でも、以下でもありません。ですからこちらも「そうですか、残念ですー」と、そう思えば良いのではないでしょうか。
実際に私が就活を始めてみた感想として、就活はとても抽象的なものだと思いました。大学受験ならば、行きたい大学に合わせて勉強をし、試験で良い点数を取れば良いという明確な目標とそこに至るまでのプロセスがあります。
しかし就活はそうはいかない。 今後の人生を左右する重要なイベントでありながら、正直企業に入ってみるまでは何が起こるかはわかりません。
ですから、選考の段階で「合わないと思う」と企業側から判断してくれるのは、むしろ自分にとってはプラスのことであると思うんですよね。
「落ちた」から「自分は劣っている」という考え方は、むしろ受検や試験などにおける「点数」のような、周りの人たちと自分の違いを測る明確な指標がある場合にのみ合致した考え方であり、就活生・企業ともに「合う気がする、合わない気がする」というある意味フィーリングで進んでいく就活においてはあまり論理的ではない考え方だと思います。
さて、いろいろ思ったことを思ったように書かせてもらいましたが、どうだったでしょうか。 日本にいて大勢の就活生に囲まれていない分、だいぶ緩く甘く考えているという自覚はありますが、果たしてそれは絶対にマイナスでしょうか。
もっと気楽に考えることで、もっと良い結果が出ることもありますよ。 あまり根詰め過ぎないように、適度に頑張りましょう、というお話でした。
2012年4月、秋田県秋田市にある国際教養大学(AIU)に入学。グローバル・ビジネスを専攻とし、2014年9月からはポーランドのワルシャワにあるワルシャワ経済大学(SGH)へ約1年間の留学中。AIUではサークル活動である演劇に、SGHでは旅行と美術館巡りに熱中。日本ではあまり馴染みのないポーランドという国の魅力を、一人でも多くの人に伝えたいという想いで記事を書いています。